↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/84

EPISODE3-16【ひととき】

休日——街並みもいつもより穏やかで、木漏れ日が柔らかく道を照らしている。特に予定も立てず、久しぶりにみんなでゆっくり過ごそうと集まった朝。星玲奈はレイトキの姿を見て、少し首を傾げながらも穏やかな笑みを浮かべ、はっきりと言う。

「レイ、なんか、雰囲気少しばかり変わったね」レイトキは荷物を整えながら一瞬手を止め、少し照れくさそうに笑う。

「えっ、そうかな? 俺、全然変わってないと思うんだけど…」久美子も隣からじっと彼を見つめ、頷くように続ける。

「ううん、確かに違うよ。前はどこかいつも緊張してて、力が内側で騒いでるような落ち着かない空気があったんだけど…今はまるで、全てが自然に収まってるみたい。とても穏やかで、でも奥にしっかりしたものが感じられるの」リジェも腕を組んでにっこりと笑い、柔らかく加える。

「そうだね。私から見てもそうだよ。まるでずっと重たい荷物を背負って歩いてたのを降ろして、それでもっと強い自分の足で立ってるような——そういう感じに見える」レイトキは三人の言葉を聞いて、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じる。手を胸元に軽く置き、自分の内側に目を向ける——もう暴れることも、拒絶することもなく、六つの因子とZXファクターが静かに、だが力強く共に息づいているのが分かる。

「そっか…。俺自身はまだあんまり実感ないんだけど、でも確かに——クレティアさんの所で色々あって、自分の中の力たちとちゃんと話し合って、受け入れることができたんだ。もう戦う必要も、抑え込む必要もない。みんな俺の一部として、一緒にいてくれる」彼は少しだけ遠い目をしてから、再び三人の顔を見上げ、心からの笑顔を浮かべる。

「だからかな、何だかとても軽いんだ。でも頼りになるものが、ちゃんと自分の中にあるって分かるんだ。俺、これまで以上にみんなと一緒に、しっかり歩いていける気がするよ」星玲奈はその笑顔を見て、嬉しそうに目を細める。

「それは何よりだね。力が強くなるのも大事だけど、あなた自身がこうして穏やかに、自分らしくいられることが一番大事なんだから」久美子は柔らかく腕を組み、明るく続ける。

「今日は休日だもん。そんな素敵な変化を見られた記念に、みんなで楽しく過ごそう! 何も考えず、ただゆっくりする時間、久しぶりじゃない?」

「うん、そうだね!」リジェも大きく頷き、瞳を輝かせる。

「たまにはこういう日がないとね。次の旅も試練も待ってるけど、今は今しかない。みんなで思いっきり楽しもう!」レイトキは仲間たちの温かい言葉に包まれ、この『ひととき』が何よりも貴重だと心から感じる。

「うん! そうだね! 今日は俺、全部忘れてみんなと楽しむよ!」こうして変化し、成長したレイトキと——久美子・星玲奈・リジェ、三人の女性仲間との穏やかで幸せな休日が始まった——。リジェはにっこり笑いながら、まっすぐレイトキを見つめ、はっきりと問いかける。

「一つ聞くけどさ、レイトキはワタシたち三人の中なら一番好きなのって誰?」突然の質問に、レイトキはパッと真っ赤になり、体までビクッと跳ねる!

「な、な、何いきなり聞いてるんだよ!? いきなり過ぎるだろ! そ、そんなの…っ!」言葉が詰まって目を泳がせ、慌てて手をバタバタさせる様子はまるで子供みたい。動揺が丸出しで、答えなんてすぐに出てこない。久美子も星玲奈も一瞬驚いて——すぐに二人も耳をそばだて、期待と少しの緊張を込めてレイトキを見つめる。リジェはそんな彼の慌てっぷりを楽しむように、さらに追い打ちをかける。

「あら、答えにくいの? でも気になるんだよね〜。ワタシ? それとも久美子? 星玲奈? 正直に言ってみてよ」レイトキは顔が湯気が出るほど真っ赤になり、もうどうしようもなくて——

「だ、だからそれは…みんな大事だから、比べられないだなんて! 誰一人欠けてもダメなんだ! それに、そ、そんなこと聞かれても困るんだよ!」

声が裏返りながらも精一杯答えようとするけれど、その態度はますます怪しくて——三人の女性はそれぞれに表情を緩め、それでも目を離さず彼の言葉を待っているのだった。星玲奈は少しだけ頬を染め、瞳を柔らかく細めながら、はっきりと懐かしそうに言う。

「そういえば、レイ、ワタシと初めて会ったとき『かわいい』って褒めたりしてたよね。あの時からそう見えてたんだよね?」レイトキは突然の追及に、パッと顔が真っ赤に染まり、目をパチクリさせて慌てふためく!

