11話『向かい合ってるのに交わらない』
ある日の放課後。先生に呼び出されて怒られた後の廊下。
俺だけ呼び出しを食らっていつも一緒に帰る連中とは時間がズレてしまったため、その日は一人で昇降口に向かっていた。
トイレが見える位置の角まで来た時、女子トイレの看板下に卜部が突っ立ってるのが見えた。
「なんだあいつ」
男である卜部がなんで女子トイレの入口横を占拠してるのか気になった俺は、後ろから蹴飛ばしてやろうと思い卜部に近付こうとする。
「っ」
トイレから誰か出てくる。俺は慌てて角に身を隠した。隠す必要は無いけど、なんか咄嗟に。
(理仁……?)
女子トイレから出てきたのは、女になった理仁だった。
(なんであいつが……)
理仁とは体育の一件以来、それなりにまた話せるようになった。でもあいつが女であることを俺に隠していたのがどうしても気になって、結局あいつも他の女連中と同じ"嘘つき"なんだと思って必要以上に深く関わることは出来なかった。
実は、理仁には色々聞きたいことがある。なんで女であることを隠してたのか、なんで急に相談もなく女の姿で現れたのか、お前は本当に前の理仁と同じ人間なのか、とか。
でもそういう質問をするには圧倒的に時間が足りない。
学校の休憩時間だと俺が欲しい答えを全部出し切れるとは思えないし、また理仁を俺の家に招くのが最善なんだろうけど、家に呼んでも二人だけでまた自然に話が出来るとも思えない。
そうこうして関わらないうちに、何故か理仁は卜部なんかとつるみだすようになったらしい。
友達は選べとよく言うが、その理論で言えば卜部とつるむのはハズレ中のハズレだろ。何か言うと挑発するような顔で効いてないアピールしてくるし、手を出すと嘲笑うような顔するし。
卜部なんかと居ても何も楽しくないしムカつくだけなのに、なんで理仁はあんな奴とつるんでるんだ?
理仁が自分の背負ってる物とは違うランドセルを持って、それを卜部に渡す。
女子トイレの中から拾ってきたのか? なんでそんな所に卜部のランドセルがあるんだよ。
(誰かにやられたのか)
卜部をいじめているのは俺の他にも大勢いる。その内の誰かに奪われて、女子トイレの中にでも放り込まれたのかな。
まあそこの件に関してはいつも通りだしどうでもいい。問題は、それをわざわざ理仁が拾ってきたという所にある。
「卜部なんかのために……?」
理仁は俺の幼馴染だ。俺が楽しいと思った事は同じように楽しそうに付き合ってくれてたし、俺と一緒に卜部をいじめてたりもした。
理仁と卜部が一緒に歩き出す。理仁は卜部の横にぴったりくっついて、話す様子はないけどまるで友達のような距離感で卜部と肩を並べて歩いている。
俺が隠れていた角の前を通過する時、理仁の横顔はチラッと見えた。笑ってるわけでもないけど、口角が少しだけ上がっている。
俺は二人が消えるのをじっと見た後、遅めに歩き出す。
学校に復帰した理仁と上手く付き合うことができず距離を置いてしまったのは俺側の問題だ。
俺が女を嫌いだから、女ってだけで理仁に勝手に不信感を抱いてあいつをそれとなく避けていた。二人だけで関わるのを避けていた。
関わらなくなってる間に理仁が誰と仲良くしようがそれはあいつの勝手だし、俺がとやかく言える立場じゃないってのも分かってる。でも、卜部だけは絶対に違うだろ。
卜部は一方的に俺を悪者扱いしてきた意味の分からないやつで、自分のこと正義の味方かなんかだと思ってる気持ち悪い奴だ。みんなからキモがられてる奴をいじったってだけで俺をクズ呼ばわりしてきたいけ好かない奴。
理仁だって気持ち悪いって言ってた、俺と一緒になって卜部をいじめた。なのに、なんでよりにもよって卜部なんだ?
