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転生したら奴隷になりました[魔力を得て楽しく暮らます]  作者: アル治


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最終話  これからの道

今まで読んでいただきありがとうございました。

無事に最終話まで書けることが出来ました、ありがとうございました。

4人は最後の仕事をしっかりと終わらせた。


他の奴隷達は、明日から自由になれる喜びからか、仕事を終わらせていない者も多かった。


看守達もどこか上の空だったので、注意を受けることもなかった。


奴隷達が小屋に戻ると、みんな明日街へ帰ることしか考えていない。


そのため、井戸の周りは奴隷達で溢れかえっていた。


ジン

「今日は井戸、凄いですね」


ラック

「明日、街に帰れるからな。いつも以上に綺麗にしたいんだろうな」


レイ

「気持ちは分かる」


ブライ

「俺達も街に行くんでしょ?」


ラック

「その予定だ。今日はオスカーは来れないだろうな。井戸が凄いからな」


ジン

「そうですね」


ブライ

「それより街に行ったらどうする?」


レイ

「どうするとは?」


ブライ

「街だよ! ご飯も酒もある。そして……娼館もある!!!」


ラック

「っ!!!」


レイ

「はぁ……あるけど、ブライ、金は?」


ブライ

「あ…………無い……」


ラック

「…………」


レイ

「全く。行きたいのは分かるけど、ちゃんと考えて行動しないと、犯罪者になっても知らないぞ」


ブライ

「……はい……。牢屋には入りたくないです……」


ジン

「【街行ってからで良いかな】」


4人は街でどうするかを色々と話し込み、夜を明かした。


翌日。


檻の前に奴隷が全員集まった。


看守

「街に行く前に少しだけ話がある。檻に入って街に行くものは、ここには2度と戻れない! 片道切符だと思ってくれ」


「ここで働くと決めた者だけが、ここで働ける。街に行ったけど仕事が無いから戻りたいと言われても無理になる。よく考えて決めてくれ!」


「街に行くか、ここで働くか。ここでの労働賃金は高くはないが、ちゃんと払われる。ちゃんと休日もある。街に行きたい時は馬車も出す。しっかりと考えてくれ」


奴隷達は、それぞれの場所で話し合っていた。


ラック

「そう来たか……。ここで冷静な判断をしないと、この先が終わる」


レイ

「餌が目の前にあるが、留まる判断が出来る者だけだな」


ジン

「帰って何とかなる人も、少数はいると思いますけど」


ブライ

「でも……家族には会いたいよな」


ジン

「ブライも?」


ブライ

「俺の家族はここにいる! ジンは?」


ジン

「俺は……悩んでる。会いに行くか、行かないか……」


レイ

「ジンの人生だ。もし家族の元に戻りた――」


ジン

「俺の家族はここに居るよ!」


ジンは、レイが言い終わる前に言い切った。


ジン

「ただ、育ててもらった恩もあるから……」


レイ

「会って来い!」


ラック

「そこでジンの考えが変わっても、俺達は何も言わないよ」


ブライ

「会わなきゃ分からないよ」


ジン

「……分かりました! でも、必ずこの家族の元に帰って来ますよ!」


ラック

「分かった」


奴隷達も、それぞれ考えをまとめていく。


そして、少数の者がこの場所に留まることを決めた。


檻の中には、いつもと変わらないくらいの人数が入っていた。


街に着くと、奴隷達は一斉に飛び出し、それぞれの家へ向かっていった。


ラック

「俺達はどうするか。ジンが家族に会ってる間、街で見て回るか?」


レイ

「それしかないですね」


ブライ

「女の子に声掛けるのは?」


レイ

「女の子に奢ってもらうのか?」


ブライ

「…………」


オスカー

「俺は少し金があるから、酒くらい奢ってやるよ」


ジン

「オスカー! どこに居たの?」


オスカー

「みんなとは違う馬車に乗ってた。やっと合流出来た」


ラック

「じゃあ、オスカーの奢りで酒だー!」


レイ

「ラックは飲み過ぎるなよ!」


ジン

「みんなに渡したい物があります!」


ブライ

「いきなりどうした?」


ジンは布袋を4人に渡した。


レイ

「ジン……これ!」


ラック

「おい!」


ブライ

「…………」


オスカー

「こんな大金、どうした!?」


ジン

「トビーさんに貰ってたんですよ。ちゃんと5人で分けましたから、それはみんなの金です」


ラック

「でも……いいのか?」


レイ

「結構な大金だぞ?」


ブライ

「…………」


オスカー

「俺の給金より多いな……」


ジン

「みんなのですから、好きに使って来てください」


レイ

「ジンのもあるのか?」


ジン

「ちゃんとあります」


ジンは自分の布袋を見せた。


レイは、その布袋を手にする。


レイ

「ちゃんと入ってるな」


ジン

「入ってないと思った?」


レイ

「ジンは自分を犠牲にするからな」


ジン

「そんな事はないです」


レイ

「あるよ。入ってるなら良かった」


ジン

「では、すみません。俺は会いに行ってきます。それまで、それで待っていてください」


4人

「行って来い!」


ジン

「はい!」


ジンは魔法で家へ移動した。


