第47話 蒸留酒の完成
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ジンは心に少しの傷を抱えながらも、普通に生活を続けていた。
魔物肉も食べ尽くし、トビーに依頼して普通の肉を買っていた。
そんな生活を2ヶ月続け、ついに酒が完成する。
ジン
「ついに、この日が来ましたよ!」
オスカー
「林檎酒に葡萄酒の完成だな!」
ラック
「楽しみだな」
レイ
「林檎酒の濃いの……ぶらんで? 飲みたいよ!」
ブライ
「俺は肉がいいな!」
5人は晩餐の準備を始める。
ブライは肉を焼き、ジンは酒をみんなに配る。
ラックは魚を焼き、オスカーとレイはじゃがいもと蟹を揚げていた。
ジン
「良い色、香りも凄く良い!」
レイ
「ジン、先に飲むなよ」
ジン
「先に飲みたくなるくらい香り良いですよ」
やがて全員の準備が完了し、晩餐が始まろうとしていた。
ラック
「料理も酒も揃ったな!」
4人
「おぉー!」
レイ
「ジン! 頼んだ!」
ジン
「はい! 食べましょう! 飲みましょう!」
5人が、それぞれ酒を手に取り、料理を食べ始める。
レイ
「なんだこの酒! 林檎の香り、葡萄の香りもほのかにある!」
オスカー
「酒も強いし、前に飲んだ時のトゲトゲしさがないな。美味い!」
ブライ
「肉最高! 葡萄酒も街の葡萄酒より全然美味い!」
ラック
「凄い酒だな! こんなの貴族……国族じゃないと飲めないぞ!」
ジン
「フルーティーなブランデーだ。こんな美味い酒は飲んだことない」
ジンは、みんなのブランデーの器に【パゴス】で氷を入れた。
ジン
「この酒には氷ですね」
ラック・レイ・オスカー
「最高!!」
器を傾ける。
カラン……。
氷が器にぶつかる音も心地良かった。
レイ
「凄いな。まさか、こんな生活が出来るとは」
オスカー
「俺も自分の鼻を褒めたいよ」
ラック
「確かに。オスカーは鼻が利かなかったら、ここに居ないもんな」
オスカー
「本当だよ! この鼻のお陰だ!」
ブライ
「違う! ジンのお陰だから!」
ジン
「ブライ……」
レイ
「それはみんな分かってるよ。ジンがいなければ、何も無いからな」
ジン
「俺も楽しいし、美味しいから気にしないで。楽しもう!」
5人で晩餐を楽しんだ。
そして、酒が進み、ラックとブライは潰れて寝てしまった。
オスカー
「本当に美味い酒だな。金貨払っても飲みたくなるくらいだ」
レイ
「本当だな。明日、仕事行きたくない」
ジン
「本当ですね。休みますか?」
ジンの言葉に、3人で笑った。
だが、しばらくするとオスカーの顔が真顔になる。
オスカー
「ジン、レイ。まだ噂なんだが……奴隷制度が廃止になるかもしれない」
レイ
「えっ? 廃止になったら、俺達はどうなる?」
オスカー
「自由になる。ここの仕事をしたければ、雇ってもらえるかもしれない。ただ、雇ってもらえる保証は無い。特にジンは若すぎる」
ジン
「……俺はどうなるんですか?」
オスカー
「まだ分からない。家に帰れるかもしれないし、奴隷として売った家には戻さず、国の作った所に行くかもしれない。まだ噂なんだ」
ジン
「…………」
レイ
「でも俺達は変わらない。ジンのそばに居られる」
ジン
「オスカーはどうなるの?」
オスカー
「俺は仕事を変えなくちゃいけないな。看守って仕事はなくなるからな。俺はこれしかやったことないからな……」
レイ
「俺達と一緒に働けばいいじゃないか」
オスカー
「それもそうだな」
「ジンが居るから、このメンバーで冒険者もいいかもしれないな!」
レイ
「オスカー!」
オスカー
「っ!すまない⋯つい言ってしまった⋯ジン、すまない⋯」
ジン
「大丈夫ですよ、それも案として考えておかなきゃですね、仕事がすぐ決まるわけじゃない、みんな奴隷と看守ですからね、雇ってもらえる保証がない以上冒険者で魔物を狩って生活するのも考えておいておかしくないです」
レイ
「ジン⋯」
それから3人は、そんな話をしながら時間を過ごした。
やがて、日が暮れていく。
楽しかった晩餐。
完成した酒。
いつもと変わらない仲間たち。
それなのに。
ジン
【奴隷生活が終わる】
ジンの頭の中には、その言葉が残っていた。
ジン
【今度は金を稼がなきゃいけなくなる……】
奴隷ではなくなる。
それは自由になるということだ。
でも、それは同時に、今まで考えなくても良かったことを、自分たちで考えなければならなくなるということでもあった。
ジン
【それはそれで、色々問題が生じる……】
ジン達の生活に、少しずつヒビが生じ始める……。
今後もよろしくお願い致します。




