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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
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75 茜の迷宮攻略記 3

 その後、佐助さんは私の魔法を加味して短い時間に計画を練り直したり大変そうでしたが、攻略の準備は着々と進んでいるようです。

 そんな中、私達にも改めて攻略の役割が提示されました。

 当初は第二中継点である第十五層での物資の供給という役割でしたが、私の魔法『異空間転送』で物資を効率的に運搬できるようになるため、一番最後の中継点、第二十層でのや役割が変更されました。

 私とお妙ちゃんは迷宮での経験が不足しているのでいきなりそんな奥まで行けるのか心配です。

 でも、九重さんから大丈夫だとのお墨付きをもらっているそうなので、佐助さんも仁藤さんも心配ないと言ってました。

 でも、第十層の階層主以上の魔物が普通に徘徊しているような場所ですよね?

 本当に平気なのでしょうか。


 もちろん、そこには奏さんやお涼さんも一緒に向かうとのことです。

 この二人については佐助さんは心配なようですが、仁藤さんの何事も経験だの一言で同行が決まったそうです。

 期待されているね。二人とも頑張れ。

 私とお妙ちゃんはついでなので、あれですけど、こんなので迷宮の

 そんな訳で、錬金術師と薬師は緊急時にいろいろな薬を調合でき、中には薬効が短い物もあるので、その存在は迷宮の奥ではかなり貴重な存在なようです。

 なので、そっちの本来の役割もちゃんと果たせるかも心配です。


 それと私の魔法『異空間転送』を覚えて貰う人選については、私に魔法が使えなくなるような状況になった時のために、奏さんが中継点側の予備にそれと本体側で緊急時にやり取りができるように佐助さんが、地上で物資供給の役割としてお政さんと奏さんのお師匠の二人に決まりました。

 奏さんは私達の護衛で一緒にいるし、私の魔法創出の時から付き合っていたので、覚えるのも楽だろうと言うことで決まりました。

 佐助さんは攻略組で一番、一番魔力がある魔法使いだということで、緊急時にも対応できるだろうということで決まったそうです。

 というか、佐助さんて、魔法使いさんだったのですね。

 地上組はある程度まちょくがある人物で、冒険者をやっていない『光陰星霜』に関係が近い人達が選ばれたそうです。

 奏さんのお師匠さんは何となくわかるのですが、お政さんて『光陰星霜』とどんなつながりがあるのでしょうか?

 お政さんも仁藤さんも尋ねても、教えてくれないのですよね。気になります。


 そんな感じで私達の役割は決まったのですが、今回私達で第十一層から第十九層までの階層主を倒さないといけないのですよね。それって結構大変なのではないでしょうか?

 その辺については、連携慣れをしていない心配があるので、攻略までの間に連携の訓練を私達未攻略組と九重さんが『光陰星霜』の第三徒党の皆さん相手に訓練を行うことになりました。

 私は、今までのお店の仕事と野菜についての相談、魔道具のための錬金素材の準備、魔法の指導、そして連携のための訓練とすごく多忙な日々を送ることになりました。

 お妙ちゃんも自分の仕事に私の護衛?、素材購入のお手伝い、魔法の指導時の魔力切れへの対応をして貰ったりで、その辺は私同様大変なので、悪いと思っています。

 でも、お妙ちゃんは充実していて楽しいと言ってくれてます。

 本当にいい子だねぇ。


 それとは別に攻略に際して携行魔道具もいろいろ買いこみました。

 私の先人である漂着者さん達が、いろいろ考え、魔道具職人さんたちがそれを実現してきた数々を買い揃えることにしたのです。

 前回は結構迷宮内で不便な思いをしたので、そのことを生かしての購入です。

 それに今回は私の魔法により、事実上荷物制限がありませんので、結構遠慮なく買い込みました。

 本当に便利な魔法を作り上げたものです。

 自分を褒めてあげたい。

 こうして、迷宮内での生活の質の向上にも努めます。

 この辺の魔道具は旅をする上でも絶対役立ちますし、先行投資ですね。


 そんな慌ただしい時間があっという間に過ぎました。

 そして、いよいよ迷宮攻略の日になりました。

 私の準備も順調に進み、私が教えた魔法もみんな最小限の魔力で行使できるほどになりました。

 もっとも、これは皆さんが一流の使い手ばかりで、優秀であったためですけどね。

 攻略組第一徒党、第二、第三徒党は攻略の予備戦力及び私達の拠点から第一徒党本体の拠点となる第二十二層(第二、第三徒党がこの階層までしか到達できていないため。)までの物資の搬送及び拠点警護が行い、私達の拠点となる第二十層は第四、第五徒党が拠点までの物資の搬送及び拠点警護が行いといった感じで、一門を総動員し、友好的な一門にも協力を仰ぎ、総勢二百人以上による迷宮攻略が始まろうとしています。

