↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瀬戸内マリンドラゴン  作者: 井田雷左
序部 マリンドラゴン現る
PR
46/60

第2話 決戦!瀬戸内海国立公園 Act2 海水6



     6



同日同刻、足立・真壁が操るそうりゅう型二隻は本部から、氷室によって海底に座礁されたもう一機の海自潜水艦の乗組員一同無事に救助完了を聴いた。

「それでもこれだけの事故、既に100億円を超える負債だろうよ」

「氷室さんには戻ってきてもらいたかったが、その負債に顔出しはしていないが、マニュフェストを公にしちまっている。もう復帰は、ムリだな」

足立と真壁はこんな会話を交わしていた。

山口県萩市から海上100キロの距離にいる二隻のそうりゅう型と対馬右上にいいる、黄と朴が艦長をつとめる韓国海軍の潜水艦二隻は挟まれたカタチで氷室のはやしお型が下関海峡を目指しているという絵である。

だが今まで牛歩のごとくノロノロ運転をしていた氷室のはやしお型が急速に対馬を目指した!

そうりゅう型二隻も戦力前進し、島山安昌浩級潜水艦二隻は南進する。

「ウソ!あの女子大学生の煽りに乗らないとか!?」と真壁。

「乗るならば、下関海峡を通過するでしょう!」と足立。

「東シナ海を目指している!?」と黄。

「いや、違う!これは我が国、済州島へのコースだ!」と朴。

朴と黄はすわ!韓国へと亡命か!?とも思ったが、韓国と日本は米国の傘下であることは変わらないので意味がない。

―じゃあ、いったい!?

「違う!そうか!そういうことか!」と黄。

「ああ!そうか!自分のクーデタが握りつぶされそうだから、我が国も巻き込むつもりか!今、氷室は、世界中の海底ケーブルの場所をこの地球でいちばん熟知している」と朴。

そう、だからこそファイブハンドレッドエムアイが動いているのだ。

済州島ではなく、黄海に入り、韓国にも多くを供給する海底ケーブルを切断する、さすれば、氷室が他国を犯したことになるので、国際問題となり、この件は発覚する、と黄と朴は考えた。

更に氷室のはやしお型は既に40ノットの最大スピードで航行中だ。

―瀬戸内海にラーメン喰いに行くとかブラフだ!

だから黄と朴は氷室の潜水艦のケツに張り付く。

対馬から数時間経過していたハズだが、氷室を追う四隻の潜水艦艦長は10数分にしか感じない。

すんごい緊張の連続だからだが、同時に、足立も、朴も、真壁も、朴も思っていた。

―祖国の存亡と自分の出世がかかっている!だが、この瞬間瞬間の心理戦と駆け引きと判断決断の連続、これだよ!これが潜水艦乗りの花道!

熱狂、それはひとの、特に男の人生には必要な薬味だ。だがそれは麻痺や誘導に陥りやすくなる別名でもあるのだ。

「しまった!こっちが領海侵犯していた!ハメられた!」と朴。

「って、94型!?94型は原潜だ!」と黄。

その94型の後方にはやはりディーゼルか原潜か判明しないが3隻控えている。

「既にロックオンされている!?」と朴。

「ダメだ!友軍の2人に通信しておけ!」と黄。

そして真壁の元に『中国海軍ニ囲マレル 貴官ラノ成功ヲ祈ル』とリタイア宣言。

真壁も足立もその報せを受け、自分らが済州島にあり得ないほど近づいていたことに気づいた。

「いや、そんなことより、ピンガーを打てい!氷室を捕まえるんだ!」と真壁。

「オレたちがここにいるってことは飛車角に閉じ込められたってこと!ハッ!?そうか!氷室さんはやはり東シナ海を目指していた!」と足立。

なんとうことでしょう!氷室は東シナ海経由で屋久島と奄美諸島の間を通り、宇和海から瀬戸内海に入場するつもりだったのです。

「その可能性は考えていた。だが、それは取らないと最初に決めつけてしまった」と真壁。

「なぜなら、ディーゼルエンジンは艦内でエンジンを燃やせないからバッテリーとして使用する。だからバッテリーだから活動限界がある。ラジコンでもスマホでも連続使用はバッテリーを弱らす!氷室さん!それだけの遠泳、あと二日が活動限度になるゾ!」と足立。

足立と真壁のそうりゅう型二隻ができることはもう決まっていた。

下関海峡を二隻で通り抜けて、諏訪灘で氷室のはやしお型を迎え撃つ。

―オレたちは氷室三佐への攻撃許可を得て出港している!

