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蟻が侵略者達を食らい尽くすまで  作者: 未来
3章 北の国へ
22/30

22 悪夢からの目覚め

「うぁぁぁ!!!!」


 悪夢から目覚めフカフカのベッドから慌てて起きたグリーン。


「はぁ、はぁ…くそぉ!! また、蟻共の夢か…」


 悪態をつきながらベッドから降り使用人を呼ぶ。数人の使用人が部屋に入ると悪夢のせいで汗まみれと失禁で汚れた体を見て一瞬嫌な顔をしたが、グリーンの不評を買うわけにはいかず温めたタオルで肥えた体を綺麗にして厚めの衣類へ着替えを手伝いその後温かいスープなど朝食を持ってすぐに部屋を出て行きグリーンは一人で頭を抱えていた。


「はぁ、くそぉ…」


 羽蟻達から逃げリアを連れて北国に亡命した後もグリーンは蟻達に怯える生活をしていた。


 祖国が蟻により滅ぼされたのは噂で聞いていた。大量の蟻が人を襲っただけでなく白目を向いた暴徒たちが人々を殺しその後何か怪しい動きをしているなどあの国の噂は大陸中にすでに知られていた。


 これまで他国から人も金も奪ってきたあの国と王族へ復讐すべく他国が攻めに入ってきたが王と王妃が見つからなかった。醜く国民の税金を宝石やケーキに使い欲を満たしてきた王妃は蟻人間達によりバラバラに解体されてしまった。


 保身しか能がなく王妃に顎で使われてきた王は鉄の壁に閉ざされた避難所で餓死を待つだけの囚人になっていた。


「とにかく蟻共だ…あの虫どもがいる限り俺はこの国から出れねぇ…」


 自分の生まれ育った国が滅ぼうがグリーンにとってはどうでもよかった。


 この大陸でグリーンにとって安全地帯は蟻達が生きにくい極寒のこの国しかない。一歩でも寒いところから離れればあの殺人蟻達が殺しにかかってくるためグリーンは不自由な生活をするしかなかった。


 ほぼ毎日雪が降り食べ物や資材も少ない北の端にあるこの国で地位を得て屋敷の中でひきこもる毎日が続けばストレスが溜まる。幸いにも金があるため地下に牢屋と拷問部屋を改装しストレス発散ができる物があった。


 グリーンは朝食を止めて部屋を出て行き地下への階段を下りて鉄の扉を開いた。


「ひぃ!!」


 鉄の扉の先にはいくつか牢屋があり、牢の中にはグリーンを暗殺しようと送り込まれた少女たちが詰め込まれていた。


 雪国での窮屈な牢獄暮らしの中で唯一の楽しみがこれまで自分を暗殺しようとしていた彼女達をいたぶる事だった。少女たちの苦痛の悲鳴を聞くのがグリーンの日課になっており牢の中で寒さに震え水も食料も与えられず痩せている少女たちを見てグリーンは興奮して息を荒げる


「あの蟻共を思い出したせいですげぇイライラしてんだ、今日はあの女で楽しむか」


 壁にかけてある鉄の棒を掴み部屋の奥へ進むと小さな檻があった。

 檻の中には汚い床に座りこみボロボロの衣類を着こんだリアがいた。


「…」


「おい、クロ。今日は何して遊んでやろうか?」


 鉄の柵を鉄棒で軽く牢を叩くグリーン。北の国に連れてきて碌に何も与えず心が屈服するのを待っていたがこの少女の瞳は衰えてなかった。強引に抱かれたり怪我もさせられたりしてもリアは決死してグリーンに屈せずひたすらにらみ続けた。


「あぁ、なんだよその目は!! 」


 金も権力も手に入れた自分は無敵でなんでも思うままなのにこの女だけは自分を受け入れない。他の奴隷達は食事を無しにしてひたすら暴力を振るえば簡単に屈服できたのにこの女だけはあの島から連れてきてから自分にまったく媚びようともしない。

 

 あの蟻共が助けにきてくれるとでも思っているのか? と思いさらに声を荒げた。


「おい、馬鹿女!! あの蟻共はここじゃ生きてけねぇんだよ!! あの虫ケラは今頃国の外で地面を這いずり回ってんだよ!! いい加減に気づけよ」


 檻の柵を鉄棒で強く叩き周囲の奴隷達が覚える。

 威嚇してくるグリーンをゴミを見つめるように冷めた目でリアは心の中でつぶやく。


(ユート、大丈夫…私はあなたを待ってる…)


 空腹と喉の渇きに耐えながらリアはひたすら思い人を待ち奇跡は近づいてきていた。


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