「えっ!? そ、それは……! いや、そのっ!」まさかこのタイミングで掘り起こされるなんて思ってもみなくて、言葉が完全に詰まってしまう。手をブンブン振りながら視線をキョロキョロさせ、どうしようもなく照れまくっている。隣では久美子が「へぇ〜そうなの?」と意外そうに目を丸くし、リジェはにっこり悪戯っぽく笑ってさらに追い討ちをかける。

「わあ、初対面から褒めてたんだ! それってかなり強い印象だった証拠じゃない? ねえ、レイトキ?」レイトキはもう耳まで真っ赤になり、うつむき加減になりながらも正直に認めるしかなくなって——

「……うん、そ、そうだよ。初めて会ったとき、本当にそう思ったんだ。その……雰囲気も、笑顔も、全部がすごく柔らかくて、まるでお花みたいだなって。だからつい、口に出ちゃったんだ……」星玲奈はその言葉を聞いて、頬をさらに桜色に染めながらも、とても嬉しそうに瞳を輝かせる。

「そう言ってもらえて、すごく嬉しいな。ありがとう、レイ。ワタシ、あなたのそういう素直で優しいところ、ずっと好きだったよ」その一言に、レイトキの胸はドキッと高鳴り——周りの空気が一気に甘く暖かくなり、久美子もリジェも、それぞれに複雑だけど温かい気持ちで二人を見守っているのだった。星玲奈は目を細めてにっこりと笑い、指を頬につけてはっきりと言う。

「レイってかっこかわちい系だよね」

「かっこ…かわちい!?」レイトキは一瞬凍りつき、またもや顔がみるみる真っ赤に染まる。

「かっこかわちいって…それどういうことだよ! 男だぞ俺! かっこいいならまだしも、かわちいって…!」慌てて胸を張ってみせるけれど、その仕草自体がますます愛らしく見えて、周りの三人はくすくす笑いが止まらない。久美子は両手を合わせて同意しながら、瞳をキラキラさせる。

「確かに〜! それ一番的確な表現かも! 強くて頼もしいし真剣なところは本当にかっこいいんだけど、すぐ顔赤くしちゃったり、慌てたり、素直でまっすぐなところがすごくかわいいんだよね」リジェも大きく頷き、にっこり悪戯っぽく笑う。

「全くだ。かっこいい+かわいい=かっこかわちい、ってことでしょ? 星玲奈、いい言葉思いついたわね。レイトキ、まさにその通りだよ」

レイトキは頭を掻きむしりながら、恥ずかしさとくすぐったさでいっぱいになりつつも、どこか嫌な気はしなくて——

「うぅ…みんなしてからかうんだから。でも…そう言ってもらえるのは、悪い気はしない、かな…」照れくさそうに笑うその表情は、まさに“かっこかわちい”の見本のようで、三人はますます笑顔になるのだった。星玲奈はそっと一歩前へ踏み出すと、レイトキの反応を待つこともなく、柔らかく両腕を広げて彼を包み込むように抱きしめる——そして彼の顔を自分の胸にそっと優しく埋めさせる。ふわりと甘く穏やかな香りに包まれ、柔らかな温もりが全身に伝わってくる。レイトキは突然のことに呼吸を忘れ、全身がピクッと固まり、耳まで一気に真っ赤に染まる。

「っ……! 星玲奈…?」声はかすれ、体は動かせないまま、ただその優しい腕の中にいる自分がいる。顔を押しつけている場所の感触、鼓動のリズム、星玲奈が彼を抱きしめる力加減——どれもこれもがあまりにも心地よくて、胸がいっぱいになって、何も言えなくなってしまう。星玲奈は彼の頭をそっと撫でながら、あたたかくて柔らかい声で囁く。

「ありがとう、レイ。かっこよくて、かわいくて、優しくて……ワタシ、あなたのそういう全部が、本当に大好きだよ。これからもずっと、一緒にいようね」レイトキはその言葉を聞いて、心の奥からじんわりと熱いものが込み上げてくるのを感じる。恥ずかしくてたまらないけれど、それ以上に嬉しくて、守られているような、愛されているような気持ちでいっぱいになる。

