274 魔力による変化
「な、何事ですか!?」
オーウェンが驚いて身体を仰け反らせる。
僕自身もどうして溢れた魔力がジュリアスを包んでいるのか全くわからなかった。
ジュリアスを包んでいた魔力が少しずつ消えていくと同時に、ジュリアスの身体に変化が起こった。
先ほどまでしわくちゃの老人だったジュリアスの顔や身体が徐々に元の青年の姿へと戻っていったのだ。
ジュリアス自身も自分の身体の変化に気づいたようで、自分の手を見つめて驚いていた。
誰もがあっけに取られている中、オーウェンが僕に近寄ってきて僕の肩をぐいと掴んだ。
「エドアルド君! 今の魔力はエドアルド君が出したのですよね!? 一体何をしたのですか!?」
オーウェンに掴まれた肩が痛かったけれど、僕自身も何が起こったのかさっぱり理解出来ていない。
「え!? いや…、僕にも何が何だかさっぱり…。ただ、ジュリアスさんの姿がいきなり年老いた姿になったのが可哀想で、どうにか元の姿になれないかな、と…」
ゴニョゴニョと言葉尻を濁すと、オーウェンは掴んでいた手を離し、再びジュリアスの元に近寄った。
「ジュリアス! どこかおかしな所はないですか? 私の事がわかりますか?」
ジュリアスは手を下ろすとゆっくりとベッドの上に起き上がった。
「ジュリアス! 起きても大丈夫なのか!?」
ヴィンセントが慌ててジュリアスの身体を支えようと手を伸ばしたが、ジュリアスはそれをやんわりと断った。
「大丈夫です。何故か先ほどよりも身体が軽いのです。息苦しかった胸も何ともなくなりました」
そう言ってジュリアスは不思議そうな顔を僕に向けた。
「今の魔力はエドアルド君のものですか? 一体私に何をしたのですか?」
ジュリアスに聞かれるけれど、僕自身も何が何だかさっぱりわからない。
「いや、ほんとに自分でもわかっていないんだよ。一体どうしたんだろう?」
僕が頭をひねっていると、やれやれといった感じでヴィンセントが首を横に振った。
「エドアルドが規格外なのは今に始まった事じゃないからな。考えるだけ無駄な事だろう。それよりもジュリアス。身体に不調はないのか?」
そんなふうに匙を投げないでほしいんだけどね。
だけど、ジュリアスの体調は気になるのでぜひとも聞いておきたい。
「ええ、大丈夫です。身体の中から命がみなぎっているような感じです」
ジュリアスの言う通り、先ほどまでのような土気色からうっすらと頬に紅が差したような顔色に変わっている。
もしかして残りの寿命に変化があったのだろうか?




