第38話 揚げた肉と新しい料理
いつも読んでいただきありがとうございます。
ジンは、オスカーが風呂に入っている間に夕食を作り始めた。
ジン
「今日は、取ってきたこの肉を使います」
「まずは、一口サイズくらいに切っていきますね」
ジンは【アエラス】で肉を切っていく。
ヴィソーンの肉とは違い、今回はアエラスで切ることができるため、作業は順調に進んだ。
ジン
「切れた肉に、小麦粉を付けてください」
ラック
「俺がやる」
ジン
「ブライは、卵を混ぜておいてください」
ブライ
「任せろ!」
ジン
「レイは、これをお願いします」
ジンは、卵と植物油、レモンをレイに差し出した。
レイ
「ジン……これはどうすれば?」
ジン
「卵の黄身とレモン汁、塩を混ぜてから、少しずつ油を入れて、クリーム状にしてもらえますか?」
レイ
「判った! 任せろ!」
ジンは肉を切り終えると、揚げるために油を温め始めた。
その間に魚もさばき、小麦粉をまぶしておく。
ラック
「ジン、肉出来たぞ」
ブライ
「こっちも卵出来てる!」
ジン
「ありがとう。2つとももらいますね」
ジンは肉を受け取り、溶いた卵を片手に、油の前に立った。
ジン
「それじゃ、揚げていきます」
小麦粉を付けた肉を溶き卵にくぐらせ、油の中へ投入していく。
1度に入れすぎないよう、何個かずつ。
油の温度に気を付けながら、次々と揚げていった。
ジン
「油が跳ねるから、気を付けてくださいね」
「アチッ!」
ブライ
「ハハハッ! 言ったジンが当たってどうする!」
ジン
「本当ですね! アハハッ!」
いつもの賑やかな料理の時間になった。
ジンはどんどん肉を揚げていき、最後に魚も揚げていく。
レイ
「ジン、こんなもんか?」
レイが、混ぜていたものを見せてくる。
ジン
「流石です、レイ! 完璧です!」
こうして、揚げ物が出来上がった。
ちょうどオスカーも風呂から出てきた。
オスカー
「なんか俺、何もしてないな……すまない」
ラック
「仕方ないだろ。同じ小屋じゃないし」
オスカー
「そうなんだが、今度何か持ってくるな」
「食事も、そんなに奴隷と変わらないんだが……」
ジン
「オスカーは、街に行けたりしないんですか?」
オスカー
「頼めば行けるが、何か欲しい物があるのか?」
ジン
「今は大丈夫です」
「いざって時に、頼むかも知れません」
オスカー
「おぅ! その時はいつでも言ってくれ!」
ジン
「はい! では、夜ご飯出来ましたよ。食べましょう!」
ラック
「揚げ物だな。凄い量だ……」
ブライ
「肉! 肉! 揚げた肉!」
レイ
「ジン、これは?」
ジン
「揚げ物に付けると美味しいと思います」
「揚げ物には味付けしてないので、塩は好みで掛けて食べてください」
ラックとジンは、そのまま肉を食べる。
ブライは塩を掛け、レイは自分が作ったクリームを付ける。
オスカーは、塩とクリームの両方を付けて食べた。
ラック
「ッ! 肉は美味いが、揚げてあるから周りがサクサクだ!」
ブライ
「なんだこれ! 何個でも食える!」
レイ
「このクリーム、凄いな!」
「肉も美味いが、これは卵の味がしっかりしてて、揚げ物に合う」
オスカー
「何なんだ、この食い物は……」
ジン
「美味いですね!」
【鶏もも肉と胸肉の歯ごたえ、豚肉の油の甘み……鶏肉じゃない! 美味い!】
食べ始めると、5人は無言になった。
そして、案の定、一言も話さず完食した。
ラック
「ヤバい……明日、仕事行きたくない……」
オスカー
「休むか……?」
ブライ
「休もう……」
レイ
「おいっ! しっかりしろ!」
レイの一喝で、みんな現実に引き戻された。
レイ
「ジン、ところであれは何なんだ?」
ジン
「マヨネーズです」
レイ
「まよねず?」
ジン
「調味料です。野菜にも使えますよ」
レイ
「ジンは本当に博識なんだな……」
「こんな調味料も知らないよ……」
ジン
「たまたまですよ」
【転生したとは言えないし、元の世界の物とも言えないだろうな……】
レイ
「ジンは本当、何をやっても成功しそうだな」
ジン
「褒めても何も出ませんよ」
「林檎の酒も、今日で終わりです。後は3、4日後ですね」
レイ
「飲めるならいいさ。また飲めるんだから」
また、楽しい1日が暮れていった。
ジン
【後は葡萄酒と林檎酒の蒸留かな……】
【衣食住……衣も変えたいが、外には着ていけないからな……】
【食に重点を置くしかない!】
翌朝。
5人
「おはよう……」
ラック
「仕事に行く準備しよう……」
ブライ
「……はい」
レイ
「シャキッとしろ!」
「まったく……」
ジン
「頑張りましょう!」
「今日は麺を作りましょう!」
レイ
「めん? めんとは?」
ジン
「温かいスープに、小麦粉を練った物を入れて食べます」
ラック
「何だそれ?? 食べた事ない」
ブライ
「パンを付けて食べるみたいなものか?」
ジン
「近いですが、汁の中に入っているので、汁と一緒に食べるんです」
レイ
「……今夜の楽しみだな!」
「俺も見とこない、楽しみにしている」
ジン
「はい! 仕事に行きましょう!」
今後もよろしくお願い致します。




