↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/96

EPISODE5-1【黒き来訪者など】

翌日——朝の光が差し込むマタラ支部の一室。目覚めた星玲奈の姿に、レイトキは息を飲む。その瞬間、星玲奈は完全にヒュージノイドへと覚醒していた。白い肌はより透き通るように輝き、銀の髪には黒の鱗模様が筋状に浮かび、瞳は蒼く深い龍の光と、月のような銀の輝きを併せ持つ。背中からは半透明の龍の翼のような気流が立ち昇り、その身には祖龍・ワーウルフの神話級因子とZXファクターが完全に融合した、新たなる力が脈打っている。

「せーちゃん…!」レイトキが駆け寄ると、星玲奈はゆっくりと瞳を開け、いつものように優しく微笑む。だがその雰囲気は昨日とはまるで違い、神々しく、それでいてどこか鋭い威厳を纏っている。

挿絵(By みてみん)

「おはよう、レイ… 私、何か変わったみたい」彼女は自分の手を見つめ、鱗のように輝く指先に触れる。その瞬間、周囲の空気がふわりと温かくなり、同時に空間がわずかに歪む。

「覚醒したんだな…」レイトキは確信を込めて告げる。

「ZXファクターと祖龍、ワーウルフ——全部が一つになったんだ。せーちゃん、君は今、誰も見たことのない存在になったんだ」

「そうなのね…」星玲奈は自分の変化を受け入れるように頷き、だけど真っ直ぐにレイトキを見つめる。

「でもね、レイ。私は私だよ。姿が変わっても、力が変わっても、私の心はずっと同じ。レイを愛してる気持ちも、みんなを守りたい気持ちも、何一つ変わらない」

「ああ、それは分かってる」レイトキは彼女の手を強く握りしめる。

「俺が愛してるのは、せーちゃんの心だから。どんな姿になっても、俺は君の隣にいる。共に戦い、共に生きる」 だが——その時、支部の警報が突然、甲高く鳴り響いた。

「緊急接近。強大な反応、単体。高速で進入中——!」二人が窓の外を見ると、黒い衣を纏い、漆黒の翼を広げた一人の男が、音もなくマタラ支部の上空に舞い降りた。その瞳は紅く輝き、まるで終焉そのものを思わせる雰囲気を纏っている。

「あれは…!」レイトキは剣の柄に手をかけ、身構える。

「誰だ…? こんな場所に、何の用だ…?」 黒き来訪者は地面に降り立つと、その場から動かず、低く響く声で呼びかける。警報が鳴り響く中、上空から舞い降りた黒き影——その正体はアザミだった。漆黒の衣と闇色の翼を纏い、瞳は紅く禍々しく輝き、以前とは比べものにならないほどの重く険しい気迫を漂わせている。

「アザミ…!」レイトキは剣を構え、警戒を強める。

「どうしてお前がここに…!?」アザミは地面に降り立つと、その場から動かず、鋭い視線を星玲奈に向けたまま低く響く声で告げる。

「星玲奈——新たなるヒュージノイドよ。私が迎えに来た。」星玲奈は覚醒したばかりの蒼銀の瞳を真っ直ぐに向け、動じることなく応える。

「アザミ… あなたが何のために来たの? 私を、連れて行くつもりなの?」

「そうだ」アザミは剣の柄に手を置き、毅然と言い放つ。

「お前は今、世界の均衡を揺るがす存在になった。その力がどう使われるのか——確かめる必要がある。従ってもらう。拒否するなら、力ずくでも連れて行く」レイトキは一歩前に出て、星玲奈を庇うように立つ。

「そうはさせない! せーちゃんは俺たちの仲間だ。お前一人の都合で連れて行かれるものか!」アザミの紅い瞳が一層鋭く輝く。

「レイトキ… お前は何も分かっていない。彼女の力は、それほどまでに大きく、危ういものなのだ。邪魔をするなら、お前も相手になる——覚悟しろ」こうして——黒き来訪者の正体はアザミ! 星玲奈の覚醒を感知し、自ら迎えに現れる! その目的は何か? レイトキVSアザミ、緊迫の対峙が始まる——! アザミは紅い瞳を鋭く輝かせ、はっきりと告げる。

