277 オーウェン達との対面
妖精達の後をついてお城の中に戻ると、最初にジュリアスに会った部屋へと案内された。
部屋に入ると正面のソファにはオーウェンと黒の女王が並んで座っていた。
その両サイドの一人掛けのソファにそれぞれヴィンセントとジュリアスが座っている。
僕達が部屋に入ってきたのを見て、オーウェンが向かい側のソファを指差した。
「ああ、戻りましたか。お客様であるあなた方をほったらかしにしてすみません」
オーウェンに勧められるまま、向かい側に腰を下ろした。
ヴィンセントとジュリアスは何事もない風を装っているが、どことなく笑顔にぎこちなさが透けてみえるのは気の所為ではないだろう。
僕の予想が正しければ、きっと…。
僕はそれに気づかないふりをして、オーウェン達の向かい側に腰を下ろした。
妖精達が僕とウィルにお茶を淹れて姿を消すのを待ってオーウェンはようやく口を開いた。
「エドアルド君。改めてジュリアスの寿命を延ばしてくれてありがとう。心から感謝しています」
オーウェンが頭を下げるのと同時に黒の女王、ジュリアス、ヴィンセントが一斉に僕に頭を下げた。
まさか、皆に礼を言われるなんて思っていなかったので僕は慌てた。
「いえ、そんな…。そもそも僕自身もどうしてあんな魔法が使えたのかわかっていないんです。だから、そんな風にお礼を言われるとちょっと困ってしまいます。どうか頭を上げてください」
僕がワタワタとしていると、頭を上げた黒の女王がクスッと微笑んだ。
ダークエルフの女王だと言うから、もっと怖い存在かと思っていたが、どうやら僕の思い違いだったようだ。
ただ、昨日よりも更に妖艶さが増しているように感じるのは気の所為だろうか?
相変わらず大きな胸元を強調したドレスを身に纏っているので、向かい側に座られると目のやり場に困ってしまう。
そういえば、最初に会った時は背中に大きな蝶の羽があったけれど、今はそんな物は見当たらない。
あれは僕を騙すための変装だったのだろうか?
綺麗な羽だったからもう一度見たいと思ったのは内緒にしておこう。
頭を上げたものの、オーウェンはその後を告げようとせずにしばらく口ごもっていた。
ようやく決意を固めたような顔をすると、オーウェンはこう告げた。
「エドアルド君。私とヴィーはここで君との旅を終わりにします」




