表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蟻が侵略者達を食らい尽くすまで  作者: 未来
3章 北の国へ
24/30

24黒き蟻地獄

 

 北の国は鉱山に囲まれた国で資源が豊富だった。特に銃の生産に関しては大陸の中で一番であり単発銃だけでなく狩りや処刑で使われるライフル銃まで生産されていた。


「くそ!! ゴミどもが調子に乗りやがって!! 今すぐ黙らせてやる!!」


  権力者たちを守る兵士たちが暴れ回る貧民たちに向けライフル銃を構えて引き金を引いた。轟音とともに火をつけていた者たちが一人、一人と血を流しながら倒れていく。


「この汚いゴミどもが!! 臭いから早く死になさい!!」


 若い男女で構成された兵士たちは貧民たちに向け罵声を浴びせて射殺していく。

 貴族ほどでないが権力をある程度与えられた兵士たちは普段から動物や人間を狩っていた。どれだけ打ち殺せたかスコアを競い合い「自分が一番打ち殺した」と仲間たちに自慢していた。


「おらおらっ!! 後ろから狙い放題だぁ!!」


 自分の承認欲求を満たすために罪のない貧民たちを兵士たちは容赦なく打ち殺す。


「今日は狩り放題だなぁ!! よしゃ、頭に命中!! これで3つ」


「こら!! 嘘つくんじゃないの!! あんた射撃下手なんだから!! まだ2つでしょうが」


 兵士たちは遊び感覚で次々と引き金を引き、弾丸をこめてひたすら自分が殺した数を数えていく。国中で銃声と悲鳴が鳴り響き蟻たちは動き出した。


「…やめ、ろぉ…」


 松明を持った蟻人間の一人が兵士に向け声を出した。


「やめろ、なぜお前たちはそこまで悪意に満ちている…」


 蟻たちの心の叫びを告げるが、一発の銃声と共に蟻人間の額に風穴が生まれた。


「よし、馬鹿貴族の親父の頭に命中!!」

 

「ちょっと? あの親父って〇○のとこのじゃなかった?」


「いいんだよ、こんな混乱した状態じゃぁ、誰が何殺したってわからねぇさ」


「はいはい、でもこれであんたは3匹で私は6匹だから。まだ私の方が有利なのは変わんないから」


「くそぉ!! だったら、手当たりしだいぶちこしてやるよ!!」


 ライフル銃の弾倉を交換し白目を向いた蟻人間達に向け銃口を向ける。

 次々と頭を打たれ蟻人間達は倒れていくが、脳内に寄生した蟻達は使えなくなった死体から退避して急いで地面に潜った。


  すでにこの国の地面の下には膨大な蟻の巣ができあがっていた。地上の大量放火のおかげで国中の雪が解けて蟻達も動きやすくなり蟻達はライフル銃を持つ兵士たちの足元まで移動した。


  蟻達は群れて黒い波となり硬い岩石を顎で砕きながら掘削機のように地面を掘り地震が起き国中が揺れた。


「う、うぁぁ!!じ、地面が揺れる? な、なんでだよ!?」


「私に聞かれてもわからないわよ!? きゃぁ!?」


  国中が普段あまり経験しない地震に驚き悲鳴を上げる中、兵士たちの地面がゆっくりと崩れていく。兵士たちのたち地面から数百メートル地面の下にて蟻達が巨大な渦になり地面を削っていき大きな蟻地獄が作られていく。


「な、なんだ!? うぉぉ!!」


 硬い地面が崩れて兵士たちが穴に落ちていく。穴の底では渦を巻きながら回転している蟻の軍団がいた。黒い渦が地面を削り巨大な蟻地獄を作り出し兵士たちは滑り落ちていく。


「うぁぁぁ!!」


  蟻地獄へ落ちた兵士たちの体は高速で回転する黒い掘削機に触れて削られた。頭から落ちた者は頭部の皮膚や骨がなくなり頭蓋骨が露出するも瞬時に骨のカスが舞い散った。着ていた制服も装備していたライフル銃や弾丸も一瞬火花を散らせてから消し炭になっていく。


 黒い蟻の掘削機により次々と同僚たちの体が削られていくのを見て蟻地獄にはまった兵士たちは涙と悲鳴を上げて上に上がろうともがき始めた。


「うぁぁぁ!! たすけてぇ!! 早く、早く俺を上げろぉ!!」


 必死に地面を踏みしめて上に上がろうとするも上に上がれない。大きな渦は大きくなっていき轟音を立てて大地を削っているため蟻地獄も大きくなっており兵士たちは落ちていく。


