脱出
どこからともなく、いい匂いがしてきた。
気が付くと、紳士ぽい執事が姿をあらわし、
「皆様、お食事のお時間です。会場にご案内いたします。」
怪しいと思ったが、食欲には勝てず、恐る恐るといった感じで、執事の後につづいた。
案内された会場には、山盛りのごちそうがあった。
「どうぞ、ご自由にお楽しみください。」
イスに座り、熱々のカレ-をほおばり、ジュウ-シィな肉にかじりついたり、冷たいお酒を飲んだりして、堪能させてもらった。
30分くらいたったころ急に睡魔に襲われた。
我慢して睡魔と格闘していると、他の連中が苦しみだした。
ニョッキと角が生えて、全身が黒くなり、暴れだした。
変身していない俺に気づくなりガ-と威嚇してきた。
「実は、悪魔を吸うと悪魔に体をのっとられま-す。のっとられないように・・・って
もうおそいか。じゃあまたねー」
ギョロ、でかい目玉で、至近距離から見られる。
口を開けた、5センチぐらい太いキバが、迫る。
ダメだ。やられる。覚悟を決めたその時だった。
突然、後ろに、ひっぱられた。
危なかった。鼻をかすっただけで済んだ。
狼の毛皮を着た少年が、引っ張てくれていたのだ。
ほかにも少年の仲間が、数人いるようだ。
しかし、この人数だけで悪魔化した連中に勝てるのかと、絶望したが…それは杞憂に終わった。
執事が、
「・・・あいつは、狼城だ。」




