第18話 石鹸と風呂と魔物
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レイ
「ジン、これは普通に石鹸なのか?」
ジン
「そうですよ。ちゃんと石鹸です。お湯にしますね」
ジンは岩で作った湯船に水を入れ、炎魔法でお湯へと変えていく。
すると――
ブライ
「い〜ち番!」
ブライが勢いよく湯船へ飛び込んだ。
レイ
「ブライ! ズルいぞ!」
レイも負けじと湯船へ飛び込む。
ラック
「お前ら〜! 俺もだ!」
ラックも飛び込み、湯船の中から3人がジンを見る。
ジン
「俺は行きませんよ!」
しかし、3人は何も言わず、じっとジンを見つめ続ける。
ジン
「…………」
3人の視線に耐えられなくなったジンは――
ジン
「行きま〜〜〜す!」
ジンも湯船へ飛び込んだ。
4人が湯船に入ると、少し窮屈ではある。
だが、4人はそんなことを気にしていない。
まるで、本当に仲の良い兄弟のようだった。
ラック
「ジン、石鹸使っていいか?」
ジン
「使ってください」
ラックがお湯を掛け、石鹸を手で擦る。
すると――
ラック
「あっ! 泡立ったよ!」
レイ
「石鹸だ!」
ブライ
「ほ、本物だ!」
ジン
「信用してなかったんですか?」
3人は黙った。
ラック
「だって……石鹸だよ? 結構、高級品だよ?」
レイ
「しかも、灰と油からだったから……」
ブライ
「泡だ……」
ジン
「まぁ、そうですよね。まぁ使ってください」
しばらくして、ラックが石鹸の香りに気付く。
ラック
「……ジン、娼館で使った石鹸より良い香りがするんだけど?」
ジン
「気付いてもらえました? 赤い木ノ実が香料になってるんです」
レイ
「こうりょう?」
ジン
「匂いです」
レイ
「なるほど。少し甘いような香りは木ノ実なのか」
そんな中、ブライが突然――
ブライ
「みてみて! おじいちゃん!」
ブライは頭と顔いっぱいに泡を付けていた。
3人はしばらく無言になる。
「…………」
そして――
「ハハハッ!」
「アハハッ!」
ラック
「ブライ! 似合ってるよ!」
4人の笑い声が湯船に響く。
楽しいお風呂は、いつもより長くなった。
――――――――――
4人がお風呂を上がると、
ブライ
「なんかすっごい腹減った!」
長風呂をして、さらに散々はしゃいだのだ。
お腹が空くのも当然だった。
ジン
「今日も魚になります。そうだ、野菜あるんですが、どうしますか? 調味料を作るか、焼いて食べるか?」
ラック
「ジンには悪いけど、焼いて食べたい」
レイ
「俺も……」
ブライ
「俺は野菜はいらない……」
ジン
「分かりました。半分焼いて、半分は煮込んで調味料を作りましょう」
ジンは魚とキノコ、そして野菜を準備する。
魚を焼くのはレイに任せ、ジンは残りの野菜の下ごしらえをする。
そして、石の鍋に野菜を入れ、煮込み始めた。
レイ
「焼けたぞ、食べようよ!」
ジン
「はーい」
ジンは鍋の火を弱火にし、煮込みながら料理を続ける。
ラック
「今日もジンに感謝して、食べよう」
4人は魚、野菜、キノコにかぶりつく。
いつもの空腹。
いつもの美味しい料理。
4人は無言のまま、料理を食べ尽くしていく。
やがて――
レイ
「相変わらず、美味いな! 野菜も久しぶりで美味かった!」
ラック
「本当だな!」
ブライ
「野菜最高!」
ジン
「ブライは野菜いらないって言ってませんでしたか?」
ブライ
「俺、そんな事言いました?」
ラック、レイ
「言ったよ!」
「ハハハハ!」
4人の笑い声が、また小屋の中に響いた。
――――――――――
食事を終えた頃。
ジン
「後は、魔物をいつ狩るかですね」
ラック
「諦めてないのか?」
ジン
「試してみたい!」
ラック
「…………分かった、俺も行く!」
レイ
「俺も!」
ブライ
「原因は俺だ! 俺が行く!」
ジン
「ダメです!」
ラック
「なんで!?」
ジン
「守れる保証ないです……」
ラック
「俺は守って貰わなくても!」
ジン
「冒険者のパーティーで挑むんですよね? 鎧も武器もないのに戦えますか?」
レイ
「ジン! そんな言い方!」
ラック
「レイ、ジンの言う通りだ」
ラックは少し考え、ジンを見る。
ラック
「俺達は足手まといになってしまうんだな、ジン?」
ジン
「……すみません」
ラック
「謝るな。すまなかった、俺達のワガママだな」
そしてラックは、真剣な表情でジンを見る。
ラック
「ジン! 魔物、任せていいか?」
ジン
「はい! 必ず勝って帰ります!」
ジンの目は、真っ直ぐラックを見ていた。
今後もよろしくお願い致します。




