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303 交流会終了

 エドワード王子が侯爵家の令嬢に声をかけているうちに、ブリジットの番がやって来た。


 父親が騎士団長という立場のため、幼い頃から何度か顔を合わせた事はあるが、学年が違うため、こうして話をするのは初めてだった。


「ブリジット嬢。お会いするのは久しぶりですね。冒険者をしておられると聞きましたが、今も続けていらっしゃるのでしょうか?」


 エドワード王子が話しかけると、ブリジットはニコリと微笑んだ。


「はい。続けておりますが、父との約束であまり遠くまで出向かないように言われております。今は隣町を拠点にしております」


 ブリジットの答えにエドワード王子は騎士団長の顔を思い浮かべた。


 いかつい顔をしている騎士団長だが、見かけによらず娘に対しては過保護なようだ。


 改めてブリジットの事を見つめたが、彼女と結婚するという未来は想像出来なかった。


 エドワード王子にはどことなく自分とは感性が合わないように感じられた。


(それにブリジット嬢は私を見ながら誰か別の人物の事を考えているような気がするな。誰か他に好きな人がいるのかもしれない…)


 そんな考えに至ったエドワード王子は、適当なところでブリジットとの会話を切り上げて、他の令嬢の元に向かった。

 



 やがて交流会の終了の時間となり、参加者が次々と会場を退出していった。


 エドワード王子達は出迎えの時と同じように退出を見送った。


 アーサーが退出しようとした時、エドワード王子はアーサーを呼び止めた。


「アーサー。この後、時間があるかな? 少し話したい事があるんだけど…」


 エドワード王子がそう切り出すと、アーサーは少し躊躇ったような顔を見せた。


 だが、エドワード王子の誘いを断るような事は出来ないと判断したようだ。


 少しうつむいた状態で頷いた。


「…かしこまりました」


 アーサーはそれだけを告げると、エドワード王子達の後ろに留まり、退出していく人々を見送った。


 エドワード王子は時折アーサーの様子を見ていたが、とても交流会を楽しんでいるようには見えなかった。


 誰かから話しかけられればそれに答えていたが、基本的にはポツンと一人で立っていた。


 エドワード王子から招待されたため、仕方なく参加しているようだった。


(学院時代のアーサーはもっと陽気な人物だった。こういう場も楽しんで参加するような奴だったはずだ。それなのに、今のアーサーは真逆な印象を受ける。一体、エドアルドとアーサーに何があったんだ? それに、エドアルドはどうして連絡がつかないんだ?)


 あのエドアルドが、家族と連絡が取れない所に行くなんて考えられなかった。


(婚約話よりもまずはエドアルド達の事が先決だな)


 エドワード王子はすべての参加者が退出すると、改めてアーサーに向き直った。



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