ラック

「行ったな……」


レイ

「もしかしたら……」


ブライ

「帰って来るよ! ジンは俺の家族だ!」


オスカー

「ブライ、ジンの決める事だ。俺達は待つだけだ」


ブライ

「……うん」


レイ

「酒飲みに行くぞ!」


ラック

「レイ! 酒なのか? 金はある! この先、何があるか分からないぞ」


レイ

「分かった、行くか! 娼館に!」


オスカー

「俺も行くぞ!」


ラック

「そうだろう! ブライ……行くだろ?」


ブライ

「もちろん! 行くよ!」


4人は娼館へ向かった。


一方、ジンは家の前で立ち尽くしていた。


ジンは、まだ悩んでいた。


家族に会ったらどうなるのか。


ラック達の元に戻れるのか。


しばらく家を見つめていると、後ろから声が聞こえた。


「ジ……ン……?」


ジンが振り返る。


金色の髪。


優しい顔。


間違えない。


こちらの世界での、ジンの産みの親だった。


ジン

「お母さん……」


母親が走ってきて、ジンを抱き締める。


母親

「ジン! ジン! 私のジン! ジン……」


ジン

「お母さん、ただいま……」


ジンも抱き締め返した。


母親

「ジン! もう離さないよ! ジン!」


ジンは母親を自分の体から離した。


母親

「…………? ジン……?」


ジン

「ごめんね……お母さん……。俺はここには戻れない……」


母親

「なん……で……?」


ジン

「仲間が……出来たんだ……。彼らを裏切る事は出来ない……」


母親

「ジン……っ……お母さん……嬉しいよ……。ジン、大きくなったね……」


母親は涙を必死にこらえ、笑顔を作った。


もちろん、いつもの優しい笑顔ではない。


明らかにぎこちない笑顔だった。


ジン

「……お母さん……」


ジンはお母さんを抱き締めた。


母親も、抱き締め返した。


ジン

「……ごめんね……ありがとう……」


母親

「ジン……ジン……ジン……」


2人は長い間、抱き締め合った。


やがて、ジンがゆっくりと口を開く。


ジン

「お母さん……そろそろ行くね……。元気でね! 俺は大丈夫だから!」


母親

「…………ジン……」


ジン

「お母さん、これあげる」


ジンは布袋を母親に渡した。


母親

「ジン……これは? ……お金??」


ジン

「お母さんが使って」


母親

「ジン……こんな大金……」


ジン

「いいんだ。これが正しい」


母親

「…………」


ジン

「もう行くね! 行ってきます!」


母親

「……はい! 行ってらっしゃい! 気を付けて行くのよ!」


ジン

「うん! ありがとう!」


ジンは家とは逆の方向に歩き出した。


後ろから、母親の泣き声が聞こえている。


それでも、ジンは振り返らなかった。


振り返ってしまうと、みんなのところには戻れないと思った。


ジンは家から離れた所で、魔法で街の入り口に移動した。


ジン

「【みんなどこに居るかな】」


ラック

「ジン? ジーン!!」


ジン

「ラック!」


レイ

「ジン……お帰り」


ブライ

「ジンは俺の家族だ!」


オスカー

「よく戻った」


ラックは優しく笑っていた。


ジン

「みんな何してたんですか??」


レイ

「ジン、聞くなよ」


ブライ

「ジンにはまだ早いからな!」


ジン

「なるほど……娼館ですか」


ラック

「ハッキリ言うなよ……」


オスカー

「ちょっと恥ずかしいな……」


ジン

「大丈夫ですよ。健全な男なら行くと思いますよ」


レイ

「相変わらず大人だな、ジンは」


ジン

「みんな揃ったんで、冒険者になりに行きますか!」


ラック

「ジン、その話なんだけど……」


ジン

「冒険者はやらないんですか?」


レイ

「実は、隣国ではまだ奴隷制度が廃止されてないんだ!」


ジン

「それって……?」


ブライ

「ジン! 隣国で奴隷にならないか?」


ラック

「オスカーに俺達を売って貰って、オスカーは看守の職に就く」


オスカー

「実績は充分あるからな」


ジン

「…………」


レイ

「ジン?」


ジン

「良いですね! 奴隷! 最高じゃないですか! またあの生活が出来るんですね!」


レイ

「やっぱりジンはジンだな」


ラック

「ジンが居れば、奴隷が一番だな」


ブライ

「運動して寝床があって、飯も酒も! あっ! 娼館……」


ジン

「街に来てるんで、いつでも街に移動出来ますよ! 隣国も奴隷になる前に色々回れば、移動は魔法で出来ますよ!」


オスカー

「おいおい! 最高じゃないか!」


ジン

「協力者は見つけないとですね。トビーさんだけだと、みんなの娼館代は賄えなそうです」


5人で笑いながら、隣国の方向を向いた。


ラック

「行くか!」


レイ

「行こう!」


ブライ

「おぉ!」


オスカー

「隣国に!」


ジン

「奴隷になる為に!」


ジン達5人は、振り返ることなく、笑いながら隣国へ向かって歩き出した。


転生したら奴隷になりました


完

こんなに皆様に読んで貰えると思ってませんでした、本当にありがとうございました。

違う作品は書いていきますので、面白いと思ってくれる作品があると嬉しいです。

ありがとうございました。

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