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14.ペンタグラムはちぐはぐだらけ

前回のあらすじ。

ようやく着いた村で、手に入れたのは

亮輔が探している姉の目撃情報だった。


紆余曲折あったものの、3人とも和解し、

ついに正式なメンバーへ。

そこに、金愛も加わり、

5人となった『ペンタグラム』は

次なる目的地へと向かうーー

「なんだか、地形ががたついてんなぁ。足元、気をつけろよ」


柏木君が、周りを見渡しながらいう。

私たちーペンタグラムの五人は、次の目的地に向かっていた。

それも、ミッテ城。土屋君いわく、酒場のおじいさんが、そこに向かう姿を見たらしい。

初めての五人、ということもあってなのか、行く道中はとてもにぎやかだった。


「あ、みて!! 変な虫がいるー!」


「……ふーん」


「あの虫さん、どこいくんだろー? そだ! おっかけっこしよう! りょーちんが鬼ね?」


「はあ? なんで僕が。ていうか、やるなんて一言も……」


「じゃあいっくよぉ〜! よーーいどーーん!!」


前回の転職で遊び人になった阿南さんは、ことあるごとに何か見つけては、遊びに発展させる。

それになぜか、火野君も付き合わされる、というのがお決まりの流れになってしまった。

すっかり慣れてしまったのか、土屋君達も止める行為すらしなくなっちゃったし……


「なんなんだよ、あの女は。いちいちつっかかってきやがって……」


「まあまあ、そんな怒るなって。慎じゃなく、お前に来るってことは、気に入られてる証拠じゃん?」


「いい迷惑だわ。どーにかしろよ、保護者」


「と言われてもなぁ。金愛に悪気はない、亮輔と仲良くなりたくて仕方ないんだ」


「あいつらしいよなぁ。遊ぶのはいいことだが、そろそろ戻ってこいよ〜? 城門、ついたぞ〜」


柏木君の声に、やっと阿南さんがパーティーに戻ってくる。

ミッテ城に行くは、ここを通らないといけないらしい。

辿り着くが否や、目の前に大人の男性二人組が立ちはだかった。


「君たち、ちょっと待ちなさい。ここから先は、魔王城管轄区域だと知ってて行こうとしてるのか?」


「え、あ、そっすけど」


「君たちみたいな弱い子供じゃ、魔王城はおろか道端の魔物で倒されるよ。さ、帰った帰った」


「んなこと言われてもなぁ。オレらこの先の城にも、魔王にも用があるんすよ」


「そんなに通りたいのなら、私達を倒していくといい。もっとも、できるわけないと思うが」


屈強な男達が、ニヤニヤ笑っている。

見ただけでわかった、馬鹿にされているって。

それは私だけじゃなく、怒りをもろに顔に出している火野君も同じでー


「こいつら……ガキだからって舐めやがって……!」


「まーまー、落ち着けって。要は、ガキじゃねえってところを見せりゃあいいってことだろ?」


柏木君が、火野君を制するように入ってくる。

それはまるで、かかってこい、といわんばかりの態度だった。

えっとぉ……この展開ってもしかして、戦うってことであってます……?


「ミッテ王にみそめられた我らが門番の力、味合わせてやる!!」


うわぁぁぁん! やっぱりぃ!!!

二人の門番が、一斉に突っ込んでくる。

対して火野君と柏木君は手慣れたように、それをひょいっと交わしてみせる。

それを待っていたかのように、土屋君の大剣が一撃を受け止めてみせた。


「りょう、慎! オレが隙を作る。攻撃は、任せてもいいか?」


「ああ、お安いご用だ」


「ぼ、僕に指図すんな!! 言われなくてもやってやるよ!!」


「あ、あの、私は……??」


「成瀬は……何もしなくてよし!! あぶねーから金愛とそこにいてくれ。ここは、オレら男子に任せてろ!」


柏木君が剣を手に、果敢に立ち向かってゆく。

その隙を狙うように、火野君が斧を振るう。

門番たちはそれを受け止め、すかさず反撃してくる。

その攻撃を土屋君が大剣で受け止め、間髪入れずに相手へ斬りかかっていて……


す、すごい。3人とも、全然門番と渡り合えてる!

私も、私も何かしないと……! なんて思っていた時ー


「ねえねえ、かなみは何したらいいのー?」


隣にいたはずの阿南さんが、前線の方へ走り出してゆく。

彼女の登場に、みんなはギョッとしたように目を丸くさせた。


「金愛! なんでこっちに!? あぶねーから、そこでみてろって言ったよな?!」


「だってみんなだけ面白いことしててずるいんだもぉん。そんなことより、これみて! なんかキラキラしてるのみっけた! えーいっ!」


「馬鹿!! んなもん投げたら……」


火野君の静止も聞かずに、阿南さんは何かを投げる。

すると次の瞬間、門番の武器がぐにゃっと別の形に変わってしまったのだ!!


