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寝覚めは最悪だった。たっぷり寝たはずなのに体が重い。寒気も感じるし、腹の調子も悪い。
頭に浮かぶのは、あの紫スライム。毒のありそうなところは避けて食べたつもりだったが……。
それから私は腹を下した。おかげで回復しかけた体力が、またごっそり減った。
敏感な鼻は臭いに悲鳴を上げている。
幸い他にも部屋があったのでそこに移る。
初めに入ってきたときは気づかなかったが、この穴、いくつかの部屋に分かれているようだ。
ここには誰かが住んでいたのだろうか。今も住んでいるかもしれない。
穴から出ていこうかとも考えたが、こんな体調だ。迷ったが、このままここに留まることにした。
真っ暗な中、私は寝たり起きたりを繰り返していた。しばらくすると、体調も小康状態になった。
体調がよくなってくると、今度はお腹がぐうと鳴った。
無性に肉が食べたい。あんな味のしないゼリーではなく。
暗くて、動けず、空腹感ばかりが増していく。
これにはかなり参った。精神的にかなり来る。
ただ時間ばかりが過ぎていく。私の精神的疲労がピークに達しようかという時――。
何かの気配を感じた。どうやら巣穴の住人が帰ってきたようだ。見つからないように息を潜める。
どんな姿かはわからないが、大した脅威は感じない。
もしやこれはチャンスでは。もうしばらくは食事にありつけないかと思っていたが……。
私は今にもよだれが出そうになるのをこらえて、気配を殺し続ける。
あ、相手の気配が動いた。何か(多分私の糞)に気づいたようだ。相手が緊張するのがわかる。
段々こちらに近づいてくる。
私は今か今かと待ち構える。久し振りの獲物。殺る気は十分だ。
十分獲物が近づいてくると、私はバネが弾けたように勢いよく飛びかかる。
ジタバタ暴れえるのを押さえつけ、適当に目星をつけて、喉笛に食らいつく。
すると、獲物は少し痙攣してから、完全に動かなくなった。
少々ひっかかれたが、前回に比べると、上出来だ。やればできるじゃないか、私。
前のスライムの味は最悪だったので、少しの不安と、期待が入り混じった気持ちを抱えながら、恐る恐る獲物に口をつける。
なにこれ、美味しい。ちょうどいい感じに柔らかく、脂ものっている。
魔物はゲテモノ揃いかと思っていたが、そうでもなかったらしい。やっと私にもツキが回ってきた。
生きててよかったー。心からそう思う。
とても美味しかったが量は少なかった。全然食べたりない。
さっきので勢いづいた私は、さらなる獲物を求めて、穴から出ていくことにした。




