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【書籍発売中!】万年の時を経て降臨した転生悪魔、落ちこぼれ令嬢の使い魔始めます  作者: シャルねる


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第49話

 目が……覚めた。腕の中に小さな生命体の温かさを感じながら、目が覚めた。

 マジか。

 俺、眠ってたのか?

 ……ついさっき眠る方法を忘れている節があると思ったばかりだったのに……眠ってたのか、俺。

 

「ッ」


 自分の事ながらに驚いていると、俺の腕の中でパッチリと目が開いており、少し上目遣いになるようにして俺を見つめてきていたアリアナと目が合った。


「す、すぅ……すぅ……」


 その瞬間、アリアナはボンッ、と音がなりそうな程の勢いで顔を赤くしたかと思うと、目を閉じてそんなわざとらしい寝息を立てていた。

 

 ……流石に無理があるだろ。

 誰がどう見ても起きてただろうに。


 ただ、寝たフリをするというのなら……胸でも触ってやろうかな。 

 面白い反応をしてくれそうだしな。

 ……まぁ、触ると言っても、ほぼ壁みたいなもんだけど……触ってみれば案外あるのかね?

 実際、服の下を見たことがある訳じゃないから、もしかしたら少しはあったりするのかもな。


「よしよし、アリアナ様は可愛いですね」


「っ……す、すぅ、すぅ……」


 体をビクッとさせ、更に体温が熱くなるアリアナ。

 ……やばいな。こいつ、マジで面白いんだけど。

 どこまでやったら目が覚めていることを白状するのか、本格的に気になってきたぞ。


「ッッッ」


 楽しくなってきた俺は、アリアナの頭に顔を埋め、分かりやすく匂いを嗅いだ。

 犬吸いならぬアリアナ吸い。

 どっちも意味は同じか。犬とアリアナは【=】の関係だし。

 ちなみに、玩具という言葉ともアリアナは【=】で結ばれてたりする。

 

「ぁぅ……」


 小さく声を漏らすアリアナ。

 まだ目を覚ましていることを白状しないのかね?


 それじゃあ、本当に胸も──


「ん、んぅ……お、起きた! い、今、起きたから! も、もう添い寝は終わりよ! ご、ご褒美は終わり!」


 ──触ってやろうと思ったところで、察したのか、単純に我慢の限界になったのか、アリアナはわざとらしく身を捩らせ、自然……いや、めちゃくちゃ不自然に俺から少し距離をとったかと思うと、真っ赤な顔で俺と目を……合わせられずにそう言ってきた。

 距離を取られたといっても、俺がアリアナを抱きしめている以上、アリアナ吸いが出来なくなる距離程度だから、まだアリアナの顔は近かったりする。


「おや、目を覚ましてしまったのですか。……残念ですね。後ちょっとだったというのに……」


「な、な、な、何をするつもりだったのよ! こ、この変態ドスケべ変態変態悪魔!」


 何回変態っていうんだよ。

 それに、仮に俺のさっきの行動が変態だと言うのなら……いや、傍から見たら変態かもな。

 まぁ、体を好きにしていいという契約の内容を持ち出してきたのはアリアナだし、気にしなくていいな。うん。

 話を戻すが、仮にさっきの俺の行動が変態だと言うのなら、その行動に対して寝たフリをしていたアリアナの方こそ変態だろう。


「……い、いいから、もう離れなさいよ。……終わりだって言ったでしょ」


 仕方が無いから、言われた通り俺はアリアナを離し、ベッドから降りた。

 

「着替え……は必要ないわね。……そのまま寝たんだったわ。……そ、それじゃあ、髪を整えるから、待ってて!」


 それなら、俺はベッドの上にまだいても良かったな。

 

「何かお手伝い致しましょうか?」


「……あんた、女の子の髪なんて整えられるの?」


 手で顔を扇ぎながら、俺と顔を合わせないようにして、そう聞いてくるアリアナ。


「坊主にすることくらいなら」


「……殺すわよ?」


 アリアナは今までで1番の殺気を向けてそう言ってきた。

 全然怖くは無いけど。


「……ま、まぁ? ラストは生意気にも私の髪が大好きみたいだし? 冗談だって分かってるけどね」


 かと思うと、今度はその殺気を散らし、髪先を指先でいじいじとしながら、そう言ってきた。

 ……本当にこいつは忙しいやつだな。……そこが面白いんだけど。

 あれだろ? 多分、俺が犬吸いならぬアリアナ吸いをした時のことを言っているんだろ?

 まぁ、一応間違いではないし、放置でいいか。


「とにかく、大人しくしてるのよ。分かった?」


「分かりましたよ。私はアリアナ様の忠実なる僕ですからね。言われたことは守りますよ」


「……」


 何か言いたげな目で見られつつも、アリアナが髪を整え終わった……ところで、また扉がノックされた。

 

「ラスト」


「……」


「? ちょっと! 出なさいって言ってるでしょ!」


「……」


 誰がノックしてきたかを気配で分かっていたからこそ、俺は沈黙を貫いた。


「もう〜! 何が忠実なる僕よ! 早速従わないじゃない!」


 すると、思惑通りアリアナはぷりぷりとしながらも扉に向かっていってくれた。

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