……どっちかが嘘だったってことだよな。俺に対して見せてた顔と、卜部に今見せてる顔。どっちも本当だってならそれこそ頭がどうかしてる、人の事馬鹿にしておいて見下してる相手と友達ごっこしてるって事になるだろ? なんだよそれ、意味分からねえよ。
意味分からねえけど、何が真実なのかも分からないけど。俺が避けてる間理仁の方から俺を遊びに誘うこともなかった。でも卜部とは一緒に帰ってたりするってことは、一旦今は、俺よりも卜部の方を選んでるって事になる。
俺、理仁から見た優先順位で卜部に負けてるのか? 幼馴染なのに? ぽっと出の気持ち悪い転校生なんかに負けるとかまじかよ。
……まじか。クソムカつくんだけど。それに胸がザワザワする、少し息がしづらくなる。
「調子乗りやがって……」
自分でも驚くくらい低い声が出た。卜部に対して妙な対抗意識みたいなのが芽生えた気がした。
*
瑠璃川が茂みを棒でつついている。
俺は隣で地面に座り、ボーッと景色を眺めている。
ふと、瑠璃川が珍しく少し楽しげな声で俺に話題を振ってきた。
「なあよ。鶴舞ってさ、なんであんなにゲーム下手なんだろうな」
「さあ」
「初期のお前と同じだよな。こっちのコンボ抜け出そうとボタンガチャガチャやって結局なんの攻撃も出来ず撃沈するムーブ。ゲーム下手な奴って同じ思考回路してんのかな?」
「俺そんなに下手だっけ。鶴舞先輩よりはマシだと思うけど」
「どこがだよ似たりよったりだろ! いつになったら俺のいる高みに来れるんだろうなーまじで。くひひっ」
今「くひひっ」て笑ったぞ? 機嫌いいなー今日の瑠璃川。なんかいい事でもあったのかな。
また瑠璃川が喋り出す。茂みを棒で突っつきながら。
「鶴舞ってさ、どんな漫画好きなんだろうな。今まで話題に出してきた有名漫画何一つ知らなかったろあいつ。今時漫画を読まない奴とかは流石にいないと思うんだけどなー」
「無難に恋愛漫画とか好きなんじゃない」
「はー? 鶴舞が? それは分かってないわお前」
「どうした急に」
「鶴舞って対戦ゲーム好きだし俺らと話す時も『かっこいい』とか『最強』みたいな単語を好んで使うじゃん。そんな奴が恋愛漫画なんか読むかよ。絶対王道のバトル漫画を好んでると思うね」
「瑠璃川が誘ってるから対戦ゲームやってるだけで、別に先輩からやろうって言ってるわけじゃなくない?」
「でも誘ったらめっちゃ乗り気でやろうやろう言ってくるぞ」
「良い人なんだろうね。それかめっちゃ瑠璃川の事好きか」
「す、好きっ? ……馬鹿じゃねぇの、そんなわけあるかばーか。誰が俺なんかの事好きになるってんだ」
「好きだから誘われたら嬉しいんじゃない?」
「だまれー!」
瑠璃川に砂をかけられた。仕返しに瑠璃川の腕にありんこを乗っけてやる。
最近、瑠璃川の方から俺に話しかけてくることが多くなった。それは嬉しいんだけど、話の内容は大半が鶴舞先輩に関することか鰐淵との思い出話ばかりで、正直なこと言うとあんまり面白い話題ってわけでもない。
俺の事は全然話さないけど、話し相手はわざわざ俺を選んでくるから瑠璃川からどう思われてるのか気になってしまう。
俺は瑠璃川の事友達だと思ってるけど、瑠璃川は俺の事友達だと思ってくれてるのかな?
