↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/27

15.さらば初めてのミッテ城

前回のあらすじ。

魔王城を目指すと同時に、

亮輔の姉である蝶花を探すため

新たな地に向かうペンタグラム。


無事、門番との戦いを終え、

目的地であるミッテ城に向かうー


「おぉ〜!! ここがミッテ城かぁ! すんげぇな!」


柏木君が、周りを見渡しながらいう。

広がる城下町をみながら、私も感嘆の声をあげた。


門番達を倒した私たちは、ようやくミッテ城に着くことができた。

城下町はとても賑わっており、今まで行った街よりも、人が多いように見える。

そしてその奥には、ひときわ大きな城が聳え立っていてー


「あれが城か……随分と立派だが、普通に入れるのだろうか」


「んーー、わかんねぇけど。てきとーに話聞いてみるしかなくね? 蝶ちゃん先生が、どこいるかもわかんねぇし」


「そうだな、とりあえずは情報収集を……」


「みてみて、みんな! すっごい綺麗な石みつけた!!」


私たちの会話を遮るように、阿南さんが何かを差し出す。

確かに綺麗な石だ、とても拾ったとは思えない。

けれど今は、それどころじゃないというか……


「あのさぁ。僕言ったよな? アルケミスト一本でやれって。あんた、また職業かえたわけ?」


「だって色々やった方が楽しいんだもん! とーぞく、すんごい楽しい!!」


「変えるのはいいが、あまりはしゃぎすぎるなよ金愛。俺たちは今、大事なところなんだから」


「はーい!」


聞いてるのかいないのかわからない様子で、彼女は街中を走り回ってゆく。

さっきは遊び人だったというのに、彼女の職業は今は盗賊だ。

前のギルドでもそうだったように、気がついた頃には職業が変わっている。

自由、というか……なんというか……


「相変わらず自由だなぁ、あいつは」


「すまない、金愛はいつもあんな感じでな。子供がはしゃいでるとでも思って、多めにみてくれ」


「だとしても、やっていいことと悪いことがあると思うんだが……あんたあいつに甘すぎねぇか?」


「す、すまない。ここにきてから随分楽しそうなものだから……怒るものも怒れないんだ」


そういえば、土屋君と阿南さんはいとこなんだっけ。

昔から彼女の自由さに、振り回されてきたんだろうなぁ。

さすが陽キャ、陰キャな私とは絶対釣りあない……


「ま、金愛はあとで回収するとして……いつも通り、情報収集だな。とりあえず、城に行く班と街とで分かれて……」


「あっきーー!!」


柏木君の声を遮るように、声がする。

秒で戻ってきた、阿南さんだった。

彼女の声に、みんなが振り向くと、


「なんか、いっぱい人きたーー!」


……え?


「いたぞ! 泥棒だ!!」


「仲間がいたのか! 一緒に捕まえろ!」


「まてーー! そいつを返せー!!」


彼女の後ろには、たくさんの人が追いかけてきていていた。

衛兵だろうか、槍や剣など武器を持って、すごい形相でこちらに迫ってくる。

……え? 何これ、どういう状況??


「なあ、あれどーーみても城の衛兵……だよな?? なーーんで衛兵に、金愛が追っかけられてんの?」


「なんでって……あーー、それ!! 右手のやつ、城とかにある宝的なやつだろ!? どっから持ってきた!」


「?? なんか地下にあったから、持ってきた」


「アホか!! 返してこい!! 今! すぐ!」


「ひとまず逃げたほうがいい。話はそこからだ、いくぞ金愛!」


ひえぇぇぇ!! なんでこんなことにぃぃ!!

私たちは、衛兵に追われるがまま、せっかくついた城を後にせざるを得なかったー




「くそ、あいつらどこいった!」


「そう遠くは行ってない……日が暮れないうちに探すんだ!」


あちこちで、衛兵がウロウロしている。

それを物陰から、私は見ることしかできなかった。

息が、苦しい。

この世界に来てから、こんなことばっかりだ。

異世界が楽しいなんてまっぴら嘘だ。なんで私が、こんな目に遭わなきゃいけないのだろう…


「ひとまずの危機は脱したってとこか……わりぃな、成瀬。魔法、使わせちまって」


その言葉に、ふるふる首を振る。

私たちは現在、物陰に隠れている。

とはいえ普通に隠れていてもすぐに見つかってしまうので、私の魔法で姿を消しているのだ。


「ほんっと馬鹿阿南!!! 何しでかしてんだ!!」


大きな声が、聞こえる。

声の主は、いうまでもなく火野君だ。

彼女のしたことに、どうやら怒りが収まらないようでー


「僕言ったよな? 人を探してるって! なのに、余計な邪魔ばっかしやがって!!!」


「りょーちん、なんで怒って……」


「怒りたくもなるだろ!! もうクビだクビ!! クビクビクビ!!」


「落ち着け、亮輔。金愛に悪気はない、少しは許してやってくれ」


そんな彼の怒りから守るように、土屋君が阿南さんの背中を叩く。

それでも収まらないようで、彼の目は赤くなったり、元に戻ったりを繰り返している。

その怖さゆえなのか、阿南さんもおとなしく土屋君の後ろに隠れてしまう。


そりゃあ、城にお姉さんがいるかもって言われてたし、怒るのも無理はないかもだけど。

正直、そんなに怒らなくてもいいような……


「それにしても、阿南が盗んだこれ。なんなんだろうなぁ」


そんな中、呑気に柏木君がいう。

彼が持ってるのは、阿南さんが見つけた玉のような宝物だった。

水晶のようで、私たちの姿がみえるほど透き通っている。


「んー、玉か何かだろうか。流石にこの世界のものは、わからないな」


「それなぁ〜調べたくても、街には戻れないし……」


「あーーもうほんっと最悪!!! なんなんだよ、一体!!」


3人が、口々にいう。

流石に私も何に使うかわからず、どうしようかと迷っているとー


「違う……使い方、そうじゃない」


ぼそりと、つぶやく声が聞こえる。

彼女はとぼとぼと歩きながら、3人が持つ水晶へ近づく。

何を思ったのか、彼女はそれを取り上げ、空にかざしてー


「バカ!! 余計なことす……」


瞬間、光が私たちを包む。

まばゆい光の中、水晶が映し出したのはー


『おー、やっと繋がった。みんなぁ〜うまくやってる〜?』


「ね……姉貴!!?」


その水晶に映っていたのは、誰であろう彼のお姉さんである、火野蝶花先生だったのだ!!


(つづく!!)

おまけの小ネタ

城下町につきました。


亮輔「やっとついたな。まずは姉貴の情報を……」


金愛「ねえねえ慎! あそこにすんごくかっこいいのがあるよ! 慎似合いそう!」


慎「おお、本当だな。あとで買っていこうか」


晃「お、あっちにうまそーなのも売ってんじゃん。ちょーど腹減ったし、みていこーぜ」


亮輔「……行かない」


晃「そうせかせかすんなってりょう〜。せっかく城下町まで来たんだしさ、ちょっとくらい見てもよくね?」


亮輔「よくない。こっちは急いでんだ、早くし……」


水帆「わぁ……ゲームで見た城下町、そのものだぁ……お城も、まるでお姫様が住んでるみたい……!」


亮輔「………」


水帆「あ、すみません! こういう場所、初めてきたのでつい……」


亮輔「……仕方ねえ、5分だけ許す」


水帆「えぇ!? いいんですか!?」


晃「やっりぃ〜あざぁす♪」


慎「……亮輔って、意外と押しに弱い、よな……」


金愛「かなみ、あっちいってくるねー!」


このあと追われる身になりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。