そう、残り一隻になったら、氷室の艦にミサイルを、躊躇なく、発射しろ!と命令されている。

だが、何度が叙述したが、つい最近まで仲間であった氷室とそのチームを殺すようなことをしたくないのは真壁も足立も本音であった。

だが!今回の作戦で味方の潜水艦が座礁に陥れられ、友軍である韓国海軍の潜水艦二隻が中国海軍の潜水艦四隻の檻に放り込まれた。

自分らは一発も撃たず、誰も殺さず、実に見事な手際だ。

―さすがは海自最強のサブマリン・ライダー!

だが真壁も足立もプロフェッショナル!

―ここでヤられるワケにはいかん!なんとしてでも氷室さんの瀬戸内海侵入を阻止する!

作戦はこうだ。

下関海峡という最短ルートを通り、広い諏訪灘で追い回す。

真壁艦は爆薬ナシのミサイルを発射しながら氷室艦を追い詰め、逆に足立艦は爆薬アリでわざと海底に当てたりして、恐怖を煽る。だが途中で、真壁艦が爆薬アリのミサイル、足立艦が爆薬ナシのそれに切り替え、翻弄する。さすれば、バッテリーの消耗は激しく、活動そのものを停止するまで鼻面を引き回す、という作戦。

それを壱峻島あたりで浮上して話し合い、狭苦しい下関海峡を通行する算段まで立て、軽く・勝利を祝って乾杯をし。発進した。

―下関海峡、浅瀬だから、面倒なんだよねー。

―民間船、いなきゃ、いいけど。

2人はそう考えて、航行中、関門橋の真下を抜け、ようやく広くなりつつある田ノ浦を通りつつある時に、太刀浦海底に隠れていた氷室艦はやしお型に横切られ、二隻が接触。

「エッ!氷室さん!?なんでここに!?」と真壁。

「まさか、オレたちが対馬からこの下関海峡に移動する間に、氷室さんは九州を一周していたってことか!?」と足立。

しかも、二隻同時にヤられたのだ。

一隻残ればやむを得ないがミサイルを撃てる錦の御旗となったが、それを予期した氷室は潜水艦同士を接触させ、同時に戦闘不能にさせる手段という手に出たのだ。

潜水艦は深海というひとが住めるワケが無い世界を航行する船、少しでも傷つけば、精密な機械には命取り、勝敗は決するのだ。

横切られて、二隻が接触した時点で、真壁と足立は負けを悟った。

「なんと!そうりゅう型が三隻も敗れたとは・・・」これは結果を聴いた菅田一佐の独り言。

最悪、菅田一佐は米国海軍に氷室のはやしお撃沈を頼まなければいけなくなった。

「海保の栗久くんに繋いでくれ」と菅田一佐。

部下がそのようにする。

『きみに言われて、一縷の望みにその伴賀という男を紹介してもらった。保険のつもりだったんだ。担保は潜水艦には潜水艦、氷室を沈めると。今米国の関与は国難が増す。政界も財界も地に堕ち、自警団会社やペドリストといった輩が跋扈するこの国、米国支配の道が待っている。どうしたもんかな、天皇陛下万歳とでも叫ぶかね』

『もうひとつ道があります!』

『吉祥!』

いつの間にかスマートフォンは吉祥に渡されたようだ。

『ふん、詰め腹を切らせた儂に皮肉かな』

『いえいえ、あなたはあのふしぎなマリンドラゴンの本性を知らないのです。そして伴賀という男のデタラメさもね。せっかく掛けた保険だ。一度だけ氷室とオレの戦いをやらしてください』

『成功の暁には軍復帰を望むかな』

『いえ、ある男の首にございます』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。