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より強くなった紅と青スケを連れて、市役所へと進む。
市役所に着いた。中から騒がしい音が聞こえてくる。
どうやらすでに、戦闘は始まっているようだ。モンスターはまたしても、ゴブリンたちと、ハイ・ゴブリン。死傷者も少なからず出ている。
まずは【観察】しておこう。
このハイ・ゴブリン。大学に現れたやつよりは弱いかな。でも、市役所の人たち全員レベル1じゃん。
ジョブさえ選択してない人とか、、、。まあ、いるだろうね。この世界にすぐに順応出来る人の方が珍しいだろう。
耳を澄ましてみると。
「おい、俺は課長だぞ?早くお前が前衛に出ろ!おいそこ!指示した通りに突撃だ!お前!なんで支援をしてない?武器はまだか!取りに行った連中、遅すぎる!」
あー、このタイプの人ね。上下関係がなによりも大事で、それがプライドで生きてる人。
正直、苦手。
それで有能ならまだいいんだけど。さっきから聞いていてれば、具体性のない指示、次に繋がらない命令、怒鳴り散らしているだけだった。相手をちゃんと見て、勝ち目を見つけて挑んでいるのだろうか?それとも何も考えていない?
おそらく後者なんだろうなー。
ここのグループの人とは、まあ無理して仲良くならなくてもいっか。中にはいい人もいるんだろうけど、ちょっとこの状況じゃねぇ。
というわけで、
「紅、今度は一撃でよろしく!」
紅「待ってたぜ。進化したお陰で、いままで使えなかった魔法がついに解放されたんだ。ファイヤーウォール。」
それはまさに、なんの前触れもなく起きた。ハイ・ゴブリンの周りを包み込むような巨大な炎の壁。そしてその壁は、じわじわとハイ・ゴブリンのいる中央へと集結していき、しばらくして、パッと消えた。そこには粉々の骨だけが残っていた。
あたりは静まりかえった。
ちなみに紅も調子に乗りすぎて体力を一気に消費したので、静まりかえった。
青スケは、興味深い、と一言言って静まりかえった。
私はそっとその場を離れて、自転車で走り去った。