「……うん、俺もだよ。星玲奈のこと、大好きだ。いつも優しくしてくれて、ありがとう」腕をゆっくりと彼女の背中に回し、精一杯の想いを込めて——そっと抱きしめ返す。久美子とリジェはその様子を見て、少しだけ複雑そうな表情を浮かべつつも、やっぱり温かい笑顔で二人を見守っている。

「はぁ〜、いいなぁ…」久美子はポツリと呟き、リジェも「うん、本当に仲良しだね」と少しだけ照れくさそうに笑う。レイトキは星玲奈の腕の中で、この瞬間が永遠に続けばいいのにと心から願いながら——彼女の温もりをしっかりと感じ、二人の絆を深く感じていた。澄み渡る青空——雲のさらに上、視線の届かない高みから、シエンが穏やかに眼下の光景を見守っていた。風が彼の衣装をそっとなびかせ、その瞳にはレイトキたちの温かなやり取りが鮮やかに映し出されている。低く、だがどこか感慨深い声が空中に静かに響く。

「なるほど、クロノ系譜神が目にかけてるジョースター家の子孫かぁ…、確かに英雄的なところはある。クロノの名をいずれは冠するかもね」彼女は腕を組み、もう一度レイトキの姿をじっくりと見つめ直す——力と向き合い、受け入れ、仲間たちと共に笑い、支え合うその様子に、深い納得と期待の色が浮かぶ。

「ただ強いだけじゃない。自分の弱さも迷いもちゃんと抱えて、それでも前を向こうとする。そういう心根こそが、本当に何かを成す者の資格なのさ」少しだけ口元を緩め、続ける。

「ジョースターの血、クロノの加護、そして自らの選択——全部が重なって、今はまだ曖昧だけど、確かな道が形作られつつある。いずれ『クロノレイトキ』…そう名乗る日が来るのだろうか。見ていて楽しみになってきたな」だが空気は一瞬引き締まり、シエンの瞳は鋭さを増す。

「だがな、それだけじゃ済まされないのが運命というもの。試練はこれからが本番、リュウゼツラン、四凶の真の意味、そして神々の思惑——全部が一つになって動き出す。彼がその名を冠するには、まだまだ越えなきゃならない壁が山ほどあるんだよ」それでも最後には再び柔らかい笑みを浮かべ、穏やかに呟く。

「……だが、あの絆があれば、案外あっさり乗り越えてくるのかもしれないな。その時まで、少しだけ見守っているとしよう」こうして空の高みから、新たな視点でレイトキの成長と未来を見つめる存在がいることを——地上の彼らはまだ知る由もなく、ただ今のひとときを大切に過ごしているのだった。星玲奈の腕の中で、顔が柔らかい胸に押しつけられたまま、レイトキはもだえるように身をよじりながら、かすれた声でようやく訴える。

「あ、あの……星玲奈? そろそろ、息苦しいよ……」顔が真っ赤で、目もうるうる、鼻先までほんのり染まっている。声は恥ずかしさと酸欠でふるふる震えていて、その姿がますます愛らしい。星玲奈はハッと我に返り、慌てて少しだけ腕を緩める——だけど完全に離そうとはしない。

「あら、ごめんごめん! つい、幸せすぎて、ずっとこうしてたくなっちゃったの……」そう言いながらも、まだレイトキの頭をそっと抱えるようにしていて、離れたくない気持ちが丸見え。レイトキはやっと空気を吸い込んで、はぁ〜っと小さく息を吐きながら、まだ顔を上げられずにいる。

「幸せなのは俺もだよ……でも、長すぎると本当に倒れちゃうから」照れくさそうに囁くように言うけれど、腕はちゃんと彼女の背中に回したままで、離れたくない気持ちもちゃんと伝わってくる。星玲奈はそれを聞いて、くすっと笑い、それでも少しだけ腕を緩めて、レイトキの顔が見えるようにする。

「わかった、わかった。でも……まだ少しだけ、こうしててもいい? ほんのちょっとだけ」レイトキは困ったように笑いながら、でもしっかりと頷く。

「……うん、いいよ。俺も、まだ離れたくないから」周りでは久美子とリジェが、そんな二人の様子を見て、にっこりしながらも少しだけ複雑な気持ちで見守っている——。久美子は穏やかに笑いながら、はっきりと感想を述べる。

