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蟻が侵略者達を食らい尽くすまで  作者: 未来
3章 北の国へ
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25卑劣な貴族

「だ、旦那様!! た、大変です!! 」


 地下部屋に突然の従者の男が入り、グリーンが声を荒げた。


「あぁ!? なんだ? 俺は今、この生意気な女のせいでイライラしてんだぞ?」


「も、申し訳ございません!! で、ですが外で暴動が起き国中に火が!!」


 従者の言葉を聞きグリーンは持っていた鉄棒を落とした。傍には体中にあざだらけのリアが倒れており小さい息を繰り返し慌てているグリーン達を見ていた。


「暴動!? 火!? 何が起きやがる、くそぉ!!」


リアをその場に放置して二人が拷問部屋から出た。


 グリーンが屋敷を出て辺りを見渡すと国中で火災が起きていた。緊急時を知らせる警鐘も鳴っていたが奴隷たちを虐待する際に外に音が漏れないように防音にしていたせいでグリーンは従者から知らせを受けるまで暴動が起きていることさえ知らなかった。


「な、なにが起きてんだ…ひぃ!?」


 屋敷の白目を向いた貴族や権力者たちの一団が手に松明を持ち近づいてくる。


「な、なんなんだお前らは!? ここは俺の土地だぞ!! それ以上近づくんじゃねぇ!!」


 近づいてくる蟻人間にグリーンは悲鳴を上げながら従者の男を前に出し盾にした。


「ちょ!! 旦那様!? お、おぃ!! 誰か、誰か助けてろぉ!!」


 盾にされた従者が吠えて屋敷に残っていた他の従者や護衛達が武器を持ち外に出てきが膨大な数の黒蟻と白目を向いた蟻人間達を見て恐怖で体が震えていた。


「みつけた…」


「よくも、僕の大切な人を…お前だけは絶対に許さない…」


 蟻人間達が低い声で呟きグリーンに近づいた。


 グリーンは従者たちに奴らを殺せと命令するが蟻人間達の中にはグリーンより階級が上の貴族や大臣など国の重鎮も混ざっており殺してしまえば自分たちが処罰されると思い攻撃することができなかった。


「何してんだ!? 早くあいつらを殺せぇ!! ひぃ!?」


 グリーンが叫ぶと大地が揺れて蟻人間達の足元から黒い波が出現した。黒い波の正体はすでにこの国の大地を支配した黒蟻達でグリーン達に向けゆっくりと進む。


「うっうぁぁぁ!! 」


 グリーンは涙を流し恐怖で叫んだ。なんであの虫けらがここにいる? この極寒の北の国では奴ら生きてられないはずなのにとグリーンは思った。すでに国中で大きな火災が起き雪も解けて地面が温められたおかげで蟻達は動くことができたなどグリーンは思いつく暇もなかった。


「こ、ころせぇ!! 早く!! あの虫ケラどもを!! 」


 従者たちは屋敷に迫る蟻達を見て恐怖して単発銃やライフル銃を蟻に向け発砲した。

 弾丸が何匹かの蟻を殺すがそれでも地面に穴が空いて次々と黒蟻達が出現する。


「そ、そうだ!! あれを持ってこい!! あの粉をこいつらにぶちまけろ!!」


 グリーンの声に反応して数名の従者が大きな麻の袋を持ち屋敷の周りの地面にばらまいた。


「へっ、これでこいつらもおしまい…はぁ!?」


 粉の正体は虫殺しの殺虫粉でかつて黒蟻達によって天敵だった。しかし進化した黒蟻には効果がなく黒蟻達は進行していく。


「くそぉ!! 」


進行していく蟻達の中に一つの塊が作られていく。何百、何千の蟻達が集まり人の形を形成していくと、蟻の大群が一人の少年に形になりグリーンが恐怖で叫ぶ。


「今度はなんなんだよ!? あの島の奴らを殺したのはレッドとブルー達だろうが!! 俺はあの島で何もしてねぇ!! 」


 グリーンの声を無視して故郷にて侵略者達の暴力により命を落としたユートが口を開く。


「見つけたぞ、愚かな略奪者…島のみんなの命を彼女を傷つけた恨み、忘れはしないぞ」


 怒りに満ちたユートの声に従者たちが震えながら引き金を引く


「てぇめ!! 何訳の分かんねぇ事言ってんだ!!」


「お前がこの蟻どもを操ってんのか? だったら黙らせろ!!」


 弾丸がユートの体を貫くが赤い液がなく代わりに数匹の黒蟻が地面に飛び散った。

 黒蟻で構成された体には痛みもなく大地の神と一体化したユートは屋敷に向かう。


「彼女を傷つけた…そうか!?」

 

 グリーンが何かに気づいて屋敷に駆けていく。従者達は弾が切れた銃を捨てて屋敷から逃げようと走る。だが、逃げた先の地面が大きく盛り上がり蟻の大群が出てきて逃げた従者達を食らう。


「うぁぁ!! や、やめろぉ!!」


「俺たちは何もしてねぇ、全部グリーンが悪いんだ!!」


自分達は何もしていない無実だと叫ぶ従者たちだがグリーンのおこぼれを啜っていた。酒や肉だけでなく拷問室に捕らえられた少女たちを弄んだ罪人には変わりがなかった。


 蟻人間達も兵士から奪った銃を使い残りの従者達を排除してく。人間を食らい続けて知識や知恵手にした蟻達を止る方法はなかった。


「動くな!! 虫けらども!! この女を殺すぞ!!」


 屋敷から飛び出してきたグリーンが吠えてユートの足が止まった。


「リア!!」


「ユート…」


 グリーンに腕をつかまれて銃口を向けられたリアがいた。


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