第33話 安定の二日酔い
いつも読んでいただきありがとうございます。
オスカーは、コップとフォークを持って来ていた。
オスカー
「俺専用の扉だな」
「貴族にでもなった気分だな」
ジン
「余韻に浸りたいのは判りますが、早く入ってください」
オスカー
「すまない」
オスカーは足早に小屋へ入った。
オスカー
「オスカーだ」
「これからよろしく頼む」
ラック
「いつもお世話になってます。よろしくお願いします」
ブライ
「よろしくお願いします」
レイ・ジン
「改めてよろしくお願いします」
オスカー
「おいおい、これからは仲間だろ?」
「そんなに改まるなよ」
「歳とか気にせず、オスカーって呼んでくれよ」
ラック
「いいんですか?」
オスカー
「俺だって、こう見えてまだ30代だぞ」
「気にせず話してこい」
ブライ
「判った、オスカー」
「早くご飯食べよう」
オスカー
「待ってたぞ!」
「さっきから良い香りで腹が鳴ってしょうがない!」
「酒もあるんだろ?」
ラック
「あるよ!」
「今日も飲み明かそう!」
レイ・ジン
「…………ラック!!」
ラック
「…………はい」
「抑えます……」
ブライ
「いいから早く食べようよ!」
「冷めちゃう!」
ジン
「そうだな」
「食べよう!」
5人は料理を食べ始めた。
オスカー
「このじゃがいも!」
「この匂い!」
「表面がカリカリだ!」
「ウマイ!」
「酒だ! 酒をくれ!」
ラックがオスカーに林檎の酒を注ぐ。
オスカー
「ゴクッ!」
「ゴクッ!」
「……なんだ?」
「酒じゃないのか?」
「ジュースか!?」
ラック
「それで俺は、次の日動けなくなったよ……」
オスカー
「本当か?」
「こんな甘いジュースで!?」
ラック
「なら試してみなよ!」
「明日、仕事にならなくなるぞ!」
オスカー
「……そこまで言うなら、控えるか」
「それより……これ……」
「蟹か?」
「蟹は食えないぞ」
「めちゃくちゃ良い香りなんだけど……」
ジンはオスカーが持っている蟹を取り、
「カリッ! カリッ!」
と食べてみせる。
ジン
「要らないなら、俺にください」
「美味いから」
オスカー
「…………」
ゴクッ!
オスカーは唾を飲み込む。
そして皿から蟹を1つ取り、
「カリッ!」
オスカー
「おぉぉぉ!」
「なんだこれ!」
「蟹!!」
「こんなに美味いのか!?」
「なんなんだ、この蟹!」
「こんなの商売になる!」
酒を飲みながら、レイが答える。
レイ
「ゴクッ!」
「もう商売してるよ」
オスカー
「はぁ?」
「どこで? どうやって?」
ジンは、今までの経緯をオスカーに話した。
オスカー
「マジか……」
「ジン!」
「お前、この国でトップの冒険者になれるぞ!」
ブライ
「それも言った!」
「それに、これ!」
ブライはオスカーに一口ステーキを差し出す。
ブライ
「オスカーの分」
オスカー
「オイッ、オイッ、オイッ!」
「肉もあるのか?」
「街で買ってきてもらったのか?」
ブライ
「いいから、食ってみろ!」
オスカー
「俺を甘く見るなよ!」
「安い肉なんか、毎日食えるくらいの給料はもらってるんだよ!」
オスカーは一口ステーキを2、3枚フォークで刺し、そのまま口へ放り込んだ。
オスカー
「…………ッ!」
「なッ……なんだ、この肉!!!」
「う、美味すぎる!」
「この肉はなんだ……?」
「口の中で油が溶ける」
「肉が甘い」
「旨味が凄い!」
ブライ
「ふふーん!」
「これがヴィソーンの肉だ!」
ラック
「ブライが取った肉じゃないだろ?」
ブライ
「だって……自慢したいじゃん……」
レイ
「気持ちは判りますね」
「ゴクッ! ゴクッ!」
ラック
「レイ、飲み過ぎじゃないか?」
「明日はレイが休みになるぞ!」
レイ
「これで終わりにするさ」
オスカー
「お前達は、本当何者だ?」
「魔物肉に酒……」
「もう貴族だぞ」
ジン
「ただの奴隷です」
オスカー
「ヤバい奴等の仲間になっちまったな……」
「午後からのジンの見張りは、完全に任せてもらっていい」
「好きなだけ、行ってもらっていいぞ」
ジン
「ありがとう」
「助かる」
オスカー
「かなりの役得だけどな」
「午後の見張りで、こんなに豪華な料理と酒を食べられるなら、いくらでもやるさ」
ラック
「そうなんだよな……」
「全部、ラックに任せきりだ……」
ジン
「ラック……」
「それは話したでしょ?」
「もう俺達5人は家族ですよ」
レイ
「それでも、心配なのは判ってくれ……」
ジン
「ありがとうございます」
「でも、これは俺の仕事です」
「任せてください」
オスカー
「よく言った!」
「子供のクセに、やるな!」
「後ろは俺達が守ってやる!」
「やってこい!」
ジン
「そのつもり!」
5人は話し合いながら酒を飲み、料理もすべて食べ尽くした。
しばらくすると――
ラック
「くー……すー……」
ブライ
「ぐー……ぐっぐー……」
ジン
「やっぱり2人はすぐ寝ますね」
レイ
「だな……」
「まぁ、もう1人増えたけどな……」
オスカー
「ぐがー……すー……」
ジン
「まぁ、判ってましたけどね」
レイ
「頼もしい仲間……家族が出来たから、良いけどな」
ジン
「そうですね」
「明日は魚、蟹を取って、トビーに林檎を頼んで来ます」
「とりあえず食材は手に入ります」
「その後、魔物を狩りに行きます」
レイ
「オスカーが仲間なら、俺達も付いていけるぞ!」
ジン
「気持ちだけ持って行きます!」
「みんなの気持ちと共に、魔物を狩ってきますよ!」
レイ
「……頼んだ!」
「ジン!」
ジン
「はい!」
こうして、今後の予定が2人だけで決まった。
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翌日
ジン
「オスカー!」
「起きて!」
「戻らないとヤバいよ!」
オスカー
「ッ!」
「朝かッ?」
「うっ!」
「頭が……」
ラック
「だから言ったんだよ」
「甘いからって、ナメるなって」
オスカー
「本当だな……」
「戻る……」
「現場でな……」
オスカーが裏口から出ていく。
ジンはペトラで扉を固定した。
ラック
「現場に行くか!」
3人
「おぅ!」
5人になった小屋から、いつもの一日が始まった。
今後もよろしくお願い致します。