「復讐のためにはヒュージノイド、そしてゾンビウィルスが必要だ。来てもらおう」その言葉に、レイトキの表情が一気に険しくなる。

「復讐…!? お前はただ、復讐のためにせーちゃんの力を利用しようとしてるのか!?」

「そうだ」アザミは一切の迷いを見せず、言い放つ。「故郷の者たちが奪われたものを取り戻す。そのためには、ヒュージノイドの力——それも、祖龍とワーウルフを併せ持つ星玲奈の力が必要だ。そしてゾンビウィルス——この二つが揃えば、誰にも止められない。だから、来てもらう」星玲奈は蒼銀の瞳を真っ直ぐに向け、拒絶の意思をはっきりと示す。

「それは違うよ、アザミ。力は復讐のために使うものじゃない。誰かを傷つけるために使うなんて、絶対に嫌!」

「嫌だと言ってもらっても困る」アザミは一歩踏み出し、闇の気配を強める。

「お前はもう、その力を持ってしまった。逃れることは出来ない。大人しくついて来れば、無駄な血は流さない。だが——拒むなら、力ずくでも連れて行く」レイトキはメロダックの柄を強く握り、星玲奈の前に立ちはだかる。

「俺が絶対に守る。せーちゃんを、そしてその心を、誰にも利用させはしない。復讐のために彼女を奪おうとするなら——俺が相手だ!」アザミの周囲の闇が一気に濃くなり、紅い瞳が燃え上がる。

「ならば、仕方ない。レイトキ——お前も、その覚悟で受けてみろ!」こうして——アザミの真の目的が明らかに! 復讐のため、星玲奈のヒュージノイドの力とゾンビウィルスを狙っていた! レイトキVSアザミ、ついに直接対決へ——! 復讐に燃えるアザミの猛攻を、二人は止められるのか——!アザミの言葉が響いた直後、駆けつけた与太郎、斗愛、カグラ、デューク、リジェ、ゼロ、陸郎、そして那奈——クロノギア全員が勢ぞろいする。那奈はアザミの姿を目にして、思わず声を上げる。

「ゲッ!? よりによってコイツなの!」思わぬ相手に驚きを隠せず、肩まで跳ね上がる。陸郎も隣で眉をひそめ、アザミの纏う禍々しい気配に警戒する。

「アザミ… ストレンジの幹部で、復讐のためなら手段を選ばない男。まさかここまで来るとは…」斗愛も拳を握り締め、悔しそうに告げる。

「前回もゾンビウィルスを使って、私たちを襲ってきた人だよね。また、同じことをしようとしてるの…!」アザミは集まったメンバーを一瞥し、紅い瞳を冷ややかに細める。

「邪魔者が増えたな。だが、誰が来ようとも、目的は変わらない。星玲奈を連れて行く。それが叶わぬなら——この場にいる者、全て消す」リジェは即座に治癒と防御の準備を整え、全員に声をかける。

「みんな、構えて! 相手は手強いわ。無闇に突っ込まないで、連携して戦うのよ!」レイトキは星玲奈の手を固く握り、仲間たちに向き直る。

「ありがとう、みんな。だけど——俺たちは絶対に彼女を渡さない。アザミ、お前の復讐のために、誰も犠牲にはしない。ここで、その想いを止める!」こうして——クロノギア全員が集結! 那奈の驚きの声も飛び出し、アザミ対クロノギア総員の戦いが始まる! 圧倒的な数の前でも、アザミの決意は揺るがない——果たしてどうなる!?その瞬間、四つの気配が一斉に現れ、フィーア、フュンフ、ドライ、ツヴァイが並び立つ。正規品四人組も駆けつけ、アザミの姿を目の当たりにして、その場の全員が驚きに包まれる。ツヴァイが低く呟くように告げる。