「いやぁぁぁぁ!!」


 若い女の兵士が落ちていき彼女の両足のブーツを削った。硬いブーツと足の指が削り取られて大量の血が流れた。両足の指を失い女兵士は上に向かっている同僚たちに手を伸ばし叫ぶ。


「お願い!! 助けて!! いたぃ!! 私の足が、足が!! なんでもするから、早く、早く!! いやぁぁぁ!!」


 これまで射殺のスコアを伸ばすために罪なき貧民たちにでっちあげの罪を着せてきた卑劣な少女の体がなくなっていく。細い足が骨から肉まで削られ大量の血を流しながら塵と化し、胴体部分がなくなったところで少女は絶命し苦痛と恐怖で歪んだ顔や涙も蟻の掘削機に飲まれて消えていった。


「あぁ、うぁぁぁ!!」


 女兵士の無残な死を見て生き残っている兵士たちは必死に上へ上へと上がっていく。だが、命がけで上を目指す彼らを阻む者たちがいた。上には棒や石を持った貧民たちがおり彼らの顔を怒りに満ちていた。


「お、おい!! お前ら!! 早く俺を助けろ!! 何、そこでぼーと突っ立ってんだよ!! 打ち殺すぞ!!」


  ライフルを構えて上にいる貧民たちを脅すが誰も兵士たちを助けようとしなかった。

  蟻地獄にはまり恐怖に震えてライフル構える兵士に対して石が投げられた。


「いでぇ!! くそぉやめろぉ!! 殺すぞぉ!!」


 汚臭を放つ掃除道具や農業で使うスコップなどあらゆる硬い物が蟻地獄の中に投げられ兵士たちの体にあたる。


「お前たちなんか死んでしまえ!!」


「落ちろ!! 落ちろ!! 人間のゴミが消えてしまえ!!」


「お前らの遊びのために殺された父達の敵だ!!」


 人々の怒りと憎しみに満ちた目を見て兵士たちが恐怖で震えた。下には蟻の掘削機が、上には武装した貧民たち待ち構えており兵士たちには逃げ場がなかった。


「このぉ!! ゴミ共がぁ、ぐぇ!! げほぉ!!」


 怒りに任せて引き金を引こうとしたが汚物や生ごみがまとめられた大きな桶が落ちてきて兵士の頭を当たった。体中に汚物がかかり鼻の奥が曲がりそうな異臭に顔を歪めて目や口の中に生ごみが入り苦しみで息ができなくなる。


 投げられたゴミのせいで指に引き金をかけたまま銃口を下に向けてしまいこもり引き金が引かれる。


  パァン


「ぐぎゃぁぁぁ!! あ、足が!! 」


 弾丸が自分の右足の甲を貫通し兵士は倒れてそのまま黒い波に転げ落ちていく。

 着ていた制服とこれまで貧民たちを殺して得た金品の入った財布が塵となり、男の兵士の腕や顔の皮膚や骨を削っていく。


「ぐぎゃぁぁ!! がぁ、あぁぁ!!」


 さんざん貧民たちをゴミと蔑んできた男の兵士はゴミまみれになり、この世に何も残すこともなく消え去った。


 他の兵士たちも大量にゴミや硬い物を投げられ下に落ちて体を削られて断末魔が上がる。


「あ、あぁ…!! いだぃ!! いだぃ!! 死にたくない!! 助けでぇ!! 」


 どんなに貧民たちへ命乞いをしようが誰も助けの手を伸ばそうとせずさっさと落ちて死ねと罵声の声しかなかった。


「いやだぁぁぁぁ!! いだぃ!! いだぃ!! 俺の体、あぁ!! ごめんなさい!! もう、銃は使わないから、もう誰も傷つけたりしなから、助けてぇ!! 奴隷にもなるから、早くここからだしてぇ!! うぁぁぁぁ!!」


 国中で次々と蟻地獄が生まれてこれまで貧民たちを苦しめてきた暴力者たちが消えていき、炎の革命は終わりに近づいてきていた。


 そして、大地を支配した黒蟻の大群がグリーンのいる屋敷に向けて進軍した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