第21話 新しい食材
いつも読んでいただきありがとうございます。
いつもの朝を迎える。
朝食は奴隷食にキノコを加えた、いつもと変わらないシンプルなものだった。
しかし――
なぜかブライが、料理に口をつけていない。
ジン
「ブライ、どうして食べないの?」
ブライ
「ジン……あの赤いソース、貰えないか?」
「あれ美味しくて……パンを付けて食べたい……」
ジン
「早く言ってくださいよ。すぐ出しますね」
ジンはケチャップを取り出し、ブライに差し出す。
ブライ
「ジン、ありがとう」
「そんなにソースないから……悪いかなって」
ジン
「無くなったら、また作ればいいんですよ。言ってください」
ブライ
「ありがとう!」
その様子をラックが見ている。
ジン
「ラックはソースが欲しいんですか?」
ラックの顔がほころぶ。
一方、レイは木ノ実を食べていた。
ジン
「レイは要らなかったの?」
レイ
「俺は朝は木ノ実かな。結構好きなんだよね」
ジンも思わず顔をほころばせる。
こうして4人は朝食を終え、檻に入り、職場へ向かった。
ジン
「今日もお願いします」
ラック、レイ、ブライ
「任せろ!」
――――――――――
午後に入り、ジンは仕事を終える。
ブライ
「ジン、行ってこい!」
ジン
「はい!」
ジンは人目を離れ、木の下の日陰で横になった。
ブライも仕事をしながら、時々ジンの方を見る。
少しでも早く仕事を終わらせ、ジンの近くへ行くために。
その頃、ジンは移動魔法で上流へ移動していた。
ジン
「……魔物の気配は無い……」
周囲を確認しながら、ジンは足早に木ノ実を回収していく。
黒い木ノ実。
山椒。
魚。
キノコ。
上流は人がほとんど来ないため、どれも大きめのものばかりだった。
ジン
「こんなもんだな」
「明日は、ここで魔物を討つ!」
決意を口にすると、ジンは移動魔法で下流へ移動した。
そして村へ向かい、初老の男を探す。
すると――
男
「おー! 来たか! 待ってたよ」
ジン
「お世話になってます」
男
「いいよ、いいよ。ミルクと卵と野菜、用意してあるよ」
ジン
「ありがとうございます」
ジンは魚と黒い木ノ実を差し出す。
男
「こんなにいいのか?」
「木ノ実は本当に貴重なんだぞ?」
ジン
「大丈夫です。また取りに行きますよ」
男
「魔物がいるんだ!」
「そんなに気軽に近付くものじゃない!」
ジン
「はい、気を付けます。ありがとうございます」
男
「分かればいい」
ジン
「すみません、名前を伺いしても?」
「俺はジンです」
男
「俺はトビーだ。ジン、よろしくな」
ジン
「トビーさん、こちらこそよろしくお願いします」
ジンはミルク、卵、野菜を手に帰ろうとした。
その時――
畑の中に、白い物が埋まっているのが目に入った。
ジン
「あれは……」
「すみません! あれをいただいても?」
トビー
「うん? あー、アレか」
「あれは臭くて食べられないぞ」
「捨てても捨てても、いつの間にか土の中にあるんだよ」
「欲しければ持っていってくれ」
ジン
「ありがとうございます!」
「次来るときは、あれを使った変わった料理を持って来ますよ」
トビー
「それは楽しみにしてるよ」
ジン
「ありがとうございます」
ジンは白い物を大量に持ち帰る。
ジン
「蟹の素揚げを、あれで炒めればかなり美味い!」
ジンはウキウキしながら荷物をアイテムボックスに入れる。
そして川まで戻り、魚を補充してから、移動魔法で現場へ戻った。
――――――――――
ブライ
「戻ったな」
ジン
「はい」
「今日は良いものが手に入りましたよ」
ブライ
「ミルクだろ?」
ジン
「それもですが、違うものも」
ブライ
「最近ジンは、もうシェフだな」
ジン
「そうですね。今度お店出しますよ」
2人で笑った。
そして仕事を終え、小屋へ戻る。
ジンは夜ご飯の食材を取り出した。
蟹。
じゃがいも。
そして――
畑で手に入れた、白い物。
ラック
「この白いの、なんだ?」
ジン
「やっぱり、食べないんですね」
「レイも知りませんか?」
レイ
「俺も分からない」
ジン
「そうですか」
ジンは白い物を手に取り、3人を見る。
ジン
「これは、ニンニクです」
「料理のアクセントに、とてもいいんです」
今度もよろしくお願いします。