「ほんと、星玲奈も結構変わったね。前はこんな積極的で大胆なことはしなかったし」せれいなはその言葉を聞いて、頬を染めつつも照れくさそうに笑う。

「そうかな? 自分では全然変わってないつもりなんだけど……レイと一緒にいると、自然と気持ちが素直になれるの。伝えなきゃ、伝えたいって思うようになったの」リジェも頷いてから、ふと思い出したようにはっきりと問いかける。

「そう言えばアルビテトとホワンはどうしてるんだろう?」すぐに続けて、確かな情報を告げる。

「アルビテトはケイオと、ホワンはエイトと住んでるらしいよ。そして、虚空の歯車、修復の歯車、記憶の歯車が出現したらしいね」レイトキは驚いて目を見開き、姿勢を正す。

「えっ! 歯車がまた三つも!? 虚空、修復、記憶……全部聞いたことない名前だけど、どういうものなんだ?」リジェは真剣な表情で説明を加える。

「詳しいことはまだ分からないんだけど、それぞれが時空や記憶、世界の再生に関わる特別な存在らしいわ。クロノ系譜神たちが話してた聖遺物や歯車の一部なのかもしれないね」久美子は心配そうに眉を寄せる。

「出現したってことは、誰かが狙ってる可能性もあるのよね? リュウゼツランやストレンジが関係してるのかな……」レイトキは胸の内で静かに決意を固める。

「とにかく情報を集めなきゃ。アルビテトたちが無事なのは嬉しいけど、新たな歯車が出てきたってことは、事態が確実に動き始めてる証拠だ。俺たちも準備を進めないと」星玲奈は彼の腕をそっと握りしめ、力強く頷く。

「大丈夫、みんなで一緒に探しに行けばいい。どこにあっても、誰が狙っていても、私たちならきっと——」こうして和やかな休日のひとときは、新たな事実と使命の知らせによって、次なる冒険への幕開けへと繋がっていくのだった。一方、とあるストレンジ支部——薄暗い研究施設の奥、鉄の扉の向こうで緊迫した空気が張り詰めていた。

「お前は…崩壊の歯車、なんで…うわーー!」

研究員が絶叫する間もなく、カタストロフの放つ一撃が彼を跡形もなく一瞬にして消し去る。空間さえひび割れるような衝撃が走り、続いて彼は鉄格子の檻へと向かい、一振りで枠ごと砕き開く。

「えっと、きみは!?」檻の中から現れたのは、紫がかった髪に黒を基調としたゴシック&ロリータ風の衣装をまとめた、清楚でありながらどこか孤高な雰囲気を湛えた女の子。突然の解放に瞳を見開き、戸惑いながら眼前の人物を見つめる。カタストロフは表情を崩さず、だが真っ直ぐな意志を込めて告げる。

「やっぱり歯車だったか。俺はお前を助けるために来た、カタストロフだ」少女は少しだけ警戒を解き、はっきりと自らの名と役割を名乗る。

「ワタシはリペア。修復の歯車」その瞬間、彼女の周囲には穏やかでありながら清らかな光が浮かび——破壊と修復、相反するように見える二つの存在が、ここで初めて共に立った。カタストロフは頷き、状況を把握しつつ続ける。

「修復…それがお前の力なのか。ストレンジはお前を何のために閉じ込めてた?」リペアは周囲の壊れた設備や傷ついた空間を、無意識のうちに少しずつ修復しながら答える。

「力を奪ったり、無理に使役しようとしてた。歯車の力を他の施設や実験に転用するために…」

「なるほど」カタストロフは手短に状況を判断し、出口へと視線を向ける。「話は後だ。このままここにいても再び捕まるだけ。外に出よう——他の歯車や、レイトキたちともいずれ会うことになるだろう」リペアは彼の決意を感じ取り、ゆっくりと頷く。

「わかった。カタストロフ…あなたが崩壊の歯車なのね。破壊の力と聞いて少し怖かったけど…」彼女は柔らかく微笑みを浮かべる。

「でも、助けに来てくれた。ありがとう」こうして崩壊の歯車カタストロフと修復の歯車リペア——対となるような二つの歯車が出会い、共に施設を後にする。新たな歯車たちの動き始めが、静かに始まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。