「まさか、この人が来るとは…」フィーアも角端とエインヘリアルの気配を強め、真剣な面持ちで続ける。

「アザミ… 幹部の中でも特に復讐心が強く、手段を選ばないと噂される人物。まさか単身でここまで襲来するとは…」ドライは拳を握り締め、警戒を強める。

「俺たちですら、彼の真の目的と実力の全貌は把握しきれていない。それが、このタイミングで星玲奈の覚醒を狙ってくるとは…」フュンフも険しい表情で頷く。

「これは単なる襲来じゃない。最初から全てを計算していた可能性が高い。俺たちがここにいることも、彼は知っていたのかもしれない」アザミは四人の姿を一瞥し、紅い瞳を冷ややかに細める。

「正規品まで集まってきたか… だが、誰が相手でも構わない。星玲奈は必ず連れて行く。邪魔をするなら、お前たちも同じだ」レイトキは全員が揃ったのを確認し、心強さを感じながらも決意を新たにする。

「みんな… ありがとう。アザミは強い。だけど、俺たち全員で力を合わせれば、絶対に止められる。星玲奈を、そしてこの場所を守り抜こう!」こうして——クロノギア全員に加え、正規品フィーア・フュンフ・ドライ・ツヴァイも集結! 総勢を前に、アザミはなおも退く気配なし! 最大規模の戦いが、いよいよ始まる——!!一斉に襲いかかるレイトキたちの攻撃——だがアザミは、まるで風を受け流すかのように、軽々といなしてみせる。レイトキのメロダックの一撃は、彼が一歩踏み躙るだけで空を切る。斗愛の拳は、手首を軽く払われただけでその勢いを失い、カグラの斬撃も、闇の衣が翻る一瞬でかき消される。

「くっ… 当たらないのか!」与太郎が渾身の一撃を放つも、アザミはその場に立ったまま、わずかに身をかわすだけで完全に回避。正規品の四人が放つ連携攻撃さえ、彼の前では的確に軌道を逸らされ、届くことがない。

「無駄だ」アザミは紅い瞳を冷ややかに光らせ、嘲るように告げる。

「お前たちの攻撃など、私には届かない。今のうちに諦めれば、まだ傷つけずに済む。星玲奈を渡せ」誰一人として攻撃が当たらず、手応えすら感じられない——その圧倒的な実力差に、全員が息を飲む。

「どういうこと…!」星玲奈は蒼銀の瞳を震わせる。

「誰も、彼に触れることさえ出来ないなんて…!」レイトキは歯を食いしばり、再び剣を構える。

「だけど、諦めない! 当たらないなら、当たるまで、俺たちの全てをぶつける! 絶対に、せーちゃんを渡さない!」こうして——アザミが、クロノギア+正規品の総攻撃を軽々といなし、圧倒的な実力差を見せつける! 誰もが絶望的な状況の中、一体どう反転させるのか——!?アザミは紅い瞳を鋭く光らせ、二人を見据えて告げる。

「星玲奈、お前だけじゃなく、レイトキも一緒に来させよう。お前ら二人いると、何かと都合が良さそうだしな」その言葉に、レイトキは眉を吊り上げる。

「俺まで… 一体何のためだ? 揃えて何をするつもりだ!?」

「それは着いてからのお楽しみだ」アザミは嘲るように口角を上げる。「ヒュージノイドの素体として、そして——その因子の組み合わせ方を見れば、お前たち二人が揃えば、復讐のための鍵が何重にも揃う。都合がいいに決まってるだろう」星玲奈はレイトキの腕を強く掴み、蒼銀の瞳を怒りに燃やす。

「そんなの絶対に嫌! 私たちはアザミの道具じゃない! レイ、行かないよ! 絶対に!」

「ああ、行くものか!」レイトキはメロダックを強く握り、アザミに向けて突きつける。

「俺たちは自分たちの意志でここにいる。お前の都合で連れて行かれるものか! 欲しければ、俺たちの意思を貫いてみろ!」 アザミの周囲の闇が一気に濃くなり、紅い瞳が燃え上がる。

「断るなら、力ずくでも両方奪うまでだ。覚悟しろ——!」こうして——アザミはレイトキと星玲奈、二人を連れ去ろうとする! 二人揃って何の"都合"が良いのか? その真の狙いとは——!? 更に緊迫度が増す中、戦いは次の段階へ——!星玲奈は蒼銀の瞳を一気に輝かせ、全身の力を一つに集約して高らかに叫ぶ。

