49
あ、そういえば今まで、食事やシャワー、睡眠などについて触れなさすぎた。多分私が興味のあることばかり語っていたせいだろう。
女子なんだから、そこらへん重要でしょって?はいはい、偏見乙。
私にとってはそれはプラスアルファの要素にすぎない。まあ、アイテムボックスのおかげで、いつでもお湯と浴槽くらい準備出来るし、実際に毎日清潔に過ごしていた。
感謝すべきことなのだろう。でも、私にとって重要なのはそこではない。もし他人の目を気にしなくてもいいのなら、三日間お風呂に入らなくても私は全然いい。
そんな女の子だ。まあほぼ誰も分かってくれないわけだけど。
紅だけは分かってくれるからいっか。
【人化】は、ほぼデメリットのない魔法だ。かといって、具体的にメリットを上げろと言われても難しいところではある。
もちろん私にとっては最高の魔法だけど、【人化】している状態の紅は、本来の力の半分くらいしか出せないし、人間と同じなので、ある程度のダメージを受けると死んでしまう。
しかし、死んだところで【人化】が解けるだけであり、力が余っていれば、またいつでも【人化】を使用可能。
デメリットもないけれど、普通の人からしたら、わざわざ精霊を人間にする必要もないので特別強いというわけでもない魔法。
これを優先的に取得させたのは、本当に私のワガママだ。みんなごめん!
でも私はいま本当に幸せ。
このまま紅といろいろしたい、ところだけど、さすがに女心というべきか、お風呂に入ることにする。
アイテムボックスから浴槽とお湯、シャンプー、リンス、ボディソープなどを取り出す。
「あ、紅、一緒に入ろうか?」
私は七割くらい本気で聞く。
紅「いいよ。アヤがいいなら。」
一緒にお風呂に入るなんて普通じゃない、と言われるのかな。お風呂くらい普通でしょ、という人もいるかもしれない。
まあ、どっちでもいい。
私と紅の関係はもっと先にある。身体の関係でさえ、私と紅にとってはただのプラスアルファ。
重要な点は、思想にある。考え方、性格、キャラクター。
共感してもらえること、理解してもらえること、それが何よりも幸福であり、重要なこと。
それでも、私たちの本質の1つは、寂しがり屋。だから、一緒にいたい、温もりを感じたい。たとえプラスアルファの要素でも、紅と一緒ならばそれは最高次元の幸せに変わる。




