↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら奴隷になりました[魔力を得て楽しく暮らます]  作者: アル治


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/51

第32話  看守

いつも読んでいただきありがとうございます。

オスカー

「これは……葡萄の皮か?」

ジン

「ッ!」

【マズイ……まさか葡萄の皮が小屋に落ちていたのか……】

レイ

「それはどこで?」

「俺達には関係ないですよ」

オスカー

「ほぉ……お前達の葡萄ではないと?」

レイ

「そうです」

「俺達は葡萄なんて手に入れられませんよ」

オスカー

「それが、お前達の小屋の床に落ちていたとしても?」

レイ

「失礼ですが、証拠は?」

オスカー

「俺が信用出来ないか?」

「残りの2人が休んだから、俺が残ったんだぞ」

ジン

【レイは頑張ったけど……これ以上は……】

レイ

「では、小屋の床のどの辺に落ちていましたか?」

「奥ですか? 手前ですか?」

オスカー

「奥だ!」

「奥に落ちていた」

「いい加減、認めることだな」

ジン

【奥?】

【奥は床板を外してある】

【そこに葡萄の皮なんて落ちるはずがない!】

レイ

「……間違えない」

「それは俺達の葡萄ではない」

オスカー

「何故?」

「奥と言って、間違えないのかな?」

レイ

「失礼」

「小屋に葡萄があるわけがないので、奥でも手前でも、俺達の葡萄ではないです」

オスカー

「そうだな……」

「普通なら、そう言うよね」

「では、この葡萄の皮はお前達のではないと?」

レイ

「はい! 違います」

オスカー

「残念だったな」

「これは葡萄の皮じゃない!」

レイ

「えっ?」

オスカー

「これは、木ノ実の皮だ」

レイ

「ッ!」

「……だとしても、俺達のではない」

オスカー

「そうだな」

「で……?」

「葡萄とは?」

レイ

「…………」

オスカー

「実は俺、鼻が良くてな」

レイ

「…………小屋の中が、葡萄の香りだったと?」

オスカー

「魚」

「何かの匂いの強い野菜」

「葡萄、林檎」

「そして、残りの2人が話した時……口から酒の匂い」

「何か間違えたか?」

オスカーは鋭い目でレイを見る。

レイ

「くっ……!」

ジン

「レイ」

「俺達の負けです」

「オスカーさん、どうするんですか?」

「報告して……俺達は死ぬんですか?」

オスカーは、突然笑った。

オスカー

「死ぬ?」

「奴隷を殺したら、俺も死罪になっちまうよ」

「それより……」

「お前達が俺より美味い物を食ってるのが、気に入らない」

レイは唾を飲み込む。

「ゴクッ!」

ジンは、真っ直ぐオスカーを見る。

オスカー

「だから、俺も混ぜろ!」

「どうやって食材を確保してるかは知らない」

「だが、俺も手伝ってやる」

「俺にも料理と酒を分けてくれないか?」

ジン

「ふぅー……」

「その提案なら受けます」

レイ

「おい! ジン!」

ジン

「レイ」

「ここで断っても、良いことはないです」

「下手をすると、4人バラバラの小屋にされるかもしれませんよ」

レイ

「…………」

オスカー

「話が早いな!」

「まぁ、そこまでするつもりはなかったけどな」

レイ

「判りました」

「でも、秘密にしてくれますよね?」

オスカー

「当たり前だろ!」

「他の奴に言って騒ぎが大きくなったら、誰も得しないだろ?」

レイ

「…………確かに」

ジン

「しかも、オスカーさんが手伝ってくれるなら、俺は調達し放題」

オスカー

「おっと!」

「仕事の量は減らせないぞ!」

「あと、シナゲルも解くことは出来ないからな」

ジン

「判ってますよ」

「問題は……どうやってオスカーさんに料理を渡せばいいかですね」

「小屋に入ってしまうと、周りにバレますよ」

オスカー

「それは……」

「考えてない」

ジン

「えっ!?」

「何もないんですか?」

オスカー

「そんなに考えてないさ」

「もともと、匂いだけでカマをかけただけだからな」

ジン

「オスカーさんは、ここの仕事のスケジュールは?」

オスカー

「お前達とほぼ同じだ」

「帰って来て飯食って、体洗って、後は寝るか話をしてるかだな」

ジン

「抜けられるんですか?」

オスカー

「おう!」

「小屋で寝たくないって、外で寝る奴もいるからな」

ジン

「なら、オスカーさんも今日から外で寝てください」

オスカー

「外では寝たくないな……」

ジン

「えっと……建て前です」

「そう言って、俺達の小屋に来てください」

オスカー

「正面から入るのか?」

ジン

「周りから見えない位置に扉を作りますよ」

「オスカーさんからの合図で、その扉を開けます」

「どうですか?」

オスカー

「いいな!」

「それでいこう!」

「早速、今夜から行くからな!」

「酒、用意しておけよ!」

レイ

「判りました……」

「それで、合図は?」

オスカー

「壁を4回ノックするのは?」

ジン

「まぁ、良いと思います」

「声を出すよりは」

オスカー

「なら決まりだ!」

「準備して待ってろよ!」

オスカーは上機嫌で看守小屋へ戻っていった。

レイ

「ジン……本当に良かったのか?」

ジン

「悪い人ではないですし」

「調達を多く出来るなら、こちらにもメリットがあります」

レイ

「そうだが……」

「酒、足りるかな……」

ジン

「トビーさんには、林檎メインでお願いするしかないですね」

「葡萄は時間が掛かりそうですし……」

ジンとレイは、少し重い足取りで小屋へ戻った。

小屋に帰ると、早速裏口を作るため、ジンが壁をアエラスで切る。

切り取った部分をペトラで固定し、扉として使えるようにした。

ジン

「とりあえずこれで、オスカーさんが来たら左右どちらかのペトラを壊せば、扉の出来上がりです」

ラック

「…………ジン?」

「何をしてる?」

「壊してるのか?」

ブライ

「ジン、ご乱心??」

レイ

「はぁ~……」

「実は……」

レイが、先ほど起きた出来事を、2人に分かりやすく説明した。

ラック

「…………バレたか」

「まぁ、いつかはバレるような気はしてたからな」

「一番良いバレ方だったかな」

ブライ

「…………俺の肉の取り分が減るのか……」

レイ

「ブライ……」

「今は怒る気にもなれない」

その間にも、ジンは料理を作っていた。

ジン

「良い方に考えましょう」

「毎日午後は、食材を取りに行けます」

「肉も、魔物に出会えれば手に入るんですから」

ラック

「すまん」

「ジンの負担が凄いな……」

ジン

「そう思うなら、料理手伝ってください」

ラック

「あぁ、すまない」

「代わるよ」

ジンとラックは一緒に料理を作る。

蟹のガリバタ。

じゃがいものニンニク炒め――ジャーマンポテト風。

そして、ヴィソーンの一口ステーキ。

5人分の料理が出来上がった。

ブライ

「じゃあ、食べよう!」

ジン

「ブライ……」

ブライ

「……判ってるよ」

「看守さん待ちね」

レイとラックは、林檎の酒を樽からすくい、器に用意しておく。

そして――

「コンッ!」

「コンッ!」

「コンッ!」

「コンッ!」

ジン

「合図だ」

ジンは、ペトラで固定していた部分を壊す。

壁の一部が外れ、扉が開く。

そこに立っていたのは――

満面の笑みを浮かべたオスカーだった。

今後もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。