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死に戻り魔王の「強くてニューゲーム」 ~未来の知識と圧倒的戦力で、人類ごと世界を救います~  作者: Chris Tartan


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第92話:その魔王は諸刃の機神に金剛の乗り手を見出す。~肉体を代償とする鋼の力~

【前回までのあらすじ】

 深海一万メートルの水圧問題に対し、「ディネルースと水竜の力で海を割る」という神話級の奇策を見出したマクマリスたち。


 次なる視察先である王立研究所では、もう一つの決戦兵器がお披露目される。ヘギルの大雑把な設計を、ララノアの完璧な数式が補強して完成した強化外骨格『ギガント・ギア』だ!


 魔力カートリッジによる駆動と疑似神経接続を備え、「生身で水晶の化け物を殴り倒す」というロマンと実用性を兼ね備えたパワードスーツが、ついに全貌を現した!

「続いては固定武装についてだ。俺から説明するぜ」

 ヘギルが嬉々としてギガント・ギアの隣に立ち、右腕の巨大な機構を指差した。

「まずは右腕を見てくれ。これは、火薬と魔力爆発の力で、巨大な鉄杭を超音速で打ち込む近接破砕兵器。名付けて『パイルバンカー・ガントレット』だ」


「貴方って、本当に命名するのが好きよね」

 ララノアがクスクスと笑う。


「なんつーか、作っててテンションが上がるんだよな。名前は大事だぜ?」

「男って単純ね」


「それは認める。とにかくだ、こいつは機械生命体の硬い水晶装甲を『点』で貫き、内部回路ごとブチ壊しちまうわけよ」


「素晴らしい威力だ。説明を続けてくれ」

 マクマリスが促す。


「よし、次は左腕についたこの分厚い盾。これは『高周波振動シールド』だ」


「高周波振動剣を応用したものかしら?」

 ララノアが推測する。


「その通り。微細な振動を繰り返す盾は、敵の物理攻撃や水流カッターを受け流すだけじゃない。盾の(エッジ)を敵に押し付けることで、対象を切断する『盾ノコギリ』としても使用可能だ」


「攻防一体の盾か……。乱戦では重宝するな」

 マクマリスが感心する。


「最後は、両肩部に搭載した『魔導ミサイルポッド』だ。小型の誘導魔弾をばら撒くことで、空を飛ぶ敵への牽制用として使える。……固定武装は以上だ」


 マクマリスは、圧倒的な存在感を放つ鎧を改めて見上げた。

「よくもまあ、これほどのものを短時間でここまで形にしてくれた。……もう実戦で動かせるのか?」


「動かせはするが……こいつもちょっと問題があってな」

 ヘギルが急にトーンを落とし、葉巻を揉み消した。


「またか。今度はなんだ?」

「あまりに強力すぎるんだよ。装着者への負担が凄まじくてな。現状では、運用上のリスクが高すぎる」


「具体的には、どのようなリスクがある?」

 マクマリスの瞳が鋭くなる。


「まずは『魔力酔い(マナ・ドランク)』だな」

 ヘギルが深刻な顔で言う。

「外部から大量の魔力を取り込み、鎧の中で強制循環させるせいで、装着者は高熱と激しい吐き気に襲われ、最悪の場合は意識が飛びかねない」


「だとすると、後遺症が残るような魔力中毒になる可能性もあるわね」

 ララノアが補足する。


「だな。……あとは『筋繊維(きんせんい)の断裂』のリスクだ。鎧の桁違いの出力に、中の生身の肉体が追いつかず、振り回されて……装着者が鎧の中でミンチになりかねない」


「……つまり、元から桁外れに丈夫な身体を持ち、かつ魔力に明るい者でないと、この鎧の運用は難しいということか……」

 マクマリスが腕を組んで思案する。


「理論上はそうなる」

 ヘギルが深く頷いた。


「これからララノアにデータを見てもらって、設計におかしなところがあれば直せばいいんだが……設計に問題がない場合は、この肉体的なリスクとどう向き合うかって話になる」


(なるほど。帝国の四天王、特にあのウルスヌスのような『金剛体』を持つ異常な肉体強度の持ち主ならば、このリスクに耐えうるかもしれないな……)


 マクマリスの脳内に、早くも最適な配役が浮かび上がっていた。

「状況は分かった。細かな調整は必要だろうが、とにかく我々の希望を形にしてくれたことについては、心から礼を言う」


「いいってことよ」

 ヘギルがニカッと笑う。


 マクマリスはララノアに向き直った。

「ララノア。ヘギルからデータを受け取ったら、アレフの墓地で死体漁りをしているアルフィリオンを回収して、すぐに水の都に向かうぞ」


「分かりました。アルフィリオンには私から通信機で連絡をとります」


「俺はどうしたらいい? 潜水艇を泡なしで動かすステルスの件、俺からディネルースの女王様に説明した方がいいか?」

 ヘギルが尋ねる。


「いや、それも私から話そう。ヘギルには、ここに残ってやってもらいたいことがある」


「今度はどんな無茶振りだ?」

 ヘギルが身構える。


 マクマリスは、冷たい光を宿した瞳でドワーフを見据えた。

「敵の母船に潜入できたとして……都市ほどもある巨大な船の『動力炉』を、一発で完全に破壊できるような『極大の爆弾』を作れないか?」


 ヘギルは一瞬面食らったような顔をしたが、すぐに職人としての血を騒がせ、凶悪な笑みを浮かべた。

「なるほどな……。雷の魔石の純度を極限まで高めて連鎖爆発させれば、いけるかもしれない。……考えてみよう」


「いつも苦労をかけてすまないが、よろしく頼む。……頼りにしているぞ、ヘギル」


「おう! 天才ヘギル様に任せとけ!」

 ドワーフの力強い声が、研究所の部屋に頼もしく響き渡った。

【次回の予告】

「ボロ船に乗れば、貴様はもっと美しくなる」!? 魔王の赤面必至な口説き文句と、氷の女王の逆鱗!」


 潜水艇の無音航行ステルスのため、水の都で連邦議長ディネルースへの説得を試みるマクマリス。しかし「むさ苦しいボロ船には乗らない」とあえなく突っぱねられてしまう。


 そこで魔王が放ったのは、「無骨な空間こそが女の美しさを引き立てる。あの潜水艇で一段と輝く貴様に、私を見惚れさせてくれないか」という、まさかのストレートな殺し文句だった!


 突然話を振られて茹でダコのように赤面する秘書官ララノアの絶妙なアシストもあり、見事に氷の女王を言いくるめることに成功する。


 しかし、本題である「水竜レヴィアタンと海を割ってほしい」というマクマリスの要求に、室内の空気は一変。誰にも明かしていないはずの最奥の秘密を突かれ、ディネルースの瞳に冷酷な殺気が宿る――!


 魔王の殺し文句と、水竜の秘密。

 第93話は、明日の21時40分更新です!


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