EPISODE6-9【集結と演技など】
グラナディアの地に、ついに仲間たちが辿り着いた。空にはサグラダ・ファミリアの荘厳な姿が聳え、遠くからでもはっきりとその輪郭が見える。一同は地図を確かめ合い、決意を新たに顔を上げる。陸郎の声が力強く響く——。
「目的地はサグラダ・ファミリア! みんな、行くぞ!」
「おう!」「任せてください!」「レイトを迎えに行く!」それぞれが声を上げ、一斉に進路を定める。
レゾルは周辺の警戒ルートを指し示し、ジャンヌは秩序の光を静かに宿らせて援護態勢を整える。アルカとゼロは偵察の気配を研ぎ澄ませ、メーミンは義眼で建物全体の構造と防衛網を読み取る。カグラ、デューク、斗愛、与太郎——そしてツヴァイ、ドライ、フィーア、フュンフら、全員が一つの想いを胸に歩き出す。
「レイトが内部で頑張ってくれている」レゾルが低く告げる。
「我々は外から確実に道を開く。力を合わせるんだ」「星玲奈さんも、きっと待っている」ジャンヌが瞳を輝かせる。
「二人を無事に迎え入れるために——」街の景色が緊張に包まれる中、一行はサグラダ・ファミリアへと真っ直ぐに進んでいく。内側ではクロノレイト、外側からは仲間たち——二つの道が一つになる時が近づいている。こうして——ついに全員集結! 一つの目標に向かって! 物語、最終決戦の幕が開ける——!聖堂の裏手で待機していたウプアトの姿を認め、クロノレイトは声をかける。
「早い到着だな、ウプアト。行くぞ!」ウプアトは鼻先で笑うように応じる。
「俺を連れて行くなんて、フン、いいだろう。お前の調子に乗ってやるよ! 迎撃するんだろう!?」クロノレイトは頷き、歩みを進める。
「そうだな。行くぞ」胸元のキャッツアイ・ブローチが光る——今回の「迎撃」の真の目的は、外から迫る仲間たちと合流し、ウプアトを味方に引き入れること。表向きは防衛任務、だが心の中では一歩一歩が勝利への布石だ。ウプアトは不機嫌そうだが、ついてくる。その強大な力がどちらの側に傾くか——今回の行動の鍵を握る。
「俺が先に出る。お前はその後ろから援護しろ」
「ふん、命令される筋合いはないが……まあいい、ついてってやる」こうして——ウプアトを伴い出動! 表は迎撃、裏は合流! 物語、大きな分岐点——!グラナディアの中心部——緊張が張り詰める通りの先に、仲間たちの姿が見える。
そして彼らの前に、ついにクロノレイトとウプアトが現れた。
「レイト!」
「無事だったのか!」
仲間たちが一斉に駆け出そうとする——だが、クロノレイトの背後に佇むウプアトの気配に、一瞬足を止める。
巨大な力をまとい、威圧的な雰囲気を漂わせるウプアト。その存在だけで周囲の空気が重く沈む。
クロノレイトは手で合図を送り、仲間たちに「構え」と伝える。
「来たか……」レゾルが低く囁く。「あれがウプアトか。噂以上の気配だ」ジャンヌは秩序の光を静かに身に纏い、警戒を怠らない。
「敵対すれば甚大な被害が出る。だけど——レイトが連れてきたということは、可能性があるってことね」クロノレイトは一歩前に出る。ウプアトはその横に立ち、不機嫌そうに眉を寄せながらも、即座に攻撃する様子はない。
「さあ、どうする」ウプアトが低い声で問う。
「お前の仲間だろう。話をつけろ」
こうして——ついに対面! ウプアトの真意は!? 物語、最大の決断の時——!周囲の緊張が頂点に達した瞬間——クロノレイトは言葉を発することなく、手にしたメロダックを一閃させる。
ザッ……!
鋭い斬撃波が真空を切り裂き、一直線に仲間たちの目前へと飛んでいく。
「っ!?」
「レイト! 何を!?」驚きが走る中、斬撃は彼らのすぐ手前で地面に着弾——意図的に外されていた。砂埃が舞い上がり、周囲に緊張が充満する。だがその瞳の奥には、敵意など微塵もない。これは——ウプアトに見せつけるための演技。「自分はもう共存派の敵である」という姿を貫くための、痛ましい一撃。ウプアトは腕を組み、その様子を眺めている。
「ふむ……本気で斬り捨てるつもりか。なかなかやるではないか」クロノレイトは刀身を構えたまま、微動ともせず次の構えを取る。心の中は張り裂けそうでも——今はこの仮面を被り続けなければならない。こうして——無言の一撃! 演じる痛み! 物語、真実を隠して進む——。緊迫の中、クロノレイトは躊躇なく踏み込み——那奈、続いて陸郎の腹へと拳を繰り出す。
ズンッ!
二人は息を詰まらせ、体を折り、その場にしゃがみ込む。痛みに肩を震わせながらも、声を上げることはない。
「レイト……!」那奈は拳を胸に押さえ、瞳に戸惑いを浮かべる。だがその視線は、彼の本心を探そうと真っ直ぐに向けられている。陸郎も歯を食いしばりながら、かすかに頷くように応える。
「……わかってる。これが、今のお前のやり方なんだな」クロノレイトの拳は震えていた。本当は決して傷つけたくない二人——信頼する仲間たち——に手を上げることが、どれほど胸を抉る思いか。それでも彼は表情を崩さず、冷たい視線を向け続ける。ウプアトが後ろから眺め、低く笑う。
「ほう、手加減なしか。見込みがある」クロノレイトは拳を握り直し、心の中で謝罪を繰り返す。
「すまない……必ず、全部終わらせるから」こうして——仲間に届ける演技の痛み! それぞれの想いが通じ合う証! 物語、耐え抜く絆——!緊迫の瞬間——斗愛が一気に踏み込み、刀を抜いてウプアトに真っ向から斬りかかる!