 

 『光陰星霜』の筆頭である仁藤さんの挨拶が行われて、いよいよ迷宮に向かう運びとなりました。

 当然、佐加里の街中にも今回の迷宮攻略は知れ渡っており、私達の一団が迷宮に向かう姿を一目見ようと、市中の人達も集まって見送ってくれてます。

 本当にこの迷宮攻略は一大行事なのですね。

 仁藤さん達の徒党を先頭に大通りを練り歩いて行きます。


 「こんな大勢に見送られるなんて、ちょっと緊張するね。」


 私は沿道の人だかりに驚き、お妙ちゃんにそう話しかけます。


 「はい。知り合いにも大声で声を掛けられてちょっと恥ずかしいですね。」


 お妙ちゃんも慣れないようで、俯き気味にそう越えてくれました。


 「だよね。」


 そんな話をしていると、聞きなれた声がしてきました。


 「「お姉ちゃん達頑張ってねー。」」 


 サキちゃんや綾ちゃんそのお友達です

 一緒に歩いていた奏さん達も彼女らのことは何度か会って知っているので、にこやかに声を返しています。

 私とお妙ちゃんもそれに応えて恥ずかしながら手を振ります。 

 私達が気が付いてくれたとわかったサキちゃん達はさらに前のめりに声を掛けてくれますが、やっぱりこの大衆の中でその声に応えるのは恥ずかしいです。


 「奏さん達は平気なのですかね?楽しそうですけど。」


 慣れた感じで手を振っている奏さんとお涼さんを見て、お妙ちゃんはそう言ってきました。

 

 「うーん、どうなのだろう。奏さんに魔法を教えていた時はこんな大きな攻略に参加するのは初めてで緊張すると言っていたけど。」


 私はお妙ちゃんにそう答えていると、私達の会話が耳に入ったのだろう。

 奏さんがこう私達に話しかけてきた。


 「えー、恥ずかしがることなんてないでしょ。あなた達も村の祭りとかで踊ったりして、周りから囃し立てられたりしてたでしょ?それと一緒よ。」


 いえ、私の田舎は盆踊りとかまだあって櫓の周りで踊ったりしていたけど、声なんてかけられませんでしたよ?


 「いえ、私は踊りとかあまり参加しませんでしたから。よくわかりません。」


 お妙ちゃんはそう奏さんに返していました。

 そうなの?結構そう言ったことにも積極的な印象があったけどな。

 でも、そう言えば村で祭りみたいなことをしていた時も、どっちかと言うと裏方的なことをしていたっけ?


 「だよね。奏がおかしいから気にしない。」


 お涼さんも奏さんとお妙ちゃんのやり取りを聞いて、そう言ってきました。


 「でも、お涼さんも平気そうですけど?」


 お妙ちゃんはお涼さんにそう返します。


 「私は子供がかわいいから、全力で応えたいだけ。普段なら恥ずかしくてこんなことできない。」


 お涼さんは子供達に手を振り返しながら、そう答える。

 さいですか。

 私も子供は好きだけど、そこまで羞恥心を捨てられませんよ。

 そんなやり取りをしているうちに、佐加里の街の正門に着く。

 普段はそっけない門番の役人さんも今日ばかりは「頑張って来い。」と声を掛けてくれた。


 迷宮についても普段は行き先を記帳したりするが、さすがにこの人数をいちいちしていたら大変です。

 なので、佐助さんが一同を代表して、迷宮の入口にいるお役人さんに攻略の許可状を見せて、今回の計画書を手渡して入場となります。

 なんか形式的なやり取りですが、みなさんそれを静かに見守ります。

 なかなか許可も下りないような攻略なのでみなさん、真剣な心意気でいるようです。

 こうして、いよいよ迷宮に入場し、今回の迷宮攻略がいよいよ始まったのでした。 

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