「な、なんだこれは!? こ、攻撃できないぞ!」


「わぁ! すごぉい、変わったー!!」


「なんだかよくわかんねぇが……今がチャンスだなっ!」


土屋君と火野君が、頷きあう。

一斉に二人で突っ込んだ結果、門番達はあっという間に倒せてしまった。


「あれー? もうおわりー?」

 

「おわりーじゃねぇだろ。まあ、勝てたからよかったが……」


「すまん。金愛はこういう奴、でな……」


「めちゃくちゃすぎんだろ、こいつ……」


いずれにしろ、これで先に行ける……のかな?

私、ほとんど何もできてないけど……

そんな時、だった。ミシミシと、何かが軋むような音がする。

顔を上げると、そこには木が倒れかかってきていてー!


「……っ! みなさん!! 伏せてください!!」


届くように、大きな声をあげる。

同時に門の支柱だった木々が、こちらに倒れてきていた。

ど、どうしよう! 間に合わない!!

見ることすら怖くなって、目を瞑ってしまったがー


「ふう……危なかったな。みんな、怪我はないか?」


一向にダメージが来ないので、ゆっくり目を開ける。

そこにいたのは、大きな木を一人で支えている土屋君がいたのだ!!!


「うぇっ、慎!? お前、何してんの!?」


「何って、受け止めただけだが?」


「だけって片手で!? どんだけすごいんだよ、お前!!」


「もともと、あっちの世界で鍛えてたから、かな? 成瀬が声を上げてくれて、よかったよ」


そういうと、いとも軽く彼は木を投げてしまう。

まるで、軽いものを持っていたかのように。

あまりのことにぽかんとしていると、柏木君がはぁぁとため息をついた。


「いやー、なんつーか……このメンバー最高だわ。ペンタグラム、面白すぎだろ」


柏木君が、はははっと笑ってみせる。

その優しい声に、自然と笑みがこぼれていてー


「こら晃、笑いすぎじゃないか?」


「だってさあ、即席にしちゃあいいパーティーすぎね? オレら。これからも結構やれんじゃね?」


「ああ、そうだといいな」


「かなみ、楽しかったー! またやりたい!!」


「どこがいいパーティーなんだよ。いうこと聞かねぇわ、武力ゼロで使えねぇわ、何もしてない奴いるわ……」


「す……すみません……」


「何言ってんだ、成瀬だってオレらに危険だって知らせてくれたんだ。それだけで、十分だろ」


私たちはまだ、お互いのことなんてほとんど知らない。

それでも、この五人なら、不思議と大丈夫な気がする。

どこか危なっかしいけど、一人一人が優しくて温かい。

だからこそ、役に立たなきゃいけない。

そのためにも早く戻らなきゃ。

理想の私に。ギャルの……私に。


「とりあえず、先に進もうぜ! 城はすぐそこだっ」


柏木君の声がする。

そんなことを思いながら、私は彼らの後を追ったのだった。


(つづく!!)

おまけの子ネタ

門番突破前……


晃「そういえば、次の城でギルド登録し直してかよーと思ってんだけど、リーダーどうする?」


慎「えっ、決まってないのか? 俺はてっきり、晃だと思っていたんだが……」


晃「いやー、オレはどっちでもいいんだけど。オレがすると嫌ぁな顔する奴がいるからさぁ」


亮輔「当たり前だろ。そーゆーのは、慎。あんたで十分」


慎「俺は……引っ張るのは得意じゃないんだ。そういう亮輔はどうだ?」


亮輔「ぼ、僕はいい。むいてないし……つーか初期メンなんだし、成瀬がやれば……」


水帆「あ、私は無理です。絶対やりません」


晃「即答かよww となると、残ってるのは……」


金愛「はいはーーい! かなみ!! かなみがやるー!!」


亮輔「………もういい。あんたにさせるくらいなら、晃で我慢する」


晃「いや我慢するってひどくね!? ただの消去法じゃねーかよ!」


結果、晃に決まった。

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― 新着の感想 ―
賑やか過ぎて、こんなテンションでの冒険はあまり見たことがなくて、こちらのほうが戸惑っております(良い意味で) 気になったのは柏木くんですね。作者さんのお気に入りキャラに見えたのですが。 バグは仕方な…
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