301 招待客
その後も続々と招待客が会場へと姿を現した。
その度にエドワード王子はブライアンとクリフトンを従えて、招待客と挨拶を交わす。
そんな中、ブリジットが姿を見せた。
騎士団長の娘であり、冒険者として鍛えているせいか、他の令嬢に比べて身体つきががっしりとしている。
「ようこそいらっしゃいました。同年代の者だけが集まっていますので気兼ねなく楽しんでください」
エドワード王子が声をかけるとブリジットは一瞬、目を見開いたがすぐに何事もなかったように微笑んだ。
「エドワード王子。お招きいただきありがとうございます」
平静を装ってはいるものの、ブリジットはどことなくエドワード王子の顔を凝視しているように見えた。
(やけに私の事を見てくるような気がするが、気の所為だろうか?)
エドワード王子はブリジットの視線が気になったものの、深く追求する事はしなかった。
ブリジットはエドワード王子との挨拶を終えると、そのまま会場の奥へと進んで行った。
何の気なしに見ていると、ブリジットの元にミカエラが近寄り言葉を交わしている。
エドワード王子はそれを見届けるとすぐに次の招待客と挨拶を交わした。
そのうちにようやくアーサーの番が巡ってきた。
「アーサー、久しぶりだね。変わりはないかな?」
そう声をかけたものの、明らかにアーサーの様子は今までと違っていた。
「エドワード王子、お久しぶりです。本日はお招きいただきありがとうございます」
丁寧な挨拶を返してくるものの、どことなく元気がなさそうなのは一目瞭然だった。
エドワード王子はすぐにでもエドアルドの事を聞きたかったが、流石にこの場で大っぴらに話すわけにはいかない。
交流会が終わった後で改めてアーサーとの話し合いの場を設けようと思い、エドワード王子は一旦アーサーから離れた。
その後も招待客が会場入りしたが、やはりエドアルドは現れなかった。
エドワード王子はがっかりしたが、顔には一切出さなかった。
招待客が全員集まったところで、改めてエドワード王子が壇上に立って開会と乾杯の挨拶をする。
「本日はお忙しい中、交流会に参加していただき感謝する。顔見知りもいるだろうが、中には初めて顔を合わせる人もいるだろう。どうか皆にとって良い出会いがある事を願う。皆それぞれ自由に交流を深めて欲しい。それでは、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
あちこちでグラスのぶつかる音が聞こえる。
和やかな雰囲気の中、交流会が始まった。




