10
そういえば近くに大学があったような。
そこに行けば人もいそうだ。
まずはそこへ向かおう。
スライムやゴブリンや、スケルトンなどを蹴散らしながら歩いていると、大学が見えてきた。
門のところには、大学生と思われる男が座っていて、門は完全に閉ざされていた。
男「すまない、もうここは手一杯だ。食料も足りない。他を当たってくれ。」
「大勢の方がいらっしゃるんですか?」
男「ああ、最初は避難してきた人たちを受け入れていたんだが、馬鹿だったよ。これでは食料がすぐに尽きる。そして最悪の場合は仲間同士で、、、。とにかく、これ以上は無理なんだ。本当にすまない。」
みるからにいい人そうなその大学生は、何度も謝ってきた。たしかにこれだけいい人なら誰でも入れちゃいそうだよね。
それをいい人と呼ぶのか、先を見通せてないと言うべきなのかは置いておいて。
「あの、それでしたら、私の食料はいりません。むしろ、少しなら分けられます。」
そう言って、さっきのデパートから持ってきた大型のリュックから、食料を取り出して渡した。
男「え!?あの、いいのか?おれは冷たく追い払おうとしたのに、、、。」
その大学生は、私のことをまるで天使であるかのような敬意のこもった眼差しで見てきた。
称号【殺人者】をみたらどう思うだろうか?
「全然いいですよ。あの、その代わり、少しだけ中に入れてもらってもいいでしょうか?
すぐ出ていきますので。」
男「あ、はいもちろん。長くいてもらっても大丈夫。おれがキャプテンに言っておくよ。」
「嬉しい!ありがとうございます。」
最後は少し角度のつけた笑顔でお礼を言った。私が背を向け、校舎内を目指して歩いている時も、ずっと視線がこちらに向いているのが分かる。
男の子って単純でかわいい。
紅「お前さぁ、腹黒すぎるよ。あーあ、あの男もかわいそうになぁ。100パーセント叶わない恋をしちゃって。」
「紅は単純じゃないし、頭もいいからほんとに大好きだよ?」
紅「そういうことをさらりと言うのがヤバイんだよアヤ。どうしたらそんなに性根が曲がるんだか。」
「そういうのが分かっちゃう時点で同類だよ紅。」
紅「あー、もちろん。だから気に入ったんだよアヤを。」
青スケ「お二人の関係は、哲学ですね。そこらの恋人なんかよりも通じ合っているようだ。うわべではなく、根本的な関係のように感じます。興味深い。」
「ふふ、青スケも好き。」
紅「はぁ。アヤは。」
そう言って紅はため息をもらすのだった。
読んでいただきありがとうございます。明日の0時に、必ず続きを投稿します。その後も毎日5話ずつ投稿していく予定です。よろしくお願い致します。




