↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『赤毛猫海賊団 カタリナの野望』 ~カタリナ様はワガママ貫き通すってよ~  作者: ひろの
第2章 カタリナ、ついでに内乱鎮めとく  ~ イケメン海賊団編 ~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/74

第69話 無事脱出完了したぞっ!

モカが叫んだ。


「ミネ!E327ってどこ!?

 もうすぐ!?」


ミネは走りながら端末を確認した。


「もうすぐですっ!!

 あの角を曲がれば――」


カタリナが叫ぶ。


「よし!行くよ!!

 もう誰にも見られたくない!!」


リルが元気に言う。


「でもいっぱい見られてるよー!」


「言わないで!!」


三人は角を曲がり、停泊地の一角――E327へ飛び込んだ。


そこには、ロウが手を振りながら立っていた。


「おーい!こっちだ!……って、え!?

 なんで下着!?」


三人は同時に叫んだ。


「「「説明はあと!! 早く乗せて!!」」」


ロウは慌ててハッチを開けた。


「わ、分かった!!

 早く乗れ!!

 追っ手が来るぞ!!」


三人と一機は、羞恥と疲労と臭気を抱えたまま、E327の宇宙艇へ飛び込んだ。


停泊地の作業員たちは、最後まで呆然と見送るしかなかった。


・ ・ ・


ロウが操縦席に座り、その後ろではカタリナ、モカ、ミネの三人が膝に手を当て、肩で息をしていた。

リルはとりあえず近くの机の上にちょこんと置かれる。


ロウは操縦席から振り返り、三人の姿を見て、困惑した顔をした。


「……なんで三人とも下着なの?」


モカは息を切らしながら答えた。


「はぁ……はぁ……

 色々あって」


ロウは眉をひそめた。


「何だろう、こう……

 下着の女が目の前にいるのに全くときめかない。

 色気の欠片もない。……汚ぇし、臭ぇ」


カタリナが即座に噛みついた。


「うるさい!しばくぞ!」


ロウは肩をすくめた。


「まぁ、とりあえずシャワー浴びてこいよ。

 その間に出航して、ちゃんと逃げ切っておくからさ」


三人は同時に叫んだ。


「「「そうだ!シャワー浴びたい!!」」」


その瞬間――ロウが見ているにも関わらず、目の前で三人は一斉に下着を脱ぎ捨てて、素っ裸になった。

そのままシャワールームへ向けて押し合いながら走り出した。


カタリナが叫ぶ。


「私が一番っ!!」


モカが押し返す。


「これ、おねーちゃんのせいなんだから!

 おねーちゃんが一番最後!!」


ミネも負けじと叫ぶ。


「そうですっ!!

 G被害に遭った私が一番に入らせてもらってもいいくらいですっ!!」


裸のまま、汚れと臭気をまとった三人がシャワールームへ突撃していく。

ロウはその場で完全に固まった。


しばらくして、ようやく口を開く。


「……お、お前ら。

 少しは羞恥心を持てよ」


そして心の中でつぶやく。


(……いいもん見れた……な)


机の上のリルが首をかしげた。


「ロウ。

 もしかしていいもの見れたとか思ってるー?」


ロウは慌てて振り返った。


「思ってねーよ!!

 AIが人の感情を生々しく分析すんじゃねー!!」


リルは楽しそうに笑った。


「ロウ、顔赤いよー」


「赤くねぇ!!」


宇宙艇の中に、ロウの叫び声が響き渡った。


「……リル。

 それ……臭いから片付けといてくれる?」


親指で三人が脱ぎ散らした下着を指さした。


「はーい!」


リルロボットは汚いものでも持つように、指先でつまんで運び出した。


・ ・ ・


軍港内。

泡と警報の余韻が残る通路を、ルキウスは苛立った足取りで歩いていた。


「ちっ……逃げられたのかよ。

 役に立たねぇ奴らだな」


兵士たちは泡まみれの床を片付けながら、ルキウスの怒気に触れないよう必死に視線を逸らしていた。

ルキウスは最初にカタリナと遭遇した戦艦フロアへ向かった。


「奴ら……一体何をしてやがったんだ?」


そこには、真っ二つになった監査官ロボットの残骸が転がっていた。

それを見つめながら、ルキウスは眉をひそめた。


「まさか……戦艦に何かしやがったか?」


その時、情報士官が駆け寄ってきた。


「ルキウスさん、ご報告することが」


「ん?なんだ?早く言え」


情報士官は息を整えながら言った。


「実は赤毛の偽中将ですが、戦艦の中央制御室で何か作業をしていた形跡があります」


ルキウスの目が鋭く光る。


「中央制御室だと?

 おい、行くぞ!」


「はい!」


・ ・ ・


二人は急ぎ中央制御室へ入った。


情報士官は端末を操作しながら、顔を青ざめさせて報告した。


「ルキウスさん……大変です。

 かなり巧妙に隠されていますが、中央コンピュータにバックドアウィルスが仕込まれています」


ルキウスは舌打ちした。


「ちっ、無効化できるか?」


情報士官は震える指で端末を操作しながら答えた。


「はい……かなり時間はかかると思いますが、

 これならば解除できます」


「早くやれ!

 それと他の戦艦にも同じウィルスが仕込まれていないか確認しろ」


「はい!!」


情報士官は慌てて端末へ向かい、複数の戦艦のシステムチェックを開始した。

ルキウスは腕を組み、静かに吐き捨てるように呟いた。


(危ねえところだったな。

 俺が気付かなかったら、この戦艦を赤毛どもに盗られてたんじゃねーか?

 全く……世話の焼ける公爵様だ)


ルキウスは深く息を吐き、次の指示を出すために通信端末へ手を伸ばした。


・ ・ ・


ロウの宇宙艇。


「はぁ……すっきりしたぁ。何回も何回も洗ったわー!

 やっと臭いが取れた。ロウ、順調?」


カタリナの声に応じて、操縦中のロウが振り返った。


「あぁ、順調……だ、ぶふぉ!

 なんて格好してんだよっ!」


カタリナはパンイチ姿で、タオルを使って髪を乾かしていた。

そして眉間に皺を寄せる。


「だったら見るなよっ!」


「だから羞恥心を持てよぉ……とりあえず戻るぞ」


そう言いながらチラ見し続けるロウだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。