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背炙山への集結
黄金色の稲穂が風に揺れていた。
季節は、実った稲を刈り入れる秋。
農民たちは一年の実りを収める最も忙しい時を迎えていた。
だが、その実りは同時に軍を養う兵糧でもある。
この秋を制する者が、冬を制する。
小山義広と鹿島政清は、その機を逃さなかった。
二人はついに浜通りから蘆名・佐竹勢を追い払うことに成功する。
もっとも、それは二人だけの功績ではない。
後方では水戸頼治が攻略した浜通りの城々を固め、兵糧と武具の補給を絶やさず、小山軍の背を支え続けていた。
小山は決戦を避けた。
刈り入れの始まった村々を巡り、鹿島の見聞方や各地の協力者と力を合わせて兵糧を正当な代価で買い上げる。
さらに蘆名・佐竹の兵站基地を急襲し、兵糧蔵を奪い、荷駄を焼き払った。
兵はなお健在であっても、兵糧が尽きれば軍は戦えない。
ついに蘆名・佐竹は黒川城まで後退し、一度軍を立て直す決断を下した。
その報せを受けるや、小山は鹿島とともに軍を返す。
目指すは黒川城を見下ろす背炙山。
敵より先に高地を押さえ、伏兵となるためであった。
しかし、背炙山で二人を待っていたのは敵ではない。
兵学館で机を並べた、懐かしい級友たちの姿であった。




