278 宣言
オーウェンからいきなりそう告げられたが、僕に驚きはなかった。
ジュリアスがもうあまり長く生きられないとわかった時点で、僕と旅を続ける事はないだろうと思っていたからだ。
だが、ウィルにとっては今ひとつ理解できていないようで「なんで? なんで?」と僕の横で、はてなマークをまき散らしている。
「わかりました。今までありがとうございました」
ソファに腰を下ろしたままペコリとオーウェン達に頭を下げる。
頭を上げると、申し訳なさそうな顔をしたオーウェン達の姿があった。
「そんな顔をしないでください。むしろ、今まで一緒に旅に付き合ってくれた事に感謝しているんですから…」
そもそも、命を狙われた僕を助けてくれるために一緒に旅をしてくれていたのだ。
人間にあまり関わらない立場のオーウェンがギリギリのところまで僕に付き合ってくれていたのだ。
それにいつまでという期限もなくついてきてくれていたのだから、今ここで終わりにすると言われても、僕に「否」は言えない。
「エドアルド。私もいつまでもお前に付き合っていたかったが、ジュリアスのそばについていてやりたいんだ。中途半端に放り出すようで申し訳ないが、どうか理解してほしい」
ヴィンセントも僕に頭を下げてくる。
ジュリアスはヴィンセントを好きみたいだから、ヴィンセントが一緒にいてくれるのは嬉しいに違いない。
ヴィンセントも少なからずジュリアスに好意があるのだろう。
そうでなければここに残るとは言わないはずだ。
それにしても、黒の女王はジュリアスの事が憎くないのかな?
いわゆる「恋敵」が産んだ子供だから、あまりいい気分じゃないと思うんだけどな。
もっともジュリアスの母親との関係もわからないから、オーウェンを加えた三人がどういう関係を築いていたのかわからないからな。
よくある小説のような関係とは違うのかもしれない。
何しろ黒の女王もジュリアスの体調を心から心配しているような印象を受けるからな。
それなりに良好な関係を築いているのだろう。
「ヴィンセントも謝る必要はないよ。今までもいろいろと助けてくれたしね。これからはウィルと二人で頑張っていくさ」
オーウェンとヴィンセントを安心させるためにもそう宣言をした。
すると、オーウェンが僕の目の前に小さな魔石を一つ置いた。
これは一体何だろう?




