242 スクワロルの今後
「エドアルド君。少し強すぎですよ。こんなにけいれんさせるなんて。かわいそうに…」
オーウェンが僕から受け取ったスクワロルにヒールをかけた。
スクワロルからけいれんが取れて普通に気絶しているだけになった。
どうやら僕が放った雷魔法の威力が強すぎたらしい。
下手をしたらスクワロルを感電死させてしまうところだったようだ。
簡単だと思っていたスクワロルの生け捕りも案外と難しいものだった。
あまり弱過ぎてもスクワロルを気絶させられないからなかなかに加減が難しい。
思い悩んでいる僕の後ろでヴィンセントがまた一匹のスクワロルを枝から撃ち落とした。
手持ち無沙汰だったウィルがそれを回収に向かう。
「このスクワロルを生け捕りにしてどうするんだ?」
ウィルはスクワロルの首の後ろをつまみあげると、そのままオーウェンに向かってポイッと投げて寄こす。
オーウェンはそれを両手で受け取ると、亜空間ポケットに収納した。
「ウィル。いくらなんでも雑に扱い過ぎですよ。少し凶暴ではあるけれど、見た目が可愛いのでペットとして飼われてますよ。檻の中に入れておけば安全ですからね」
やはり僕の考えていたとおり、スクワロルはペットとして人気があるようだ。
「エドアルド君、後ろにいますよ」
オーウェンに指摘されて後ろを振り返ると、こちらを見ているスクワロルがいた。
すかさずスクワロルに向かって雷魔法を発動させる。
先ほどよりも少し弱めに雷魔法を撃ってみた。
「ギャッ!」
声を上げてスクワロルが枝から地面へと落ちる。
すぐに近寄って確認すると、ヴィンセントのように気絶させる事が出来たようだ。
「これで五匹目ですね。あまり捕りすぎるとスクワロルの数が減ってしまいますから、これで終わりにしましょうか」
オーウェンに言われるまま、僕達はそこで切り上げる事にした。
「エドアルド君。何だか納得のいかないような顔をしていますね」
オーウェンが僕の心を見透かしたように問いかけてきた。
「こうして僕達に生け捕りにされて、ペットとして人間に飼われるなんて。それがスクワロルにとって幸せなのかなって…」
オーウェンは柔らかく微笑むと僕の肩にそっと手を置いた。
「確かに檻に閉じ込められてしまいますからね。だけど、自然界にいるよりはエサの心配をしなくて済みますからね。それに他の魔獣に食べられる事も無くなりますかね。どちらがスクワロルにとって幸せかなんて、一概には言えませんよ」
オーウェンの言う通り、ペットとして飼われればエサの心配や、他の魔獣に襲われるリスクも無くなる。
今日、僕達が捕まえたスクワロルが優しい飼い主に出会える事を祈るばかりだった。




