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297 交流会

 二週間後。


 ブリジットは新しく仕立てたドレスを着て、王宮へと向かう馬車に揺られていた。


 母親の監修のもとに手入れされたブリジットの肌は、他の令嬢達に負けないくらいにしっとりスベスベに磨かれている。


 お肌だけでなく、パーティーでの立ち居振る舞いもみっちりと鍛えられた。


 王宮に到着し、パーティーが開かれている広間へと案内される。


「テューダー侯爵家よりブリジット様のご到着です」


 案内係がそう告げると、すかさずエドワード王子がブライアンとクリフトンを引き連れて出迎えてくれた。


「ようこそいらっしゃいました。同年代の者だけが集まっていますので、気兼ねなく楽しんでください」


「エドワード王子。お招きいただきありがとうございます」


 ブリジットは出迎えてくれた三人に挨拶をしたが、視線はどうしてもエドワード王子に向けられた。


(やはり、エドアルドさんに瓜二つだわ。エドアルドさんは黒縁眼鏡で顔を隠していらっしゃるけれど、それでもお二人がよく似ている事は丸わかりだものね)


 エドワード王子を見るとどうしてもエドアルドの事を思い出してしまう。


 国王陛下はエドアルドを『王宮には迎えない』と宣言したけれど、それは誰の意志なのだろうか?


 先日の森での様子を見る限り、エドアルドは冒険者としての生活を楽しんでいるように見えたから、やはり本人の意志なのだろうか?


(どちらにしても、私が考える事ではないわね)


 エドワード王子達に挨拶を済ませると、ブリジットは広間の奥へと入っていった。


 広間の両サイドには椅子がズラリと並べてあり、所々に小さなテーブルが置かれていた。


 各自で自由に飲み物や料理を取って、気の合う人と座って話が出来るようだ。


 とりあえず何か飲み物を、と歩き出したブリジットに一人の女性が声をかけてきた。


「ブリジット様、お久しぶりね。学院の卒業式以来かしら?」


 そこにいたのはブライアンの姉のミカエラ・アルドリッジ公爵令嬢だった。


(…相変わらず派手な美人だわ)


 内心面倒だとは思いつつ、ブリジットはそれを悟られないように微笑み返した。


「ミカエラ様、お久しぶりです。お元気そうで何よりですわ」


 学院時代はそれほど仲が良いとは言えなかったが、わざわざ声をかけてくるのはどうしてだろうかとブリジットは訝しむ。


 やはり巷の噂どおり、エドワード王子の婚約者の座を狙っているのだろうか?


 いとこ同士での結婚に難色を示す貴族もいるだろうが、現宰相の娘であれば、そんな声を黙らせる事もわけはないだろう。


 未だにミカエラの婚約が決まっていない事がそれを如実に表している。


 ブリジットは顔の笑みを崩さないようにミカエラとの会話を続けた。




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