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284 ゴブリン

 ウィルは茂みから飛び出すと同時にドラゴンへと姿を変えた。


 ゴブリン達は茂みから飛び出した僕達に気づいてギョッとしたような顔をした。


 更にウィルがドラゴンに姿を変えたのを見ると四方八方へと逃げ回った。


 ウィルはそんなゴブリン達に向かって鋭い爪で引き裂いていく。


 そんなウィルの爪から逃れたゴブリンは僕が剣を振って仕留めた。


 ウィルの活躍もあって、あっという間にゴブリン達を仕留める事が出来た。


 僕は仕留めたゴブリンから右の耳だけを切り落とす。


 依頼書によると、ゴブリン討伐の証拠として提出するようになっているためだ。


 右耳だけの提出という事はゴブリンは素材としての価値はないという事だろうか?


 それにしても、ゴブリンってどことなく気持ち悪いな。


 肌の色は緑色だし、血の色も赤ではなく黒っぽい色をしている。


 ウィルはドラゴンから人間に姿を変えると僕のところにやって来た。


「ねぇ、エドアルド。本当にゴブリンって食べられるのか?」


「うーん、どうなんだろう? ちょっと焼いてみるか?」


 ウィルに焚き火のための薪を集めてもらっている間に、僕はゴブリンの解体を始めた。


 魔物だけど、人間と背格好が似ているからどことなく罪悪感を覚えながら解体をする。


 やっぱり食べやすいのは太ももの辺りかな?


 肉を切って串に刺したところでウィルが薪を集めて戻ってきた。


 薪を組んで火魔法で火を点けてから、串に刺した肉を焼き始める。


 普通に肉の焼ける匂いがしてくるが、果たして本当に食べられるのだろうか?


 しっかりと火が通ったのを確認して、ウィルに渡した。


 もう一本を僕が持って、二人同時に肉にかぶりついた。


 数回咀嚼したところで、僕とウィルは同時に肉を口から吐き出した。


「「不味ーい!」」


 見事にハモったが、口の中に何とも言えない味が残っていてそれどころではない。


「エドアルド、水!」


 僕はすぐにコップに水を入れるとウィルに手渡した。


 僕も自分のコップで水を口に含むとうがいをして口の中をゆすぐ。


「うわーん! 何回ゆすいでも口の中が臭いー!」


 ウィルの言う事に僕も同意だ。


 まさか、こんなにもゴブリンの肉が不味いとは思わなかった。


 今までゴブリンに出くわした事がなかったから、オーウェンやヴィンセントも言わなかったのだろう。


 ギャーギャー喚いているウィルは放っておいて、僕はゴブリンの死骸を一纏めにすると、火魔法で燃やした。


 あのまま放置するよりは灰にしてしまった方が処分しやすいと思ったからだ。


 やれやれ。


 喚いているウィルをなだめるためにも、他のお肉を調達しに行くとしよう。




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