第26話 バター作り
いつも読んでいただきありがとうございます。
数日後。
ジンは仕事を終えると、いつものようにトビーに会いに行った。
ジン
「トビーさーん!」
トビー
「ジン! 待ってたぞ!」
ジン
「蟹、どうでしたか?」
トビー
「ジン様々だよ!」
「初日は全く売れなかったんだけど、その日に売れ残りを少し分けたら、次の日から爆売れなんだよ!」
ジン
「良かった! 売れたんですね。食べてもらえれば判るんですが、食べてもらえないかと思いました」
トビー
「食べてもらえたら、もう~爆売れ! 連日売り切れだよ!」
ジン
「良かったです」
トビー
「葡萄だが、まだ買ってない。いつ来るか解らなかったからな」
「次はいつ来るんだ? その日に合わせて果実を買ってくるよ」
ジン
「明後日、この時間くらいにまた来ます」
トビー
「解った。明後日、用意しておく」
「果物だけでは足りないくらい金があるが、どうする?」
ジン
「トビーさんの分は取りましたか?」
トビー
「3分の1貰ってるよ」
ジン
「半分ずつにしましょう」
トビー
「ダメだよ! 俺、売ってるだけなんだから!」
ジン
「では、半分ずつにして、野菜をもらえたりしますか?」
トビー
「それは構わないが、半分で本当にいいのか?」
ジン
「はい。自分では売りに行けませんから」
トビー
「そうか。なら野菜は好きなだけ持っていってくれ」
「あっ! ニンニクは残しといてもらいたい」
ジン
「はい、判ってます」
ジンが野菜を収穫していると、トビーが何かを持ってやって来た。
トビー
「これも持っていきな」
トビーが持ってきたのは、ミルクと卵だった。
ジン
「いいんですか!?」
トビー
「あぁ、持っていけ!」
ジン
「ありがとうございます!」
トビー
「こちらこそだよ」
ジンはトビーから色々な物を受け取ると、川から現場へ戻った。
ジン
「ソースの補充も出来るし、しばらくは食事に困らないな」
ブライ
「その顔は、上手くいったんだな?」
ジン
「ブライ、うん。カナリいい感じだよ」
「前に貰ったミルクと合わせれば、まあまあの量のバターも作れそうだし」
ブライ
「ばた~??」
ジン
「お酢があればマヨネーズも作れるんだけどな……」
ブライ
「おす……?」
ジン
「ブライ、ごめんね。判らないよね」
ブライ
「そ、そんな事ない! ばたにおすだ!」
ジン
【お酢はレイに聞いてみよう。醤油とかも作りたいけど、大豆から作るしか判らないからな……】
ジン
「ブライ、とりあえずバターと酒を作ろう!」
ブライ
「おぉ!」
その日の仕事を終え、小屋に戻ると、ジンは今日の成果を3人に話した。
ジン
「こんな感じです」
ラック
「明後日には葡萄が手に入るか……楽しみだな!」
レイ
「ですね! 上手くいったら、飲み放題だ!」
ブライ
「魚に蟹に肉、最高ですね!」
ジン
「今日はバターを作って、キノコのバター炒めと魚のバター焼きにします」
ラック
「よく判らないが、ジンに任せれば美味い物が出来る!」
ブライ
「幸せだ~」
レイ
「ジンにばかり頼らず、手伝うぞ!」
ラック
「当たり前だ!」
ジン
「ところでレイ、お酢判りますか?」
レイ
「おす……判らないな」
ジン
「酸っぱい調味料なんですが……」
レイ
「酸っぱい物は果物くらいしか判らないな」
ジン
「そうですか。判りました」
ジン
【お酢はないかもな……レモンで作れるかな? 酸っぱいのは変わらないし……今度試してみるか】
ジン
「まずはバターを作っちゃいます」
ジンはスープが入っていた器を洗い、そこにミルクを入れた。
そして、もう1つの器を上から被せ、器のつなぎ目を【ペトラ】で繋ぎ、1つの容器にする。
次に、その器を【パゴス】で包み込んだ。
ジン
「出来ました。後は振るだけです」
ラック
「ジン、振りたいんだけど冷たくて……」
ジン
「そうですね……数分振るのはキツイですね」
ジン
「【ペトラ】」
ジンは石の魔法で、器の下の部分にぴったり合う薄い石を作った。
ジン
「これを被れば振れますか?」
ラック
「いいね! これなら振れる」
ジンとラックは、石で作った持ち手を握り、器を振り始めた。
振る。
振る。
振る。
しばらく振っていると、器の中から聞こえる音が変わってきた。
ラック
「音が変わったな」
ジン
【数分振ったから、いけるかな……】
ジン
「【ギノースコー】」
ジン
「いいみたいです。開けましょう」
2人で器を開ける。
すると、器の中には液体と、白い固体が出来ていた。
ラック
「ミルクが透明に……しかも、なんか塊がある」
ジン
「それがバターです」
ジンは液体を捨て、残った固体に塩を振った。
そして、氷で作った器の上に置く。
ジン
「バターは完成です。後は固めて、料理に使いますね」
今後もよろしくお願いします。