話しかけたら返事をしてくれるお喋りロボットだと思われてたらどうしよう。強めにパンチしちゃうかもしれない。
まあ、この学校に転校してきてしばらくの間はいじめられて孤立してきたから、こうして話に来てくれるだけで嬉しいしありがたいんだが。
前に比べたら断然明るく話してくれるし、笑ってもくれるようになったからそこら辺は全然いいんだけど。話題が話題すぎてあまりついていけないんだよなぁ。
「所で瑠璃川。ずっと気になってたんだけどさ」
「なにかね」
「さっきから棒で何を突っついてんの? 眉寄せてやけに真剣に突っついてるみたいだけど」
そう聞いた瞬間、瑠璃川が無言で腕を引っ込めて体の向きをこちらに向けた。ニヤッとした笑顔で。
棒の先には、茶色くてねっとりしたものが付着していた。まるでうんちみたい、犬のうんちかな? 新鮮だなぁ……。
「どうした瑠璃川。怖いなあ、棒の先こっち向けないでくれよ。ついちゃうだろ?」
瑠璃川の笑みが、ますます深くなる。
「離陸まで残り……じゅう、きゅう」
背中に電撃が走る。嫌な未来を想像した俺は急いで立ち上がり瑠璃川から背を向ける。
「はちななろくごよさにちっ!!!」
「待て待て待て来んな来んな来んなっ!!!」
「発射ー!!!!!」
野太い声で発射を宣言しながら瑠璃川が棒を持った手をピーンと伸ばして俺を追いかけてくる。やばいやばいやばいやばい!? こいつ何考えんのまじでうんち付き棒で俺を突っつく気だぁー!?!?
「突然なに、なに!? 分かったなにか俺がしたんだな謝るごめんねだからこっち来ないで!!!」
「ぶううぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ!!!」
「F1やめて!?」
まるでF1カーのような音を出しながら全力疾走してくる瑠璃川。怖すぎる。目が本気だ、かなりシャープな目をして俺に狙いを研ぎ澄ましている!
うんち棒を持つ瑠璃川から逃れるため、フェンスを飛び越え小川を飛び越え道路を走り畑を突っ切る。
瑠璃川の奴、普段あまり体育にやる気を見せないくせにこんな時ばっかり脅威のスタミナでピッタリ俺をマークしたまま全然離れてくれない! その体力をもっと別のことに活かしたらいいんじゃないかなぁ!?
「ギブギブ! ギブだって瑠璃川! 心臓、やぶけるっ」
「この前俺の作った神玉泥団子を破壊したのはお前だな!」
ギクゥッ!?
「お前必死に鶴舞に擦ろうとしてたけど俺は見たんだ! お前の靴の裏の溝には確かに俺の泥団子に使われたサラ砂が敷き詰まっていた! あとお前が踏んだガムを触ってしまった! その処刑を開始しなければならない!!!」
「ガムを触ったのはお前のミスだろ!? こっち何も悪くないじゃんかそれ!!!」
「悪い!!! そもそも人の泥団子踏み潰しといて他人にその罪を擦ろうとするのが悪い、極悪! 裁かねばならぬ!!!」
「罰が重たすぎるって!! 泥団子破壊とうんちくっつけがイコールになるわけないじゃん!? 横暴だーこっち来んなー!!」
「俺が丁度いい木の棒と丁度いいうんちを見つけた時点で逃げるべきだったな! そうしなかったのが敗因だ!!!」
「うおおぉぉぉっ!!?」
棒が背中につきそうになり、慌てて体を捻ったら足がもつれた。俺はそのまま瑠璃川の足を巻き込みながらドテーンと転んでしまった。
「いだだだだ折れる折れるっ!? ギャー!! うんち棒のうんち触っちゃった!!」
「俺の背中に叩きつけるな馬鹿ああぁぁぁっ!!!」
絡み合うように地面に転んだ俺と瑠璃川が同時に鳥のような悲鳴を出す。瑠璃川は手を空に向かって伸ばしながら叫び、俺は背中を丸めながら叫ぶ。なんて馬鹿馬鹿しい光景だろう、周りの人がギョッとした顔でこっちを見ている。