「今だ! 仕留める!」だがその寸前——クロノレイトが素早く足を伸ばし、刀の面を力強く蹴り飛ばす。
カチャンッ!
鋭い音と共に刀の軌道が逸れ、刃は空を切る。斗愛は勢い余ってよろめき、視線をクロノレイトに向ける。
「なぜ!? レイト、邪魔するな!」
クロノレイトは刀を弾いた足をそのまま構えに移し、冷たく応じる。
「手を出すな。アイツは俺の相手だ」表面上は敵対する態度——だが斗愛には分かっている。刃を弾いたのは、ウプアトを怒らせて事態を最悪にしないため。そして何より——斗愛自身を守るために。ウプアトは微動だにせず、その様子を眺めている。
「ふむ……邪魔をするか。なかなか面白い」クロノレイトは斗愛を睨みつけるように見据えながら、心の中で呟く。
「すまない……今は耐えてくれ。この男を敵に回したら、全員が危険になる」斗愛は唇を噛み締め、一度刀を収める。その瞳には「分かっている」という想いが込められていた。こうして——弾かれた一撃! 守るための妨害! 物語、表と裏の攻防が続く——!与太郎が拳を地面に叩きつけると——ドカン! 白濁の煙が一気に噴き上がり、辺りを厚く包み込む。
「離脱するぞ! 今のうちだ!」
斗愛たちは合図に従い、煙に紛れて素早くその場を去る。
視界が閉ざされる中、ウプアトが鼻で笑うように呟く。
「煙幕か、ちょこざいな真似を」
クロノレイトは煙の向こう側を見据え、刀を構えたまま応じる。
「逃がしはしない。追うぞ」
だが足元は急がない——煙が晴れる頃には、仲間たちは安全な距離まで退いているはずだ。彼らが無事に離れるのを待つように、わざとらしくゆっくりと煙の中へ踏み出す。
「ふん、逃げ足は速い」ウプアトは不満げだが、特に追おうともしない。「まあいい。次に会った時、相手にしてやればいい」クロノレイトは胸を撫で下ろす思いを抑え、冷たい声で告げる。
「そうだ。次はこちらが逃がさない」こうして——煙に紛れて無事離脱! 時間を稼ぐ演技! 物語、次なる手に備えて——!サグラダ・ファミリアに戻った二人を、ドネイターが出迎える。
「素晴らしいわ、予想以上にやってくれるわね」
満足げな笑みを浮かべるドネイターに対し、クロノレイトは一歩踏み出し、真っ直ぐに言い放つ。
「勘違いするな! なにも俺が仲間になったのは、駒としてじゃないからな!」
声は強く、鋭く響く。
「俺は自らの意思でここにいる。誰かに操られるつもりも、使い捨てにされるつもりもない」
「ほう……」ドネイターは眉を上げる。「気骨があるわね。だがここにいる以上、それぞれの役割がある。それを忘れないで」
「役割は自らが選ぶ。与えられるものではない」クロノレイトは譲らない。
「俺は俺の道を行く。それだけだ」
ウプアトが後ろで腕を組み、その様子を見ている。
「なかなか面白い。使い捨てにされる前に、自分の価値を示してみろ」
クロノレイトは胸のブローチを握りしめ、心の中で誓う——駒になるために入ったんじゃない。真実を変えるために、ここにいるんだ。こうして——駒じゃない! 自らの意思を貫く! 物語、内部から革命を起こす時——!人目の届かない静かな一室——。クロノレイトは扉に鍵をかけ、窓の外の気配を確かめてから携帯端末を取り出す。指先で素早く画面を打ち、短く送信する。
『合流地点は北東部の観光街にて』
画面が暗転するのを見届けると、端末を胸元にしまい込む。
「これで次の手が打てる……」声は低く、決意に満ちている。外の仲間たち、そして内部で共に動く星玲奈——それぞれの動きが一つに繋がる瞬間が近づいている。
「待ってろ。必ず全員で笑い合える未来を」再び扉を開け、任務の続きへと歩み出す。こうして——次なる拠点を示す! 内外の絆が一つになる! 物語、決戦への道が開かれる——!煙幕に紛れて安全な場所まで退いた一行——陸郎は改めて状況を整理するように口を開く。
「やはりさっきのは本気の芝居だったか」那奈も頷き、先ほどの一撃を思い返す。
「腹への一撃も、斗愛ちゃんの刀を弾いたのも……全部、演技だったのね」陸郎は続ける。
「相手のところにより深く懐に潜り込む作戦か。そう言えば直撃を殆どさせてないからな」
「確かに」与太郎が手元の地図を指しながら応じる。
「本気で倒そうとしていたら、俺たちだけじゃなく、あの斬撃波ももっと致命的な軌道だったはずだ」斗愛も刀の柄を握りしめ、瞳を緩める。
「……弾かれた時、ちゃんと軌道を逸らしてくれた。ボクが斬りかかった先がウプアトだったから、事態が一気に崩れるのを防いでくれたんだ」レゾルが総括するように告げる。
「つまり——痛みを伴う演技は、彼自身が一番苦しんでいる。だからこそ我々は、彼の想いに応える動きをしなければならない」
「北東部の観光街が合流地点……だな」アルカが端末の画面を見つめ、力強く頷く。
「そこで次の手を打つ。レイトが戻ってきた時、安心して合流できるように——」こうして——作戦を理解して! 仲間同士の絆が深まる時! 物語、合流地点へ向けて準備を整える——!




