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四国再生の礎

那須資忠は伊予へ帰国した。


河野家の本拠であった湯築城は、この日より新たに松山城と改められ、四国政庁として歩み始める。


城では西園寺家の姫が那須を迎えた。


西園寺家は娘しか後継がおらず、この婚姻によって伊予と南予は固く結ばれたのである。


婚礼を終えると、那須は休む間もなく政務へ取りかかった。


四国は長年の戦乱により、田畑は荒れ、多くの村で働き手を失っていた。


城下で評定を開いた那須は静かに言う。


「今、四国に足りないものは兵ではない。」


「人だ。」


その日のうちに書状が認められた。


宛先は和泉の下間頼廉。


そして大和に集う本願寺門徒であった。


«「四国には広い土地がある。


新たに田畑を耕し、村を興し、共に暮らす者を求む。」»


戦乱を逃れた門徒たちの新たな受け皿として、四国への移住を広く募ったのである。


さらに那須は坂東へも使者を送る。


宛先は真壁幹久と笠間兄弟であった。


「四国は人だけでなく、牛馬も不足しております。」


「農耕を助ける役牛の手配をお願いしたい。」


ほどなく真壁は快諾し、笠間兄弟もまた家畜衆を率いて四国へ下向した。


彼らは坂東牛を連れて来る予定であったが、伊予の暑さを確かめると笠間は首を横に振った。


「この土地では坂東牛は夏負けいたします。」


「こちらの方がよろしいでしょう。」


そう言って連れてきたのは、水辺でも力強く働く水牛であった。


笠間は笑いながら言う。


「田が多く、暑い土地ならば、水牛の方が向いております。」


那須も頷く。


「土地に合わせて変える。」


「それが坂東のやり方だ。」


こうして四国には、本願寺門徒による新しい村が築かれ、田には水牛が入り、人と家畜が再び大地を耕し始めた。


長き戦乱を終えた四国は、武による統一から、民による復興の時代へと歩み始めるのであった。

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