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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
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76 茜の迷宮攻略記 4

 佐加里迷宮の第三層を越え、いよいよ魔物が出る第四層に入ります。


 「おい、茜さんとお妙さんは久しぶりの魔物の出る迷宮だろ?」


 「「はい。」」 


 仁藤さんの問いに私達は口を揃えて返事をします。


 「なら、ここから第十層までは肩慣らしでしっかり戦っとけ。お涼と奏も一緒に戦って連携をしっかりとれるようにしろ。何かあったら九重の旦那頼んだぜ。」


 私達の返事を聞いて、仁藤さんはそう言って久しぶりの魔物との戦いの私達を気遣ってくれました。

 屋敷だと頼りないおっさんと言った感じですが、迷宮内ではさすが筆頭といった気遣いです。

 迷宮での戦闘は久しぶりですが、でも前回も一緒に戦ってます。

 私もお妙ちゃんも九重さんが手が空いているときに稽古をつけて貰ってますし、強くなっているはずです。

 もっとも、九重さんはお妙ちゃんの槍使いは褒めてくれますが、私の剣捌きは黙して語らずですけどね。


 私達が準備を整えている間に第一徒党から第三徒党までは最初の拠点を構える準備で、当初の予定通り先行していきます。

 仁藤さん達を見送ってから、小一時間ほどして私達が露払いをして進み、その後を小荷駄隊が進みます。

 以前一緒だった男の子達は小荷駄の護衛をしています。他にもいくつかの徒党が護衛をし、私達の他にもいくつかの徒党が脇道からの魔物が小荷駄を襲うのを阻止すべく、先行して脇道に消えていきます。


 私達も戦闘をこなしながら、三度ほど戦闘を行い順調に前に進んでいます。


 「結構、順調に戦闘ができてるね。」


 私は怪我もなく進んでいるので、そう言います。


 「はい、茜さんや奏さんの魔法はやっぱり凄いです。」


 「そう言ってくれると嬉しいけど、お妙やお涼が前を固めて守ってくれるから、安心して魔法を撃てるんだよ。ね。茜さん。」


 お妙ちゃんの答えに奏さんがそう言って私に同意を求めます。

 なので、わたしもこう返します。


 「そうだよ。武器での戦闘と違って魔法はどうしても準備が必要になっちゃうからね。」


 「でも、茜さんの魔法、奏より早く発動していますよ。さすがです。」


 それにお涼さんがそう言って褒めてくれます。


 「ちょ、お涼、本職の私が劣っているみたいな言い方やめてよね。」


 それを聞いて奏さんはお涼さんに文句を言います。


 「うん、速度も威力も劣ってたら、奏の価値は何ってなるよね。」


 お涼さんは奏さんの苦情を聞いても悪びれもせず、そう言い切ります。


 「何言っている。茜は力押ししているだけだ。奏のように状況に応じて適切に魔法を放ってくれた方が前衛職にはありがたいだろ。」


 それを聞いて、九重さんがそう言って二人の言い争いを止めに入ります。


 「ははは、そうなんだよね。まぁ、この辺の魔物なら茜さんの魔法を撃ち込んで、弱ったのを私と妙さんで止めを刺すという感じだから、つい、揶揄いたくなっちゃって。」


 「なに私を揶揄っているのよ。でも、それも一理あるわね。茜ちゃん、ちょっと休憩ね。私達でちょっと戦いましょう。」


 九重さんの注意に、お涼さんと奏さんはそう言って、私にしばらく見学を求め、三人で戦うことを提案してきました。


 「えー、なんでですか?」


 「だって、今のままじゃ連携の確認にならないから、ね。それに魔力も節約しないとでしょ?茜は。」


 「そうでした。では、お言葉に甘えさせて貰います。」


 私はその提案に苦情を言いましたが、魔力を節約しないといけないのでは?と言われ、そうだったと思い納得します。


 そうして、彼女ら三人で戦闘を行う。

 初手で奏さんが魔法で相手の足を止め、そこにお涼さんとお妙ちゃんが斬りかかる。

 相手の魔物が距離を取ろうと離れようとしたところ、つかさす奏さんの魔法が追撃し、動きを止め、お涼さんは飛び込み止めを刺す。

 お妙ちゃんは、久しぶりの魔物相手だし、お涼さんは熟練者、そこで最後の踏み込みの差が出ている。

 だけど、お妙ちゃんの槍捌きだって、全く問題なく魔物の攻撃を防ぎ、攻撃を当てている。

 うん、私も魔力を節約して敵の魔物が弱い序盤は戦わないと、確かに敵が強くなって、連携にまごつくようなことがあるといけないし、気を付けよう。

 それで後で思うとこの一連の会話は私が連携を意識せずに魔法を放っていたので、連携を意識するようお涼さんと奏さんで一芝居打ってくれたのかもしれませんね。


 こうして、数戦後、私も連携して戦うことを意識しながら、戦闘に復帰します。

 前衛のお涼さんやお妙ちゃん、同じ魔法使いの奏さんがどんな魔法を使うかを考えながら、私も前衛の邪魔にならないよう魔法を行使します。

 攻撃魔法は発動速度は落とさず、威力を前衛の邪魔にならないよう調整する。

 補助魔法は声を掛けて、しっかり、魔法が来ることを前衛に意識させて増強させる。

 といった、魔法使いなら基本的なことかもしれないけど、そう言ったことをちゃんと意識していく。


 そんなこんなをしながら、進んでいると当初の予定の初日の宿営地点に到着した。

 最初の第一休憩地点までは、たくさんの徒党が荷駄を守る形で進んでいるため、徒党単位でいくつかに別れて見張りを行うことになっています。

 なので休憩も徒党単位です。

 私達はみんなの邪魔にならなそうな場所に天幕を用意します。

 そして、そこに異空間にしまった道具や魔道具の数々を取りだします。


 「なにこれ、茜さん?」


 「ちょっと何持って来ているのよ。」


 お涼さんと奏さんはそう言って、私が取り出した物の数々を見て驚いています。

 お妙ちゃんと九重さんはあらかじめ知っていたので、何とも言えない表情でそれを見ています。


 「快適に過ごした方がいいでしょ。」


 「確かにそうだけど。」


 「だから、着替えや予備の武器、薬師道具など最低限の荷物でいいと言っていたのね。」


 「でも、これがあれば小荷駄隊要らないんじゃない?」


 「だよね。」


 「ははは、それは魔法に欠陥があったらいけないから、小荷駄も今回は同時運用なんだ。」


 お涼さんと奏さんの言葉に私はそう答えます。


 「確かに少人数で挑めるけど、食料がなくて撤退はつらいよねぇ。」


 私の言葉を聞いてお涼さんも納得したようにそう言います。

 それに九重さんがこう付け加えてくれました。


 「そうだな。それに、もし、攻略に失敗しても退路の安全が拠点まで戻れば確保されているという安心感は大きいぞ。」


 なるほど、物資は私の魔法で送れるけど人は送れないから、確かに失敗して撤退する時の安全という点では拠点構築は欠かせないか。

 するとこの魔法による輸送が認められても、拠点という安全確保は必要になるのか。

 そうなると、やっぱり、効率的に拠点を作ることを考えると物資輸送も兼ねた方がそこまでの退路も移動が頻繁に行われれば頭に入るし、いいんだろうな。

 この魔法は物資輸送を考えればいいことだけど、全体を考えるといいことではないのか。

 これを取り入れれば、攻略が便利になり、みんなのためにもなるのかと思ったけど、もっと多角的に考えないといけないか。

よろしければブックマーク、評価、ご意見、感想などよろしくお願いします。

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