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頭がいいの定義は、〔人間力〕がある、かなぁ。勉強だけ出来てもね、とくに魅力は感じない。
さて、それは置いといて、あのジェイルとやらをどうするか。この市はスルーして他の市へ移るか。それとも経験値を集めて紅と青スケを強化してから倒しに来るか。
そういえば、さっき気になる二人組がいたわね。【観察】(レベル6)で見たけど、結構強かったしスキルもいろいろ持ってた。あと、ボーナスのスキルも得ているわね、あれは。つまり私と同じ、攻略組。
【ガードナー】と【アサシン】か。
いい組み合わせね。あの二人と協力すれば、なんとかジェイルも倒せるかもしれない。
だが、そういうことはしない。
パーティーを組むということは、ジェイルを倒してももらえる経験値は三分の1だけになってしまう。あと1番は、信用出来ないってこと。
人間不信だからねー。
そんなことを考えていると、さっきまでずっと座り込んで喚いていたジェイルが、ついに歩き出した。向かう先は、、、。例の二人組のところ。
なるほど、自ら倒しに行くのね。
【言語理解】のおかげで、ジェイルの言葉がうっすらと分かるのだ。うっすらとしか分からない理由は、おそらくジェイルの知能がそこまで高くないからだろう。
まあ、あの強さでしかも頭も良かったりしたら、正直いって、逃げるしかない。そこは助かった。
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松本「おい、笠松!!!!!みろよ、あれ!」
笠松「ん?、、、。ん!?!?なんだあいつは、、、。」
松本「ちょっとヤバすぎないか?」
笠松「ああ、あいつには勝てない。せっかくこの世界になって、俺たちは勝ち組になったんだ。ここで無理をするのは馬鹿げてる。」
松本「ああ。その通りだ。逃げるぞ。」
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へぇ、あの二人、結構賢いのね。すこし信用出来るかも。
「どう思う?」
紅「まあ、そこらのやつよりは賢いな。」
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松本「お、ラッキー。逃げた先に、害悪集団がいるぜ。」
笠松「こりゃいいな。まあでも、おれらもワルよのぉ。」
松本「いや、俺たちは正しいだろ。むしろこんな世界になったあとでも変なこと言ってる奴の方がヤバいだろ。」
笠松「ま、そうだな。環境に適応出来ない生物は淘汰される。自然界の常識だ。」
松本「でも、俺たちは鬼じゃねぇ。ひとこと警告だけはしてやるさ。」
笠松「だな。」
ざっと見ただけで60人はいるだろう集団。
この市を取り仕切っている、いや、取り仕切ろうとしている集団の一部である。
松本と笠松も、半ば強制的にその中に入れられていた。しかしいちいち報告だの、レベル記入だの、困っている人は絶対に助けて連れて来いだの、うるさかった。
なにか計画性があればいいのだが、とくにプランもなく、食料も足りていない。それなのに感情だけで物事を判断する人たちだったのだ。
半ば喧嘩になりながら、松本と笠松はそこから抜け出した。抜け出して本当に正解だった。無能な支配者の下にいたら全滅するのは目に見えている。
まあ、かといってそこまで恨みがあるわけでも無い。だから警告だけはしてやるのだ。本当なら何も言わずに囮として使うことも出来るのに。




