第22話 ニンニク料理と決戦
いつも読んでいただきありがとうございます。
レイ
「食材の準備しておくから、お風呂頼めるか?」
ジン
「分かった、ありがとう」
ジンはお風呂の準備を始め、3人は食材の準備をする。
レイは蟹。
ブライはじゃがいもの皮むき。
そしてラックは、ニンニクの皮をむいていた。
ラック
「…………ジン、これ腐ってないか?」
「匂ってきたぞ」
ジン
「白なら腐ってないですよ」
ラック
「……これ、食えるのか?」
ジン
「楽しみにしててくださいね」
「お風呂、出来ましたよ」
4人は楽しくお風呂に入り、石鹸の泡で遊びながら、ゆっくりとお風呂を堪能した。
――――――――――
ジン
「では、料理していきますね」
油を温める。
じゃがいもは風魔法で少し大きめに切り、ニンニクは根と先端を切り落とす。
レイ
「切ると匂いが凄いな……」
ジンは笑いながら料理を進めていく。
フライパンに潰したニンニクを入れて炒める。
すると、ニンニクの香りが小屋いっぱいに広がっていく。
ブライ
「ジン、臭いよ!」
ジン
「少し待って」
少し炒めると、さっきまで強かったニンニクの匂いが変わっていく。
香ばしく、食欲をそそる匂いへ。
すると――
「ぐぅぅ……」
「ぐぅーッ!」
ラック
「……ヤバい!」
「臭かったはずなのに、凄い腹が減る!」
ジンは炒めたニンニクにじゃがいもを入れ、少し焦げ目がつくまで焼いていく。
その間に油が温まったので、蟹を揚げていく。
蟹が揚がると――
ジン
「ギノースコー」
魔法で蟹が食べられる状態かを調べる。
ブライ
「ジン、蟹に毎回魔法掛けるな」
ジン
「ちゃんと揚がってないと、体調を崩しますからね」
「ちゃんと調べておかないと」
ブライ
「毒なのか?」
ジン
「…………毒みたいなものですね」
ブライは黙り込んでしまう。
ジンは蟹を油から取り出し、ニンニクとじゃがいもの炒め物に塩を掛ける。
これで1品完成。
そして――
そのフライパンに、さらに潰したニンニクを入れる。
そこへ揚げた蟹を加え、炒めていく。
ニンニクの香りが変わるまで炒め――
完成した。
ジンはトビーのために少しだけ取り分け、アイテムボックスへ入れた。
ジン
「さぁ、どうぞ」
「ゴクッ……!」
3人はニンニクの香りに引かれ、思わず唾を飲み込む。
ラック
「蟹は美味かった」
「後は、この白いのだな」
「あんなに臭かったのに、炒めたら香ばしくて……凄い腹が減る」
レイ
「芋の方も、匂いと焦げ具合がもう……」
2人が料理について話している間に――
「カリッ!」
ブライ
「…………ウマッ!」
ブライが先に食べていた。
ラック
「ブライ! ズルいぞ!」
レイ
「見た目の感想ってあるだろ!」
ブライ
「ふぁんへいない!」
口いっぱいに蟹とじゃがいもを入れたまま、ブライが答える。
ジン
「落ち着いて、ゆっくり食べましょう」
最初は騒がしかった4人だが――
やがて無言になり、いつもの食事が始まった。
――――――――――
食事の途中、レイが尋ねる。
レイ
「ジンは、この……にんにく?」
「なんで知ってたの?」
ジン
「あー……家で食べてたんですよ……」
レイ
「ジンの家は凄いな」
ラック
「なぁ、ジン……酒、作れなかったか?」
「これは、酒がないとキツイ」
レイ
「確かに、これなら樽であっても足りないな」
ジン
「酒ですか……」
「果物があったら、もしかしたら……」
ラック
「木ノ実で出来ないか?」
ジン
「木ノ実……」
「葡萄が欲しいですね……」
ブライ
「葡萄酒だな!」
「葡萄は手に入らないだろうな」
ジン
「明日、上流に行く前に村で聞いてみます」
その言葉を聞いた瞬間、ラックの顔が変わる。
ラック
「明日、やっぱりやるのか?」
「これだけの食材、肉が無くてもいけるだろ?」
ジン
「そうですが……」
「魚、蟹、野菜……やっぱり肉が必要です」
ラック
「……そうだったな……すまない」
ジン
「大丈夫です!」
「復讐じゃないですが、負けたままも嫌いなので」
ラック
「……勝てよ!」
ジン
「はい!」
食事を終えると、ジンは全員にヒールを掛けた。
そして四人は、翌日に備えてゆっくりと休んだ。
――――――――――
翌日。
ジン
「では、3人は仕事頑張ってください」
レイ
「俺達はいつもと変わらない」
「ジン! 絶対無理するなよ!」
ブライ
「必ず帰って来いよ!」
ラック
「ジン……」
ジン
「はい! 帰ってきます! 必ず!」
「ラック、大丈夫です!」
ラックは静かに頷いた。
3人は檻に入り、職場へ向かう。
ジンは朝の看守の確認を待った。
しばらくして、看守が小屋へやって来る。
看守
「無理したのか、ぶり返し……」
そして小屋の中へ入った瞬間、顔をしかめる。
看守
「おい! この小屋、臭いな……」
「ちゃんと体洗え……」
しかし、すぐに表情が変わる。
看守
「……いや」
「なんだ、この香り……」
「なんか腹が減るな」
ジン
「す、すみません」
「昨日、ご飯をこぼしてしまって、掃除したんですが……匂いがまだ残ってて……」
看守
「……そうか?」
「スープの匂いなのか?」
「もっと食欲をそそるような……」
ジン
「……き、気をつけますね」
看守
「……分かった」
「今日も寝てろよ。シナゲル掛けてあるから、出歩くなよ!」
ジン
「分かりました。ありがとうございます」
看守とのやり取りが終わると、ジンはすぐに下流へ移動した。
目的は――トビーに会うこと。
――――――――――
ジン
「トビーさん!」
トビー
「おー、ジン!」
ジン
「昨日言ってた、料理です」
トビー
「温かいな。出来たてか?」
ジン
「はい」
アイテムボックスの中では時間が経過しない。
入れた状態のまま、料理は出来上がった時の温かさを保っている。
ジン
「食べてみてください」
トビー
「白いのは、匂いが落ち着いたけど……」
「これ……蟹だろ?」
「食えるのか??」
ジン
「騙されたと思って、1つどうぞ」
トビー
「騙されたくないんだけどな……」
トビーはしぶしぶ、蟹を口へ運ぶ。
――カリッ!
トビー
「ッッ!」
「なんだこれ!! 美味い!!」
「蟹って、こんなに美味いのか!?」
「しかも、あの捨ててたのが、こんなにいいアクセントになるとは!」
ジン
「喜んでもらえて良かった」
トビー
「これ……作り方、教えてくれないか?」
「街で作って売れば、白いのも蟹も売れる!」
「何が欲しい?」
「売れたら買ってくる!」
ジン
「葡萄とか、果物が欲しいのですが……」
トビー
「分かった。作り方を頼む」
ジンは料理の作り方を教え、川へ戻る。
そして――上流へ向かった。
――――――――――
ジン
「…………やりますか!」
ジンは滝の近くの水の中へ入っていく。
そして――
ジン
「ヴラホス!」
岩の魔法を唱える。
川の中から岩がせり上がっていく。
ジンは、その岩の上へ立つ。
そして、静かに周囲を見渡した。
ジン
「魔力に惹かれて来い!」
ジンは岩の上で、ヴィソーンを待つ。
今後もよろしくお願い致します。




