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転生したら奴隷になりました[魔力を得て楽しく暮らます]  作者: アル治


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第11話  シナゲルの正体と、謎の準備

いつも読んでいただきありがとうございます。

翌朝。


4人はいつものように、現場へ向かう檻の中にいた。


ジンは昨日の夜に考えていたことを、3人に話す。


ジン

「今日は、シナゲルを調べます」


「それと……倒木の方で出る木の破片や小枝を集めて、持ってきてもらいたいんですが、可能でしょうか?」


ラック

「何とかするよ」


レイ

「俺達なら大丈夫だ」


ラック

「最悪、杖みたいにして持ってくれば、看守も何も言わないだろ」


ブライ

「俺は?」


ジン

「ブライさんには、赤い木ノ実を集めてもらいたいです」


レイ

「赤? 黒じゃなくて?」


「食べられないんだろ?」


ジン

「はい。でも、昨日寝る前に調べて……使い道があるんです」


ブライ

「判った! 出来るだけ集めるよ!」


ラック

「頼んだぞ」


ジン

「ありがとうございます」


ジンは小さく笑った。


【色々と上手くいきそうだ】


現場に到着すると、いつものように仕事が振り分けられる。


看守

「ラック、レイは倒木」


「ブライとジンは石運びだ」


ブライ

「えっ!? ジンにも石運びですか?」


看守

「……すまんな」


「まだ、うるさい奴隷がいるんだ。今日は我慢してくれないか?」


看守は、ジンとブライにだけ聞こえる声で言った。


ブライはジンを見る。


ジン

「判りました」


「仕事ですから、やります」


前世でブラック企業を経験しているジンにとって、これくらいで文句を言う気にはならなかった。


ブライ

「大丈夫か?」


「石、こっちに渡してくれてもいいからな」


ジン

「やめましょう」


「それを見られたら、また言われます。弱みは見せない方がいいです」


ブライ

「……そうだな」


ブライは真顔で頷いた。


【ジンって、中身が大人過ぎるんだよな……】


【実はオッサンなんじゃないか?】


そんなことを考えている間にも、仕事は始まる。


4人は黙々と働いた。


もちろん、ラックとレイは倒木の近くで小枝を集め、ブライは赤い木ノ実を探す。


ジンも石を運びながら、周囲を注意深く観察していた。


そして昼休み。


ジンは肩で息をしていた。


ラック

「ジン、大丈夫か?」


レイ

「かなり疲れてるぞ」


ブライ

「無理するなよ」


ジン

「……だ、大丈夫です」


「俺に構わず、仕事を……」


ラック

「判った」


レイ

「でも、本当に無理するなよ」


3人はジンを気にしながらも、それ以上は口を出さなかった。


ジンはみんなから見えない場所で、こっそりヒールを使う。


疲労が抜けていく。


【これなら大丈夫】


午後も石を運び続け、なんとか終了時間前にノルマを終える。


ジンは疲労困憊を装い、現場の端で横になった。


看守から「周囲と同じように働け」と言われている以上、看守もジンに余計な手出しはしない。


これなら調べられる。


ジンは周囲を確認しながら、シナゲルについて調べ始めた。


石を投げる。


枝を動かしてみる。


だが、何も起こらない。


【物には反応しない……】


次に、シナゲルの境界へ手を伸ばす。


その瞬間――


看守

「何してる!」


ジン

「……はい?」


看守

「お前か!」


「そこはシナゲルの範囲に入る。もっとこっちに来い!」


ジン

「……はい、すみません」


【生き物に反応するのか……】


【シナゲルの外に体は残したままだ】


【この範囲に、生き物が入ると知らせる魔法なのかもしれない】


看守

「疲れてるのは判るが、気を付けろ」


「次は容認しないからな」


ジン

「はい」


看守が持ち場へ戻っていく。


ジンは少し考えた後、シナゲルへ手を向けた。


ジン

「ギノースコー」


淡い光が手の周囲に浮かぶ。


ジンはシナゲルの情報に集中した。


そして――


【なるほど……】


【これなら……】


ジンは小さく笑った。


その後は何事もなかったように檻へ入り、小屋へ戻る。


小屋に入った瞬間、3人がジンを見る。


ラック

「どうだった?」


ジン

「上手くいきそうです」


「少し試して上手くいけば、明日は魚が食べられるかもしれません」


3人

「ジン様~~!」


ジン

「……様はやめてください」


3人

「はい!」


ジン

「じゃあ、お風呂に入りましょう」


「その後、少し試してみます」


3人

「おー!」


4人は笑いながら風呂へ向かう。


――そして、食事を終えた後。


ジンは3人の前に立った。


ジン

「試してみます」


「メトイキシス……パオ」


言葉を言い終えた瞬間――


ジンの姿が消えた。


ラック

「…………」


レイ

「…………」


ブライ

「…………」


3人

「ジン!?」


その瞬間、小屋の扉が開いた。


ジン

「ただいま」


3人

「…………」


ジン

「成功しました」


ラック

「……いやいやいや!」


「何をしたんだ!?」


レイ

「いきなり消えたぞ!?」


ブライ

「俺、今の見間違いじゃないよな!?」


ジン

「移動魔法です」


ラック

「移動魔法!?」


レイ

「そんな簡単に使えるものなのか!?」


ジン

「俺もまだ詳しくは判りません」


「行きたい場所には行けましたが、距離がどこまで大丈夫なのかは、まだ判らないです」


ブライ

「……また凄いことやってる」


ラック

「ジン……本当に何者なんだ?」


ジン

「ただの奴隷ですよ」


3人

「それはもう無理があるだろ!」


小屋に笑い声が響く。


その後、ジンは3人に協力を頼み、もう1つの準備を始める。


岩の湯船の中に枝を組み、火を焚く。


ブライ

「……焚き火がしたかったのか?」


ジン

「違います」


「残った灰が欲しいんです」


ラック

「灰?」


ジン

「はい」


その一方で、ラックとレイは赤い木ノ実を潰していた。


ラック

「よし、かなり取れたぞ!」


レイ

「こっちもいい感じだ」


石で作った器には、赤い木ノ実の液体が溜まっていく。


ジン

「完璧です」


「これで明日には……」


ジンは嬉しそうに笑う。


ラック

「何を作ってるんだ?」


ジン

「それは明日のお楽しみです」


ブライ

「えぇ!? 教えてくれよ!」


レイ

「まぁ、ジンがそう言うなら明日まで待とう」


ラック

「気になるなぁ……」


ブライ

「俺も気になる!」


ジン

「じゃあ、今日はもう寝ましょう」


3人

「はーい」


こうして、また奴隷の一日が終わった。


しかし――


4人の生活は、少しずつ変わり始めていた。

今後もよろしくお願い致します。

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