「混因反応! 祖龍✕ワーウルフォックス!」その瞬間——彼女の身体を中心に、蒼き龍の光と銀の狐狼の気が渦を巻き、一つに融合して炸裂する。背中からは龍の翼と狼の耳が重なるような紋様が浮かび上がり、蒼銀のオーラが周囲一帯を圧倒的な気圧で包み込む。

「これが… 祖龍とワーウルフォックス、そしてZXファクターが完全に混ざり合った力…!」レイトキは息を飲み、その輝きに目を奪われる。アザミも初めて表情を曇らせ、紅い瞳を細める。

「二つの神話級因子が、これほどまでに融合しているとは…。だが、それが何だ。力だけで私を倒せると思うなら、大間違いだ!」

「違うわ」星玲奈は一歩前に出て、蒼銀の瞳を真っ直ぐアザミに向ける。「この力は、誰かを傷つけるためじゃない。私たちの絆を守るため、大切な人を守るためにあるの! 受けてみなさい!」蒼銀の光が槍の形に収束され、星玲奈の手に宿る。それは龍の牙であり、狼の爪でもある——二つの伝説が一つになった、唯一無二の一撃! こうして——星玲奈、混因反応発動! 祖龍×ワーウルフォックスの力が覚醒し、ついに反撃の狼煙が上がる! アザミの無敵の防御を打ち破る一撃となるのか——!? 蒼銀の光が渦巻く混因反応の一撃——祖龍✕ワーウルフォックスの槍が、アザミの胸元に一直線に突き刺さり、直撃する!

「っ——!」今まで全ての攻撃を軽々といなしてきたアザミが、初めて衝撃に耐えきれず、後ろへ大きく弾き飛ばされる。闇の衣が裂け、紅い瞳が驚きに大きく見開かれ、地面に激しく打ち付けられる。

「当たった…!」那奈が思わず声を上げる。

「あのアザミに、初めてダメージが入った!」

「さすがだ、せーちゃん!」レイトキは拳を握り、喜びと共に奮い立つ。「俺も続く! このまま押し切るぞ!」アザミはゆっくりと起き上がり、胸元の傷を押さえながら、信じられないといった表情で星玲奈を見つめる。

「…二つの神話級因子が融合した一撃か。だが、これで終わりではない」

彼の周囲の闇が更に濃くなり、傷口からは黒いオーラが湧き出し始める。まるでその傷すらも力に変えるかのように、彼の気配はますます強大になっていく。

「面白い。だからこそ、お前たちは必要だ」アザミは低く呟き、紅い瞳を再び燃やす。

「だが、これで本気になった。次は——死ぬ気でいけ」こうして——混因反応の一撃、ついにアザミに直撃! だが、これが引き金となり、アザミは本気モードへ突入! 戦いは更に激化、いよいよ決着の時が迫る——! 混因反応の一撃がアザミに直撃し、緊張が最高潮に達したその瞬間——ノバラがアザミの前に割り込み、立ちはだかった。金髪の長髪に赤いメッシュが映え、紅い瞳を鋭く光らせながら、アザミを庇うように両手を広げる。

「お待ちなさい! アザミ様に手を出すなんて、許しません!」彼女の周囲には、不死鳥を思わせる赤い炎のようなオーラが立ち昇り、星玲奈の放った蒼銀の衝撃波をその身一つで受け止めてみせる。地面が砕け、周囲の空気が歪むほどの衝撃——だがノバラは一歩も退かない。

