第19話 交易と新しい食材
いつも読んでいただきありがとうございます。
ラック
「いつ行くつもりだ?」
ジン
「悩んでます。休んだばかりで、また休むのも怪しいですよね」
レイ
「2、3日間を空けるか、悪化したと言って休むか……」
ブライ
「空けた方がいいかもな。他の奴隷の目もある」
「辛そうに仕事をして、それから休めば、無理してたって思われるかも」
3人がブライを見る。
ブライ
「……ッ!」
「ど、どうだ! 俺にしてはいいアイデアだろ!?」
3人は顔を見合わせ――
「……プッ!」
「アハハッ!」
ラック
「ブライ、途中で気付いたな?」
レイ
「合ってる! いいアイデアだよ」
ジン
「ブライ、その作戦でいきましょう」
ブライ
「お、おう!」
「た、たまに良いこと言うんだよ!」
4人で笑った。
――――――――――
その後、レイが鍋を見ながら尋ねる。
レイ
「ジン、あの鍋はどうするんだ?」
ジン
「結構煮詰まってきましたね。色的に、もう少しかな」
ラック
「かなり茶色でドロドロだな」
ブライ
「でも、良い香りだ」
ジン
「これが出来れば、色々なものに掛けてもいい調味料が出来ますよ」
「魚には合わないかもしれませんが」
レイ
「出来上がりが楽しみだな」
4人は話をしながら、ソースを仕上げていく。
やがてジンが鍋の中身を確認する。
ジン
「良いと思います」
「寝ている間に冷ましてから、アイテムボックスに入れておきますね」
ラック
「頼む。食べるのが楽しみだな」
ジン
「明日、ちょっと下流に行きます。野菜の補充と、聞きたいことがあるので」
レイ
「魔物のことか?」
ジン
「違います。食材のことです」
レイ
「そうか。居ない間は俺達に任せろ」
ジン
「はい! お願いします」
――――――――――
翌日。
4人はいつも通り仕事をした。
そして陽が落ちかけた頃、ジンは野菜を求めて下流へと移動した。
村へ着くと、以前会った初老の男を探す。
ジン
「あの人が居ない……まずいな……」
辺りを見回していると――
男
「昨日の子じゃないか。どうした? また野菜か?」
ジン
「はい。交換してもらえますか?」
男
「構わないよ」
ジン
「それと、ミルクとか卵ってありますか?」
男
「うちは野菜だけなんだ……」
ジン
「そうですか。分かりました」
「魚と野菜の交換、お願いします」
男
「慌てるな。少し待ってろ」
そう言うと、男は近くの家の方へ消えていった。
ジンはその間にアイテムボックスから魚を取り出す。
5匹ほどの魚を枝に通して準備した。
しばらくすると、男が戻ってくる。
男
「待たせたな。ほら」
男の手には、枝で編んだザル。
その上には、野菜と――卵が乗っていた。
ジン
「えっ? いいんですか?」
男
「話したら、くれたよ」
ジン
「ありがとうございます!」
ジンはアイテムボックスに手を入れる。
そして、黒い木ノ実を4個取り出した。
ジン
「では、魚と木ノ実と交換してください」
男
「その木ノ実は……上流の魔物がいる所にしかない木ノ実だ」
「こんな貴重なもの、いいのか?」
ジン
「はい。どうぞ」
男
「次も木ノ実があるなら、ミルクの方も話をつけとくよ」
ジン
「ありがとうございます。またお願いいたします」
ジンは男に頭を下げた。
こうして、魚と野菜、そして木ノ実の交換を終えた。
ジンはそのまま歩いて川へ向かい、魚を補充してから現場へと戻った。
――――――――――
ブライ
「戻ったか……良かった。危なかったよ」
ジン
「どうしたんですか?」
ブライ
「看守がジンの体を気にしててな」
「何とか隠してたけど、次に来たら布を剥がされそうな勢いだったよ」
ジン
「そうでしたか。ありがたいですね」
ブライ
「そうだな。でも、危なかったよ」
ジン
「すみません」
「でも、野菜に卵、手に入りましたよ」
ブライ
「た、卵!?」
「凄いな、ジンは!」
ジン
「交換しただけですよ」
ブライ
「ジン様々だな。早く帰りたいよ」
そして仕事を終え――
4人は小屋へ帰っていった。
今後もよろしくお願い致します。