やがて始まる大喧嘩。瑠璃川と髪や頬を引っ張り合いながら大声をぶつけ合う。
仲良くなったのはいいんだけど、お互いに少し前より頭が悪くなってしまった気がする。
でもなんだかんだ楽しいからこれでいいと思う。周りを気にせず騒げるのは気持ちがリラックス出来てる証拠だと思う。
まあ、うんちをつけられるのはもう二度と御免だけど。
*
「今時の子どもって、棒にうんこ付けて追いかけっこしたりするんやなぁ。おじさんが子どもの頃でもそんな遊びしーひんかったよ?」
「あははっ! そもそもおじさんはそういう遊びが流行っててもやらなさそう〜」
「どやろ。子どもん頃ならやってたかもなぁ」
「うっそだ〜」
先日あった卜部との出来事を、ベンチに座る父親に話す。
1週間前、俺は数年ぶりに父親と再会した。その時は久しぶりに会えたことで動揺してたのと、気付いてもらえないのは当たり前なのに『誰?』と言われたのがショックで父親から逃げて会ったこと自体忘れようとしていた。
次の日。父親が公園のベンチに座って昔と同じように酒を飲み気持ちよさそうに頭を揺らしていたのを見かけた。
話しかけるつもりなんてなかったのに、懐かしさと(何してるんだあの人……)っていう呆れの気持ちで無視することが出来なくなり、つい俺は父親に声をかけてしまった。
父親は数年前に母親と離婚している。原因は知らない。
母親が言うには、父親と母親が離婚した原因は"俺"にあるらしい。
離婚の原因である俺が父親に話しかけるのは迷惑でしかない。そんなのは分かってる。
原因がもし他にあったとしても、離婚して家から離れた後に息子である俺と二人っきりで話すなんて父親からしたら負担でしかないし、そこら辺の自覚はあるから本当はこうして話に行くつもりなんてなかった。
しかし、今の俺は男から女になってしまった存在。以前の俺とは顔も体も声もファッションも全てが違う。その事に気付いた時、俺の足は勝手に父親の方へと動き出していた。
初対面時に気付かれなかった事から分かる通り、正体を明かさない限り俺が理仁である事は父親にバレない。他人として会いに行けば、父親に一切の迷惑をかけることなく話すことができる!
理仁と名乗らず、近所の女の子として話す。そういうていで俺は定期的に父親が公園に出現するタイミングを見計らってこうして会いに来ている。
「逆におじさんが子どもの頃はどんな遊びが流行ってたの? ベーゴマ?」
「昭和か。それは俺のばあちゃん世代の遊びやな。あ、でも似たようなもんは流行っとったで。ベイブレードってやつ」
「え? 今も売ってるよねそれ」
「別のシリーズちゃう? 今のベイブレード手ぇ切れへんやろ?」
「手ぇ切れるの!? おもちゃなのに!?」
「ちょくちょくあったで、怪我するおもちゃ。人殺せるやつとかザラにあったし」
「絶対うそ!」
「ほんまなんよなぁ〜これが。まぁおじさんは人殺せるおもちゃで遊んでた世代ちゃうけど」
「こわぁ〜。……っ」
話に相槌を打っていると自然と笑いが口から零れてしまう。
父親は相変わらず優しくて、俺の考えることを否定せず聞いてくれて、俺の分からないことを答えてくれる。母親がそういうのを何もしてくれなかった分、父親が代わりに埋めてくれる。
それに今の父親はなんだか昔よりも声が冷たくなくて、自然に笑いかけてくれる回数も多いような気がする。家に居た頃は俺も感情を出さないようにしていたせいか、父親からの接し方は優しいけどなんとなく素っ気なかった覚えがあるし。
「あははっ」