「ノバラ…! なぜお前がここに…!」アザミは彼女の背中を見て、初めて動揺した声を上げる。

「私一人で充分だったのに!」

「そうはいきません」ノバラは振り返り、強い眼差しで告げる。

「アザミ様の復讐は、私の復讐でもあるのです。どんな時でも、私はアザミ様の側にいます。それが眷属の務めですから」レイトキはメロダックを構え直し、眉をひそめる。

「眷属…! アザミの血を引く者か! だとしたら、あの力は——」星玲奈も蒼銀の瞳を強く輝かせ、構えを緩めない。

「二人がかりになるのね…。だけど、負けない。私たちの絆の力は、そう簡単には折れない!」こうして——アザミの眷属・ノバラが参戦! 二枚看板となり、戦況は更に混迷を極める! 復讐を誓う二人の前に、クロノギア+正規品の連合はどう立ち向かうのか——!?ノバラは赤い瞳を鋭く光らせ、はっきりと告げる。

「アザミ様、ここは一旦引きましょう。こんなことで時間を費やしても仕方ありません。ヒュージノイドの確保は別線でしましょう」アザミは唇を噛み、星玲奈たちを睨みつける。紅い瞳の中には未だに怒りと悔しさが渦巻いている。だがノバラの言葉に、冷静さを取り戻したように肩の力を抜く。

「……そうだな。今日はここまでだ」

彼は最後にレイトキと星玲奈を強く見据え、低く響く声で告げる。

「だが、諦めたわけじゃない。必ずまた来る。その時は——覚悟しておけ」ノバラはアザミの肩に手を添え、赤い炎のようなオーラで二人の姿を包み込む。そして次の瞬間——二人の姿は炎のように消え去り、完全に撤退していった。緊張の糸が切れ、その場にいた全員が一斉に息を吐く。

「逃げられた…」与太郎が額の汗を拭う。

「だけど、本当に良かった。これ以上戦ってたら、どうなってたか分からない」星玲奈は蒼銀のオーラを収め、少し膝をつく。

「別線… って言ってたね。つまり、他にも狙ってる場所や手段があるってこと…」レイトキは彼女の元へ駆け寄り、しっかりと支える。

「ああ。だから油断は出来ない。次はもっと早く、もっと手強い形で来るかもしれない。だけど——俺たちは絶対に準備を整えて待っていればいい」正規品の四人も周囲の警戒を解き、ツヴァイが告げる。

「アザミの狙いはヒュージノイドの力… 特に星玲奈さんの覚醒した力。今後、別の手で確保に来る可能性が高い。警戒を強めるべきだ」こうして——ノバラの進言でアザミは一旦撤退! だが「別線で確保」の言葉が気にかかり、次の襲来は更に周到なものになる予感! 星玲奈の覚醒と共に、新たな危機の予兆が迫り始める——!レイトキはアザミたちが消えた空間を見つめ、低く呟くように告げる。

「もしかして、アイツ、気付いてるのか。ストレンジがヒュージノイドを作ってることに」その言葉に、その場の全員が息を飲む。星玲奈も蒼銀の瞳を大きく開き、思わず声を上げる。

「それって… アザミはストレンジの内情を知りながら、自分の復讐のために動いてるってこと? だったら、ヒュージノイドの確保も、ストレンジの計画とは別の目的で…!」陸郎が冷静に分析を加える。

「アザミはストレンジの幹部でありながら、独自の復讐を最優先にしている。だとしたら——ストレンジがヒュージノイドを量産し、世界を書き換えようとしていることにも、薄々気付いている可能性が高い。だからこそ『別線で確保』と言ったんだ。組織の計画とは違うルートで、自分だけの力を手に入れようとしている」

ツヴァイも頷き、続ける。

「それは怖いことだ。もしアザミがストレンジの真の目的を知りながら、それを利用しているのなら——彼は二重の意味で危険だ。敵が一枚ではなく、複雑に絡み合ってる」レイトキは拳を強く握り締める。

「つまり、俺たちはストレンジという大きな敵だけでなく、その内部からも牙を研ぐ者たちにも警戒しなきゃならないってことか…。だけど、どちらにしても、俺たちの道は変わらない。誰が相手でも、この世界を、大切な人たちを守るために戦うだけだ!」こうして——アザミがストレンジのヒュージノイド製造計画に気付いている可能性が浮上! 組織と独自の思惑が交差し、敵の構図は更に複雑に! レイトキたちは真実を見極め、全ての脅威に対抗する術を探さなければならない——! レイトキは指で思考を整理しながら、はっきりと告げる。

