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朱雀寮反省会、敗北から学ぶ

玄武寮との一戦を終えた昼。

競技場では昼休憩となり、観客たちは屋台へ向かい、午後の第二試合を待っていた。

その頃、朱雀寮では反省会が開かれていた。

六対〇。

兵学館では三点差がつけば大勢が決したと言われる中での大敗。

誰一人として言い訳を口にする者はいなかった。

宇都宮朝綱は静かに学生たちを見回した。

「今日の敗因を整理しよう。」

一人の学生が手を挙げる。

「玄武寮は、鞠ではなく空間を支配していました。」

朝綱は静かに頷く。

「その通りだ。」

「我らは鞠を追い、玄武は戦場そのものを動かしていた。」

「道を開き、道を閉ざし、我らを思う場所へ誘導していた。」

別の学生が続ける。

「前半、一騎だけが鞠を追い、五騎は自陣へ下がる。」

「押し込んでいると思っていました。」

「ですが、あれが玄武寮本来の戦い方だったのですね。」

「そうだ。」

朝綱は苦笑する。

「私も途中まで押していると錯覚した。」

「実際には攻めさせられていた。」

「我らは玄武の間合いで戦っていたのだ。」

さらに学生が口を開く。

「後半は、まるで別の軍勢でした。」

「二騎一組で追われ、隊列を引き裂かれました。」

朝綱は深く息を吐く。

「前半で我らを見切ったのだろう。」

「そして後半は、その攻略法を実行された。」

場が静まり返る。

朝綱は続けた。

「もう一つ。」

「敗因は、層の薄さだ。」

学生たちは顔を伏せる。

「前半を戦った六人を、そのまま後半も戦わせるしかなかった。」

「玄武は三騎を交代させ、新しい体力で攻め続けた。」

「この差は大きい。」

朝綱ははっきりと言った。

「今後の課題は、寮全体の底上げだ。」

「主力だけでは勝てない。」

「誰が出ても同じ戦いができる寮を目指そう。」

しかし、朝綱はそこで表情を和らげた。

「ただし。」

「今日の試合で得たものもある。」

学生たちが顔を上げる。

「前半、我らは教本どおり、美しい陣形を保ちながら鞠をつなぎ、玄武陣へ何度も攻め込んだ。」

「その規律と統率は、確実に力になっている。」

「兵学館でも誇れるものだ。」

学生たちの表情が少し明るくなる。

「だが。」

朝綱は静かに続けた。

「我らは美しい陣形に囚われた。」

「形を崩すことを恐れた。」

「教本どおりに動くことが目的となり、打開する工夫が足りなかった。」

「玄武は、その規律さえ利用してきた。」

朝綱は学生たちを見回した。

「美しい陣形は武器だ。」

「しかし、それだけでは勝てない。」

「必要なら形を変え、状況に応じて戦える軍になろう。」

学生たちは力強く頷いた。

敗北は悔しい。

だが、それ以上に多くを学んだ一戦だった。

反省会を終えた朱雀寮は、それぞれ馬の手入れを済ませると、夕刻から始まる白虎寮対青龍寮の一戦を見るため、競技場の観客席へ向かった。

今度は敗者ではなく、一人の学ぶ者として、その試合を見届けるためであった。

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