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登場!変態外道魔術師‼︎〜その4〜

 「ヒ、ヒヒ!ど、どうだ、素晴らしい計画だろう?い、いいだろう?さ、最高だろう?」

髑髏男は口の端からよだれを垂らしながら、自身の演説に酔いしれ、うっとりと自己陶酔している。


 しかしダークエルフの少女は、そんな髑髏男のことを、生気のないうつろな瞳で見つめるばかりだ。

タブレット越しに見える彼女の顔色は酷く悪く、ゼェゼェと荒い息を吐いている。


 どうやら肉体的にもかなり疲弊しているようで、彼女の肉体や精神はかなり限界にきているようだ。

はやく助けださなければ、あの子の命が危ない。


 (まったく、な〜〜にが素晴らしい計画じゃい!ただのクソ悪趣味な人体実験じゃないか!あんなかわいい子をこんなひどい目にあわせるなんて、ほんっと許せない!このスライムフェチの変態クソ野郎め!)

わたしは心の中で髑髏男を罵倒しつつ、自身のすぐ隣にあるオベリスクの先端に視線を向けた。


 まるで天然の水晶のように尖ったオベリスクの先端には、ステラがブラスターを構え、ちょこんと座っている。

ステラはわたしの視線に気付くと、小さな手を振りながら、微笑んで応えた。


 すぐ目の前の足場に目を移すと、小さな二つの影がもぞもぞと蠢いているのが見える。

ロボ丸とアリスさんだ。

二人は髑髏男に気づかれぬよう、キャットウォークの骨組みを、音を立てぬよう静かに登っている。


 やがて二つの影は足場を登り終えた後、わたしに向かって小さく手を振った。

そして髑髏男に見つからぬよう、機材の影にそっと身を隠した。

どうやら二人の準備は無事おわったらしい。


 さて、これで()()の下準備は全て完了した。

わたしはタブレットを覗き、髑髏男と仲間たちそれぞれの位置を確認する。

あとは適切なタイミングを見計らい、指示を下すだけだ……。





 _______________________☆☆☆_______________________





 「救出作戦じゃと?」

「えぇ、そうです!わたしたちで力を合わせて、あの子を助けだしましょう!」

「了解ロボ!ご主人、作戦を教えてほしいロボ!」

「えぇ、今から話すわ。それはね……。」


 髑髏男がご高説をだらだらと垂れ流している間に、わたしは仲間たちと綿密な作戦を立て、実行に向けて動いていた。 

その作戦の内容とは以下の様なものだ。


 あの男が演説に夢中になっている間に、仲間たちが気付かれぬようにそれぞれのポジションにつく。

その後、適切なタイミングを見計らい、ステラがブラスターで髑髏男を狙撃し昏倒させる。

髑髏男が気絶した隙を狙って、ロボ丸とアリスさんが女の子を救出するというものだ。


 わたしは最初、とり丸に狙撃任務を任せようとした。

しかしアリスさん曰く、とり丸の機関砲はあまりにも殺傷能力が高すぎるので、誤って女の子まで殺してしまう危険性があるとのこと。

そこで、出力を最小限に絞ったステラのブラスターを使うことになったというわけだ。


 さて、レオナにも何か仕事を頼もうと思ったのだが、何故かさっきから姿が見当たらない。

いったいどこへ行ったのだろう?

心配だけど、今はあの子を探している暇はない。

この作戦が終わったあとで、ゆっくり探すとしよう。





__________________________☆☆☆___________________________




 「ヒ、ヒヒ……まだギフト能力の吸収には至っていないが……も、もう少しで、完全で、き、究極のスライムが完成する……!そ、そうすれば、この力を使って、ぼくを追放した大学の奴らを、み、皆殺しに……ヒ、ヒヒヒ……ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ‼︎‼︎‼︎」


 髑髏男のテンションは更に昂り、両手を大きく掲げ、不気味な高笑いをはじめた。

まるで狙ってくれと言わんばかりの無防備な背中。

狙うなら今がチャンスだ!


 「ステラ、今よ!」

わたしは狙撃体制に入ったステラにハンドサインで合図を送る。

ステラはコクリと頷くと、ブラスターを構え、髑髏男の頭部を狙撃した!

  

 ブラスターの先端から青白い光球が放たれ、青い光の尾を引きながら髑髏男の後頭部にぶち当たった!

ドゴォッ!

「グェッ⁈」

首を絞められたニワトリの様な声を上げ、髑髏男が昏倒し、無様にすっ転んだ!


 「今じゃ!行くぞ、ロボ丸殿!」

「合点ロボ!」

髑髏男が気絶したのを確認すると、物陰に隠れていたアリスさんとロボ丸が素早く駆け出す。

そして再びスライムの粘液に沈み込もうとしていた少女の両手を掴み、力任せにぐいと引き上げた!


 「うぇぇ……。ゲホ、ゲホ!」

足場に引き上げられた少女が苦しげに呻き、口から大量のスライムを吐き出した。


 「もう大丈夫じゃ。さっきの男はわしの仲間が片付けた。わしらがすぐにここから連れ出してやるからな。」

アリスさんが少女の背中をさすりながら、優しい口調で問いかけた。

 

 「……えぇ、どこのどなたかは存じませんが、ゲホッゲホッ……ありがとうございます。」

少女は何度か咽せながらも、しっかりとした口調で答えを返した。


 どうやらかなり弱っているようだが、質問に受け答えできる程度には意識がはっきりしているようだ。

はやくここから連れ出して、医者に診せなければ。


 「ドロシー殿!作戦は成功じゃ!今そっちに行くぞ!」

アリスさんが少女の肩に腕を回して立ち上がり、こちらに向かって手を振った。

少女はアリスさんに支えられながら、ふらふらとした足取りで、足場の上をゆっくり歩いていく。


 しかし、その時だ!

髑髏男が首をゆっくりと振りながら、ふらふらと立ち上がったのだ!

「……う、うぅ……!」

髑髏男は恨めしげな呻き声を上げながら、アリスさんの背中に向けて手を伸ばした。

その枯れ木のように痩せた手のひらに火球が形成され、静かに燃え上がる!


 「アリスさん、気をつけて!そいつまだ気絶してない!」

男の異変に気づいたのか、アリスさんが慌てて後ろを振り向いた。

しかし、アリスさんより髑髏男の方が一瞬速かった!

男の手から放たれた火炎魔法が渦を巻き、アリスさん目掛けて襲い掛かったのだ!






_続く

 

 

 


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