↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
144/199

第42.5話 休憩室にて

 同じ頃、スタッフ休憩室。


 リリアは椅子へ腰を下ろし、手元のタブレット端末をじっと見つめていた。


 画面に表示されているのは、Code:VIR公式配信ページ。


 先ほど行われた太郎とイオの試合が、ハイライト映像として流れている。


 その横に並ぶ視聴者数。


 1万を優に超えていた。


 さらにコメント欄では、文字が下から上へ途切れることなく流れ続けている。


 リリアの口元が、だらしなく緩んだ。


「嬉しそうですね」


「……へ?」


 声に顔を上げる。


 開いた扉の向こうには、しろ。


 その隣には、今大会の発起人である男性プレイヤーが立っていた。


 二人が室内へ入り、しろが静かに扉を閉める。


 リリアの正面へ腰を下ろしたところで、彼女は待ってましたと言わんばかりにタブレットを二人へ向けた。


「見てください、この数字と反応!」


 二人が画面を覗き込む。


「……大盛り上がりですねぇ」


 しろが思わず声を漏らす。


「でしょー? 運営に持ち込んだ甲斐がありましたよ!」


 リリアは得意げに胸を張った。


「まあ、この方が首を縦に振ってくれなかったら、始まりませんでしたけどね」


「いやいや」


 男が苦笑しながら手を振る。


「急にリリアさんが来た時はびっくりしましたけど、俺は好きにどうぞって言っただけなんで」


「でも、やってよかったでしょ?」


「それは、まあ」


 男はもう一度、配信画面へ目を向けた。


「最初は、16人ちゃんと集まるのかなって心配してたんですけどね。まさか、こんなことになるとは」


「ここまでランカーが集まる大会なんて、ランキング戦くらいですからね」


 しろも、自分の端末へ参加者一覧を表示する。


 そして、そんな大会も残すところ決勝戦だけ。


 リリアは流れ続けるコメントを眺めながら、小さく笑った。


「この大会を見て、もっといろんな人にCode:VIRへ興味を持ってもらえたら嬉しいですね」


「じゃあ、そのためにも最後までしっかり盛り上げないといけませんね」


「よっしゃー!」


 リリアが勢いよく立ち上がる。


「決勝戦も、気張って盛り上げましょう!」


「まだ休憩時間、残ってますけど」


 しろの声を背中で聞きながら、リリアはもう扉へ向かっていた。


「早めに準備するに越したことはありません!」


 そう言い残して、休憩室を飛び出していく。


 残された二人が顔を見合わせる。


 男が、小さく笑った。


「……楽しそうですね」


「ええ」


 しろも笑う。


「本当に」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。