24
それから、私たち三人は具体的な計画について話した。
例の化け物の周りには、最強の部下が一人、常に付いている。そして三人の親衛隊。そのそれぞれが指揮をとっている騎士隊。
そしてそれら以外のオークたち。
まず少なくとも、一対一の状況を作らなければ勝てない。
故に、周りの取り巻きをなんとか引き離す必要がある。
しかしその手段はすでに考えてある。
松本「ほかの魔物に襲わせる!?そんなことが可能なのか?」
「えぇ。ゾンビやスケルトンたちを大量に引き連れてくるのよ。ただでさえ知能の低いオークたちは混乱するわ。その混乱に乗じて、私が何発か魔法のスキルを放つわ。状況はさらにカオスになる。」
笠松「ふむふむ。そこまではなんとかなるだろうな。」
「ええ。それでおそらく親衛隊が駆けつけるでしょう。本来なら親衛隊は動くべきでは無いのだろうけど、相手は完全に油断してるわ。自分たちが最強だと思ってる。だからこそ、平気で持ち場を離れる。」
松本「ふむ、たしかにそもそもそんな序列があるのに、あの化け物ご本人様がわざわざ狩りに出てたしな。油断しているのは本当だろう。で、最後の最強の部下はどうするんだ?」
「それは、もう暗殺するしかないわね。遠くから【観察】していたけれど、私からしたらむしろあの部下の方が手強いわ。そいつは、頭がいいのよ。下手な撹乱とかは通用しないわ。だからもう、暗殺するしかない。松本さん、あなたの出番よ。」
松本「重大な役目だなぁ。だが、大体は理解した。明日一度、シュミレーションを行おう。」
「それがいいわね。」
そして2日後、市内をゆっくりと歩き回って引き連れてきたゴブリンやスケルトンたちを、そのままオークたちの住処へ誘導する。
現在は早朝だ。オークたちはまだ眠っている。見張りの役割のオークもいたが、まぬけなことに、普通に眠っていた。おそらく、頭のいい例の部下にローテーションで回すように指示されていたものの、並のオークたちにはうまく伝わらなかった。見張りの意味を理解出来なかったのだろう。もちろん、油断しているというのもあるだろうが。
最強の部下も、いろいろと大変だなぁ。
あの、ずば抜けて賢い部下に同情した。
さてと、作戦を開始しよう。
大量のゴブリンやスケルトンが、オークたちの住処に流れ込んだ。
やっと騒ぎに気付いてオークたちが活動を始める。ゴブリンが暴れ、スケルトンは手持ちの武器を振り回す。
まさに、カオスという表現がふさわしい。そこで私は少し上の建物から、魔法を放つ。ファイヤーボール五連発である。
もともと火が苦手なオークたちは怯え、恐慌状態になった。暴れて味方に突進するオークもいる。
その隙に、松本と笠松は例の倒すべき相手の元へと近寄って行った。そして、オークの気配がすると、さっと隠れた。
なにやら一回り大きくて強そうなオークが、会話のようなものをしながら騒ぎの元へと向かうようだった。その数三匹。間違いない、アヤさんの言っていた三体の親衛隊だ。




