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ローズマリン 入街パニック!
森を抜けた先に現れたのは、中立都市ローズマリンの巨大な白亜の正門だった。
門の前には、筋骨隆々の獣人と、鋭い眼光を放つ竜人の二人が、門番として厳重な監視の目を光らせている。
「次! そこのちびっこ二人、水晶玉に手をかざせ」(……変装は完璧だけど、魔力だけは誤魔化せない!)緊張で手が震える。琥珀くんが「俺が先だ」と、小さな手で水晶玉に触れた。
その瞬間、辺りは真昼のような「金色」の輝きに包まれた。
「なっ……魔力量二万超えだと!? このガキ、『帝』ランクか!?」
獣人の門番が、持っていた槍を落とさんばかりに驚愕する。
次は私の番。おそるおそる指先を触れさせると、今度は水晶玉が「半透明」に透き通り、内部で虹色の光が暴走し始めた。
パキパキと音を立てて、台座に亀裂が入っていく。「ば、馬鹿な! 計測不能……!? おい、おい見ろ! 全属性どころか、純度が高すぎて無属性の極致に達してやがるぞ!!」
門の周りは、あっという間に野次馬で埋め尽くされた。
「伝説のマレビトか?」「この幼さで王宮魔導師以上だぞ!」
事態を重く見た門番たちは、慌てて私たちを一般の列から引き剥がし、重厚な石造りの別室へと連行した。