「恐らくだが、こう考えられる。ヒュージノイドの力を持ったゾンビの作成、そして——ならば、コンソールが必要なはずだ」その言葉に、全員が一斉に顔を上げる。

「コンソール…?」星玲奈は眉を寄せる。

「つまり、ゾンビウィルスとヒュージノイドの因子を結びつけるための、制御装置か何かがあるってこと?」

「そういうことだ」レイトキは頷き、論点を繋げる。

「アザミはゾンビウィルスとヒュージノイドの二つを必要としていた。だが、ただ混ぜただけじゃ、制御どころか暴走するだけ。細胞レベルで融合させ、命令系統を統一する——そのための中枢、つまりコンソールが絶対に必要になる。」ツヴァイが鋭く補足する。

「それが意味するのは、アザミはすでにそのコンソールの在処を把握しているか、あるいは自ら作成しようとしている可能性が高い、ということだ。『別線で確保』という言葉は、ヒュージノイドの素体だけでなく、このコンソールも含まれているのかもしれない」

「だとしたら、俺たちの勝ち目はそこだ」レイトキは瞳を強く輝かせる。「アザミが何を企もうと、そのコンソールさえ奪うか破壊できれば、ヒュージノイドゾンビの作成は根本的に不可能になる。次に彼が動くとしたら、そのコンソールか、コンソールの鍵になるものを狙うはずだ」陸郎は即座に行動計画を繰る。

「ならば、今すぐストレンジの関連施設、研究所、そしてアザミの私的な拠点——それら全てのデータを洗い直そう。制御コンソールに類するものの痕跡、何か手がかりがあるはずだ」こうして——アザミの真の狙い「ヒュージノイドゾンビ作成計画」の核心、そしてその鍵となる「コンソール」の存在が浮かび上がる! 敵の計画を阻止するカギは、このコンソールを先回りして確保・破壊すること——! 新たな探索任務が始まる!アザミの館——薄暗い書斎の奥、ひっそりとした空間に、ふわりと一人の男が現れる。木製の冠を頭に載せ、まるで眠りから覚めたばかりのような気だるげな表情。琥珀色の瞳は半ば閉じられ、長い黒髪が肩まで垂れ、歩くたびに木々の囁きのような衣擦れの音がする。彼はゆっくりと一歩踏み出し、低く、それでいてどこか重みのある声で告げる。

「ア・バオア・クー、参上した」アザミはノバラと共に館に戻り、その姿を見て一瞬、足を止める。

「ア・バオア・クー… なぜお前がここに?」ア・バオア・クーは木の幹のようにどっしりと佇み、穏やかながら底知れぬ気配を漂わせながら、ゆっくりと口を開く。

「耳が、風の噂を拾ったのだ。君がヒュージノイドの素体を求め、そしてゾンビウィルスと制御のコンソールを欲しがっている、と。それらが揃えば、君の復讐の願いが叶うのか?」ノバラは警戒しつつも、その神々しいまでの自然な気配に、思わず身構える。

「あなたは… まるで森そのもののような… いったい何者なのですか?」

「我は大樹の化身。万物の根幹を見守る者」ア・バオア・クーは瞳をわずかに開き、アザミを真っ直ぐに見つめる。

「復讐は、木々を枯らす毒のようなもの。だが、それでも君の意志が消えぬのなら——我はその行く末を見届けよう。そして、必要ならば力を貸そう」こうして——アザミの館に新たな強大な来訪者、ア・バオア・クーが現れる! 木の冠を戴き、自然の力を宿すその存在は、敵側の戦力を一気に拡大させる! 復讐の計画は、更に大きく動き始める——!ア・バオア・クーは気だるげな表情を崩さず、穏やかに佇んでいるが、その心の中では静かに、だが確かに思いを巡らせていた。

「(復讐の成就は表向き。すべてはドネイター様のために)」表面的にはアザミの復讐を支えるように見せながら、彼の真の目的はあくまでドネイターの計画を推し進めること。アザミの激情も、ヒュージノイドも、ゾンビウィルスも、そして制御コンソールも——すべてはドネイターのための布石に過ぎない。彼は木々のように沈黙を守り、自らの真意を誰にも悟らせることなく、ゆっくりと告げる。

