第39話 初めてのうどん
いつも読んでいただきありがとうございます。
5人は仕事に勤しんだ。
昼になると、ジンは滝の所に生えている油の木の実を回収し、その後、トビーの所へ向かった。
ジン
「トビーさん!」
トビー
「ジン! 何か必要になったかな?」
ジン
「白い野菜の他に、黄色っぽい木の根みたいな物ってありますか?」
「葉っぱは緑なんですが……」
トビー
「ちょっと判らんな。その辺を探してみな」
ジン
「ちょっと探させてもらいますね」
ジンが探している間に、トビーはミルクと卵を用意していた。
ジンは緑の葉を中心に抜いていき、違う物だと判れば、また畑に戻していった。
ジン
「あっ! あった、生姜だ!」
念のため、ジンは少し切って匂いを嗅いだ。
間違いなく生姜だった。
ジン
「トビーさん! これ、貰ってもいいですか?」
トビー
「それか。それは辛いからな」
「たまに噛じりたくなるな。欲しければ持っていけ」
ジン
「ありがとうございます!」
「お礼に、このソースをどうぞ」
ジンはトビーにマヨネーズを渡した。
トビー
「これ、ソースか?」
ジン
「味見してみてください」
トビーはマヨネーズを少し口にした。
トビー
「ッ! これは……卵か?」
「酸味もあるけど、爽やかだな」
ジン
「気に入って貰えて良かったです!」
「作り方は……」
ジンはトビーに、マヨネーズの作り方を教えた。
トビー
「これなら、いつでも作れるな」
「蟹に付けても美味いかもな」
ジン
「そうですね。合うと思います」
「野菜に付けても美味しいですよ」
トビー
「いつも悪いな。売れたら、ちゃんと還元するからな」
ジン
「大丈夫ですよ」
「でも、作り方だけは教えないでくださいね!」
「これは、味が判っても作れないと思うので」
トビー
「判った。俺達で独占だな」
ジン
「はい、お願いします!」
ジンはトビーとの取り引きを終え、川から現場へ戻った。
そして、一日の仕事を終え、小屋へ戻った。
ジン
「うどん作りますね!」
「スープから作ります!」
ジンはアイテムボックスから、ペテノザークの骨を取り出し、鍋に入れて煮込み始めた。
骨から出汁を取っている間に、小麦粉を用意する。
ジン
「小麦粉と水を混ぜていきますね」
小麦粉に少しずつ水を加え、こね始める。
ジン
「……ッ! なかなかキツイ!」
ラック
「ジン、変わるぞ」
ラックに交代した、その時――
コンッ! コンッ! コンッ! コンッ!
オスカーがやって来た。
オスカー
「お! なんだ? 力仕事か?」
「それなら俺に任せろ!」
ジンはうどん作りをオスカーに任せ、ラックと一緒にスープの方へ取り掛かった。
ジン
「ラック、味見してもらえますか?」
ラック
「凄い味だ。でも、薄いぞ」
ジンも味見をする。
【凄い……ちょっとしか煮込んでいないのに、白湯スープみたいだ】
【確かに味は薄いな……】
ジン
「塩で味を整えましょう」
オスカー
「ジン、こんなのでどうだ?」
オスカーがこねた生地を見せてくる。
ジンが触ってみると、ちょうど耳たぶくらいの硬さになっていた。
ジン
「良いですね!」
「少し休ませましょう」
うどんの生地を休ませている間に、5人は風呂に入った。
風呂から上がると、ジンは再びうどん作りに取り掛かった。
ジン
「うどんを切って、茹でますね!」
「スープの方は骨を取り出して、野菜とペテノザークの肉を入れて完成させます」
ジンはスープに玉ねぎ、肉、生姜を少し入れ、煮込んでいく。
一方、うどんは【アエラス】で切り分け、多めのお湯で茹で始めた。
ジン
「茹で時間が判らないけど……」
「少し食べながら、茹で具合を見ますね」
ジンは少し茹でては食べ、また少し茹でては食べることを繰り返した。
ジン
「良いと思います!」
茹で上がったうどんを水で洗い、冷やして締める。
水を切り、皿に大量に盛り付けた。
5人分の器にスープを入れ、みんなに渡す。
ジン
「出来ましたよ! 食べましょう!」
ラック
「……どう食べるんだ?」
ジン
「最初、俺が食べますね」
ジンはうどんを取り、スープに浸す。
そのまま口に運び、すすった。
ジン
「美味しいッ!」
「鶏の出汁が良いですよ!」
それを見た4人も、うどんに手を伸ばした。
スープに浸して口に運ぶが、うどんをすすって食べることは出来ない。
何度か口に運びながら、味わっていく。
ラック
「ッ! なんだこれ?」
ブライ
「う、美味い!」
レイ
「出汁が凄い!」
オスカー
「なんだ? この料理!」
その言葉を最後に、みんなはうどんを取り合うように器へ入れていった。
ラック
「あぁー、美味かった!」
ブライ
「体も温まるし、美味い!」
レイ
「これは、売れる!」
オスカー
「世の中に、こんな飯があるとはな……」
ジン
「喜んで貰えて良かったです!」
オスカー
「酒がなくても、今日は温かく寝れるな」
この日は、体も心もぽかぽかになり、5人はぐっすり眠ることが出来た。
今後もよろしくお願い致します。




