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紅と名付けられた。
最初は、ちょっと他とは違う、いい感じの人間。それくらいの感想だった。
いくつもいくつも世界を見てきた。いろんな経験もしてきた。
最初は楽しかったさ、頑張り屋で優秀だった自覚もある。
でも、期待は裏切られた。親友じゃないんかい。期待しちゃいかんのかい。
それでも、諦めはしなかった。今回は例外だろう。もっと自分にあった友だちは他にもいるはず。
でもそんなことは無かった。他人は自分を見てくれないし、自分の期待は他人に裏切られる。
徹底的に合わない。でもいつか気付いた。空気を読んで、軽いノリ、軽い発言をする。それぞれみんな、譲れないプライドがあって、まずはなにが地雷なのかを見抜く。
そこさえ踏まなければなんとでもなる。褒めて欲しいところ、かけて欲しい言葉、観察すればするほど、そういうのがすぐにわかるようになった。
相手が、どんな理想を持っているのかも、手に取るようにわかる。だから合わせる、完璧に。めんどくさいならばそんなことをしなければいい、誰もが分かること。でもそれをしてしまう。これは本能であり、逆らえない何か、呪いなのだ。
気付けば勝手に、その場に必要なキャラとなった自分がそこにいる。
まさにモテモテだよ。同性の友達も大量。女の子たちも寄ってくる。
そりゃあそうだ、一緒にいたら気分良くなれる。麻薬みたいな存在、それが俺。
笑顔に囲まれながら、でもひとりぼっちだといつも理解している。だれも、本当の奥深くまでは見てくれない。表面だけで満足するって本当にすごいわ、おれには無理。
全てがだるくなった俺は、呪いに逆らう方法
を思いついた。最初から変なキャラにするんだ。
そこまで狂っているわけでもない。でもあんまり仲良くしたくはない。そこそこの関係でいい。ちょっと残念なやつ。でも使える時はまあまあ使える。
そんな舐められた存在、めんどくさい存在。
このキャラは楽だった。でも、地獄でもあった。実は寂しがり屋、という属性も、俺は持っているんだ。このキャラになってから、俺は孤独になった。
これだけ他人のことを見下して、微塵も信じてないし、期待もしてないならさ、ずっと一人でいればいい話。
でもそれをせず、完璧に演じていた理由なんてひとつでしょ、寂しいんだよ。