「さあ、話そう。君が必要としているもの、そしてこれから成そうとしていること——全てを聞かせてくれ。我は力を貸そう」アザミはその言葉を信じ、少しだけ心を開く。

「ありがとう…。これで、計画は一歩前進する」だがノバラだけは、彼の瞳の奥にわずかな違和感を感じ取っていた。何かが違う——そう直感しながらも、それが何なのかはまだ分からない。こうして——ア・バオア・クー、その真の忠誠はドネイターにあり! アザミは利用されていることを知らず、計画はドネイターの思惑通りに進行! 裏側で糸を引くドネイターの影——果たしてクロノギアはその罠に気付けるのか!?衆生解放戦線の本拠地——どこか冷たく張り詰めた空気の中、ドネイターが低く、余裕たっぷりに告げる。

「ア・バオア・クーがアザミという吸血鬼に潜り込んでくれたわね。わざと計画に乗ったフリをしてもらおう。余計なことをしてもらっては困る。ヒュージゾンビ計画とは考えたよ。だけど、それ、ボク達の計画の邪魔になるんだよね。人間や人間に与する亜人の皆殺しのために動く者からすれば、そんなことをすれば誰を殺すべきか分からなくなるから」その言葉の通り、アザミが進める「ヒュージノイド+ゾンビウィルス」の融合計画——つまりヒュージゾンビの大量作成は、衆生解放戦線の目的と根本的に衝突する。彼らは「人間とそれに与する亜人」を明確に選別して殲滅したい。だが、制御の効かないゾンビが無差別に動き出せば、敵も味方も関係なく襲い、標的の境界が完全に曖昧になってしまうのだ。

「アイツの復讐心は利用価値が大きい。だけど、度が過ぎればこちらの計画まで崩れる」ドネイターは指先で机を軽く叩き、冷ややかに続ける。「ア・バオア・クーには、アザミの暴走を抑えつつ、こちらの思い通りに誘導してもらう。必要以上にゾンビを増やさせない、制御系統だけは確保する——それが条件だ」傍らに控えた幹部が問う。

「では、アザミがコンソールを手に入れたら、奪い返すのですか?」

「そうね。あの男は自分が中心だと思い込んでいる。だからこそ扱いやすい。だけど、道具が主になっては困る。ヒュージゾンビの技術は欲しいけれど、それを使って無差別に暴れられては、こちらが狙う『選別された滅亡』が台無しになる」こうして——衆生解放戦線の真の狙いが明らかに! アザミは利用されているだけで、ヒュージゾンビ計画さえも彼らの邪魔になると判断されていた! 敵同士の思惑が複雑に絡み合い、それぞれの計画が衝突し始める——! 果たしてクロノギアは、この混迷の中で突破口を見つけられるのか!?レイトキはアザミたちが去った空間を見つめ、はっきりと告げる。


「アザミの暴走は止まらないようだな。できれば話し合いですませたいが、そうも言ってられんかもな」


その言葉に、星玲奈は胸の痛みを感じながらも頷く。

「そうだね… アザミの復讐心は、もう誰の言葉も届かないところまで来てるのかも。でも、私はまだ信じたい。彼が本当は何を求めているのか、どうしてそこまで復讐に駆られるのか——その根源を知らない限り、本当の解決にはならない気がする」


陸郎は冷静に状況を整理しながら言う。

「話し合いで解決できるのが一番だ。だが、相手が力で来る以上、こちらも応じる覚悟が必要だ。特に『ヒュージゾンビ計画』は、失敗すれば無関係な人々まで巻き込む大惨事になる。最悪の場合、力で止めるしかない」


ツヴァイも厳しい表情で続ける。

「アザミは自分の復讐のために、他人の命を軽視しすぎている。それに、背後にはドネイターや衆生解放戦線の影も見える。話し合いを試みるにしても、万全の準備と、いつでも戦える態勢が不可欠だ」レイトキは拳を強く握り、決意を込めて告げる。

