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しかし、今更相性なんかで負けてしまうような紅では無い。
相手の抵抗力を上回るような炎で焼き尽くせばいいだけだ。
青スケが相手の足止めをしつつ、戦況が有利になるように尽力してくれている。
「さすがね、青スケ。そのまま頼むわ。」
「了解しました。アヤさん。」
そして、準備が整ったと言わんばかりの紅がウィンクをしてきた。普通に考えたら、そんなことをする男は好みでは無いのだが、紅がやると似合ってしまう。
そして紅も、冗談の含みも込めた上でウィンクをしてきているだけなので、特に重みのある行動というわけでも無い。
そんなことは会話などせずとも充分に分かっているのだが、、、。これが恋の力だろうか。
紅が何をしてもカッコよく見えるし、何をしても可愛く見える。
戦闘中だというのにそんな呑気なことを考えてしまった。
気付いたときには階層主のザ・ジンベイは跡形も無く燃やし尽くされていた。
ドロップ品なども回収し、特に今すぐ使える物でもなかったのでアイテムボックスに収納しておいた。
区切りもいいので、今日はここで寝ることになりそうだ。
それにしても大きなダンジョンだ。さすがは日本最大のダンジョンだなぁ、と改めて思った。
これからのことに思いを馳せると、自然とワクワクしてきた。
ダンジョン運営というのを、一度やってみたかったのだ。
どういう地形にしようか。
どこにどの魔物を配置しようか。
罠はどこに仕掛けようか。
実際に自分たちが生活する場所は何階層が適しているか。
考えただけでも期待に胸が膨らむ。
紅やほかの仲間と一緒に、ダンジョン制覇したあとのダンジョン運営方針について、深く楽しく話し合いながら、紅の肩にもたれかかるようにして私は寝落ちした。
わたしが寝静まったのをみて、お姫様抱っこで寝やすい場所まで運んでくれた人がいた。そしてそっと毛布をかけてくれたその人物に私は気付いていたが、眠っているフリをしながら、少しだけ強くその人物を抱きしめた。
ありがとう、紅。