「? えらい嬉しそうやん、どないしたん」
「なんでも〜」
胸がポカポカする。
つい隣に座る父親に体を傾けてしまっても嫌がられたりすることなく「こんなとこで寝たら風邪引くえ」と言うだけで体を預けさせてくれる。
ここまで大人に受け入れてもらった事はなかったから会う度に俺は父親に甘えてしまう。
一応、よその子という設定で話しかけてはいるからこれはこれで父親の迷惑になるかもだけど、当の本人は気にしてないみたいだし、いいよね。何か言われるまではずっとこのままでいてもバチは当たらないだろう。
「ねえ、おじさん」
「ん?」
「おじさんはさ、あとどれくらいこっちに居るの?」
「……? なんやその質問、他所から来てるって言うたっけ?」
「あっ」
しまった。リラックスしすぎてつい、他所から来てるって分かってなきゃおかしい質問しちゃった。誤魔化さなきゃ。
「え、えっと、ほら! なんか言葉がここら辺の人と違うし!」
「あぁ、確かに。こっち来て長なるし、方言抜けてきてる思てたんやけどなぁ。チューニングミスっとる?」
「本気で言ってるの? だったらミスりまくってると思うよ?」
「自分じゃ分からへんなぁ。そんな言うてるけど君も大概やで?」
「え?」
「言葉遣いは普通やけど、訛りがこっちに寄っとる。前まで西の方に住んでたん?」
「い、いや。えーと……」
西の方ってのがよく分からないけど多分違う、父親の推理は外れてる。俺ずっとここに住んでるし。
ていうか俺って言葉変なの!? 父親と似たような言葉喋ってるの!? 知らなかったんだけど!!
「おじさんの喋り方が変だから移っただけだよ!」
「あ〜。移る言うしねぇ」
「やろ!?」
「でしょ、やねそこは。言い方までこっちに寄ったら流石に影響されすぎやわ。スポンジやん」
スポンジ? ……ちょっと意味が分からなかったけど、突っ込んでもらえて嬉しかったから笑みがこぼれる。
「あ、さっきの話だけど! おじさんいつまでこっちいるの? 多分お仕事とかでこっちに来たんだよね?」
「そやねぇ。お仕事とはちゃうけど似たようなもんやね。しばらくはこっちにいてると思うよ」
「ほんとっ!?」
「ほんと」
俺があんまりにも嬉しそうに反応したからか父親が笑いを含んだ表情を浮かべた。
「ぼちぼち遅いし帰らなあかんのと違う? もう5時や、親御さん心配すんで」
話に夢中になっていたら確かに気付かない間に周囲が暗くなっていた。でも5時ならまだもう少し、もう数分くらい歩かなくたって母親が怒るような時間にはならない。
構わず俺が話を続けようとしたら父親が俺の頭に手を置き「もう帰り。親を心配させたらあかんよ」と優しい声音で言ってきた。
名残惜しいけど、これ以上俺の話に付き合わせたらきっと父親側も鬱陶しく感じる頃合なんだろう。少しだけ俯いた後、気持ちを切り替えてベンチから立ち上がり父親の方を向く。
「また明日ここに来る?」
「明日はおらんかな」
「まじか。ちぇー……じゃあその次の日は!?」
「時間空いたらここで酒飲んどるよ。また暇な時あったら声掛けてな」
「分かった!」
また声掛けて、と言われたのを確認してやっと足が軽くなった。父親に背を向け、公園から出て帰り道に入ると街灯が点く直前の真っ暗闇が目の前に広がる。
心から暖かさが消えて、それと一緒に表情まで固くなりそうになるのをギュッと目を瞑って何も考えなくする事で耐える。
またすぐ母親好みの"可愛い女の子"を作れるように、力の抜けた無表情にしてから道を歩く。
今日が早く終わりますように。そう祈りながら光のない方へ進んでいく。家が近付く毎に不思議な肌寒さを感じる。まだ冬は遠いのに。