「ああ。だから俺たちは両方の道を探す。話し合いの可能性を諦めず、同時に——もしそれが通じなかった時、誰も傷つけさせないための力を、確実に備える。俺たちはただ戦うんじゃない。誰かを守るために、そしてアザミ自身を救うためにも、全力で向き合うんだ」こうして——レイトキ、話し合いを望みつつも、現実的な覚悟を示す! 「救いたい」と「止めなければならない」——その両方を胸に、クロノギアは次の手を探り始める! だが時間は迫っている。アザミの計画は着実に進行中——! 果たして間に合うのか!?レイトキは四人の正規品たちを真っ直ぐに見据え、指示を明確に告げる。


「ツヴァイ、フィーア、ドライ、フュンフ、お前たちはストレンジ関連施設に向かってくれ」


四人は一斉に身構え、即座に応じる。


「了解」ツヴァイは短く答え、紅い瞳を鋭く光らせる。「俺たちは内部の構造や警戒網にも詳しい。施設のリストと重点的に調べるべき箇所を教えてくれれば、速やかに向かう」


「アザミが必要としているコンソール、そしてヒュージノイドの製造ライン——それらの痕跡を中心に探します」フィーアは回復と浄化の力を静かに高め、続ける。「もし先回りしている敵と遭遇しても、私が対処します」


「俺は日本方面の施設を中心に偵察する」ドライは拳を握り、決意を込める。「見つけ次第、即座に連絡する。奪われる前に確保する」


「方舟や聖遺物関連のデータも同時に洗い出そう」フュンフは冷静に補足する。「アザミの目的は単純な復讐じゃない。ストレンジの技術と、それに関わる資源——その両方を狙っている可能性が高い」


レイトキは四人の決意を受け、深く頷く。

「頼んだ。くれぐれも無理はしないでくれ。危険を感じたら即座に撤退し、報告を。俺たちはこちらでアザミの動きを追いつつ、お前たちの連絡を待つ。全てはヒュージゾンビ計画を阻止するため——絶対に、誰も犠牲にするな」

「了解!」四人は一斉に応え、それぞれの方向へと駆け出す。こうして——正規品四体がストレンジ施設への調査任務に出動! コンソールとヒュージノイド製造の証拠を求め、先回りの捜索が開始される! 果たしてアザミよりも先に、核心的な手がかりを掴めるのか——!?レイトキは神妙な面持ちで状況を整理し、はっきりと告げる。


「それと、衆生解放戦線、ヤツラも準備してる。どうやら、サタン因子だけじゃダメみたいだな。儀式に使うにはそれなりの生贄が必要、それまでの間に何人もの生贄を用意しなくてはいけないだろう」


言葉の重さに、その場の空気が一気に張り詰める。


「生贄…!?」星玲奈は蒼銀の瞳を大きく見開き、手を震わせる。「そんな… ただでさえサタンの因子という危険なものを、儀式のために人の命まで利用するなんて… 絶対に許せない!」

「ああ、最悪の事態だ」陸郎は拳を握り締め、厳しい声で続ける。

「サタン因子は単体では制御が難しい。だからこそ、儀式の生贄によってその力を安定させ、増幅させようとしている。つまり、今この瞬間にも、彼らは生贄に相応しい者を探し、狙っているということだ」那奈は悔しさを噛み締める。

「アハトやメーミンがいたってことは、すでに実行部隊が動いてるってことだよね。早く手がかりを掴まないと、犠牲者が増え続ける…!」レイトキは決意を込めて告げる。

「だから急ぐ必要があるんだ。アザミのヒュージゾンビ計画、そして衆生解放戦線の儀式——二つの脅威が同時に進行している。どちらも阻止しなければならない。生贄なんてもの、絶対にさせない。誰も犠牲にしないために、俺たちは全力で動く!」こうして——衆生解放戦線の真の準備が明らかに! サタン因子+多数の生贄による儀式が迫っており、今この時も誰かが狙われている! アザミと衆生解放戦線、二つの脅威が同時に進行! クロノギアの戦いは、更に過酷な局面へ——!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。